安全衛生情報センター
労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(平成26年政令第288号。以下「改正政令」という。)及び 労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(平成26年厚生労働省令第101号。以下「改正省令」という。) がそれぞれ平成26年8月20日及び8月25日に公布され、平成26年11月1日から施行することとされたところ であるが、その改正の趣旨、内容等については、下記のとおりであるので、その施行に遺漏なきを期され たい。 併せて、本通達については、別添のとおり、別紙関係事業者等団体の長宛て傘下会員事業者への周知等 を依頼したので了知されたい。
第1 労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令 1 改正の趣旨 国が専門家を参集して行った化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価(以下「リス ク評価」という。)において、ジメチル−2,2−ジクロロビニルホスフェイト(別名DDVP)(以下「D DVP」という。)については、DDVPを含む製剤の成形、加工又は包装業務でリスクが高いため健康障害 防止措置の導入が必要と評価され、また、クロロホルム、四塩化炭素、1,4−ジオキサン、1,2 −ジクロロエタン(別名二塩化エチレン)、ジクロロメタン(別名二塩化メチレン)、スチレン、1,1, 2,2−テトラクロロエタン(別名四塩化アセチレン)、テトラクロロエチレン(別名パークロルエチ レン)、トリクロロエチレン及びメチルイソブチルケトンの10物質(以下「クロロホルム他9物質」と いう。)については、有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号。以下「有機則」という。)に より一連のばく露低減措置が義務づけられているが、職業がんの原因となる可能性があることを踏ま え、記録の保存期間の延長等の措置について検討する必要があると評価されたところである。 改正政令は、リスク評価を基に行った専門家による措置内容の検討結果を踏まえ、DDVPについては、 労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号。以下「施行令」という。)第18条に規定する名称等を 表示すべき危険物及び有害物、施行令第22条に規定する健康診断を行うべき有害な業務並びに施行令 別表第3に規定する特定化学物質の範囲を拡大するため、また、クロロホルム他9物質については、施 行令別表第6の2に規定する有機溶剤から削除し、施行令別表第3に規定する特定化学物質に追加する ため、施行令について所要の改正を行ったものである。 2 改正の内容及び留意事項 (1) 施行令の一部改正(改正政令本則関係) ア 名称を表示すべき危険物及び有害物の追加(施行令第18条関係) 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第57条第1項の表示(以下「表示」 という。)をしなければならない物(以下「表示対象物質」という。)として、DDVP及びこれを含 有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるもの(具体的には第2の2(1)ア参照)を規定した こと。 イ 特定化学物質の追加(施行令別表第3関係) 特定化学物質の第2類物質として、以下の物質を追加したこと。これにより、以下の物質を製 造し、又は取り扱う場合は、作業主任者の選任、作業環境測定の実施及び特殊健康診断の実施 (以下「作業主任者の選任等」という。)を行わなければならないこととなること。 ・ DDVP及びこれを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるもの(具体的には第2の2 (3)ア参照) ・ クロロホルム他9物質及びこれらを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるもの (具体的には第2の2(3)ウ参照) ウ 配置転換後の健康診断を行うべき有害な業務への追加(施行令第22条第2項関係) 以下の物質を製造し、又は取り扱う業務を、法第66条第2項後段の健康診断の対象業務とした こと。 ・ DDVP及びこれを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるもの(具体的には第2の2 (3)シ参照) ・ ジクロロメタン及びこれを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるもの(具体的 には第2の2(3)ス(ア)参照) エ 作業主任者を選任すべき作業、作業環境測定を行うべき作業場及び健康診断を行うべき有害業 務への追加(施行令第6条、第21条及び第22条関係) DDVP又はクロロホルム他9物質及びこれらを含有する製剤その他の物を製造し、又は取り扱う 作業等を、作業主任者を選任すべき作業等に追加したこと。なお、これらのうち、厚生労働省令 で定める一部の作業等については、作業主任者の選任等の規定の適用を除外することとしたこと。 オ 有機溶剤からの削除(施行令別表第6の2関係) これまで有機溶剤として改正前の施行令に規定されていたクロロホルム他9物質を削除したこと。 (2) 施行期日(改正政令附則第1項関係) 改正政令は、平成26年11月1日から施行することとしたこと。 (3) 経過措置(改正政令附則第2項から第4項まで関係) ア 作業主任者の選任に関する経過措置(改正政令附則第2条関係) DDVP又はクロロホルム他9物質及びこれらを含有する製剤その他の物を製造し、又は取り扱う 作業(改正政令及び改正省令による改正前の施行令、有機則及び特定化学物質障害予防規則(昭和 47年労働省令第39号。以下「特化則」という。)の規制対象の作業を除く。)については、平成27 年10月31日までの間(施行後1年間)は、作業主任者の選任を要しないこととしたこと。 イ 表示対象物に関する経過措置(改正政令附則第3条関係) (1)のアの表示対象物質として追加する物であって、改正政令の施行の日(平成26年11月1日)に おいて現に存するものについては、平成27年4月30日までの間(施行後半年間)は、表示に係る規 定は適用しないこととしたこと。(改正政令附則第3条関係) ウ 作業環境測定に関する経過措置(改正政令附則第4条関係) DDVP又はクロロホルム他9物質及びこれらを含有する製剤その他の物を製造し、又は取り扱う 屋内作業場(改正政令及び改正省令による改正前の施行令、有機則及び特化則の規制対象の作業 場を除く。)については、平成27年10月31日までの間(施行後1年間)は、作業環境測定を行うこと を要しないこととしたこと。(改正政令附則第4条関係) 第2 労働安全衛生規則等の一部を改正する省令 1 改正の趣旨 改正省令は、改正政令の施行に伴い、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」 という。)、有機則、特化則、家内労働法施行規則(昭和45年労働省令第23号。以下「家内則」という。) 及び女性労働基準規則(昭和61年労働省令第3号。以下「女性則」という。)について所要の改正を行 ったものである。 2 改正の内容及び留意事項 (1) 安衛則の一部改正(改正省令第1条関係) ア 表示対象物質の追加(安衛則別表第2関係) 改正政令による施行令第18条の改正により、表示対象物質として、DDVP及びこれを含有する製 剤その他の物で、厚生労働省令で定めるものが規定されたことに伴い、当該物質に係る裾切値(当 該物質の含有量がその値未満の場合、規制の対象としないこととする場合の当該値をいう。以下 同じ。)を1%と規定したこと。 イ 通知対象物質の裾切値の引下げ(安衛則別表第2の2関係) これまで有機溶剤(施行令別表第6の2)として規定されていたメチルイソブチルケトンを特定化 学物質の第2類物質(施行令別表第3第2号)として規定することに合わせて、当該物質の通知対象 物質(法第57条の2)としての裾切値を1%から0.1%に引き下げたこと。 ウ 計画の届出をすべき機械等の追加(安衛則別表第7関係) 特化則第38条の8において準用する有機則第5条又は第6条に基づき設置されるクロロホルム他9 物質の蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置等について、これらを設置し、若しくは移転 し、又はこれらの主要構造部分を変更しようとする場合の安衛則第86条第1項及び法第88条第2項 において準用する同条第1項の規定に基づく届出の対象とすることとしたこと。 また、特化則第2条の2に規定する適用除外業務のみに係る発散抑制の設備については、届出の 対象としないこととしたこと。 (2) 有機則の一部改正(改正省令第2条関係) クロロホルム他9物質を有機溶剤(施行令別表第6の2)から削除したことに伴い、所要の措置を講 ずるもの (3) 特化則の一部改正(改正省令第3条関係) ア DDVP等の「特定第2類物質」への追加(特化則第2条及び別表第1関係) DDVP及びこれを重量の1%を超えて含有する製剤その他の物(以下「DDVP等」という。)につい ては、リスク評価において、成形、加工又は包装の業務に従事する労働者に高濃度のばく露が生 ずるリスクが高く、健康障害のリスクが高いとされたことから、今般の改正により特定化学物質 に追加したものであること。また、この物質は、揮発性が比較的高い液体であることを考慮して、 大量漏えいによる急性中毒の防止にも対処できるようDDVP等を「特定第2類物質」として規定し たこと。 イ クロロホルム他9物質の「特別有機溶剤」への追加等(特化則第2条関係) クロロホルム他9物質については、リスク評価において、「有機溶剤業務について有機溶剤中 毒予防規則により一連のばく露低減措置が義務づけられているが、職業がんの原因となる可能性 があることを踏まえ、記録の保存期間の延長等の措置について検討する必要がある」とされたこ とから、今般の改正により特定化学物質に追加したものであること。また、これらの物質は、有 機溶剤と同様に溶剤として使用される実態があり、それに応じた健康障害防止措置を規定する必 要があることから、エチルベンゼン及び1,2−ジクロロプロパンとあわせて特化則第2条第1項 第3号の2において「特別有機溶剤」として規定したこと。 ウ クロロホルム等の「特別有機溶剤等」への追加等(特化則第2条及び別表第1関係) 特化則第2条で規定していた「エチルベンゼン等」を「特別有機溶剤等」に改めたこと。また、 クロロホルム他9物質が有機溶剤と同様に作用し、蒸気による中毒を発生させるおそれがあるた め、その予防の観点から、以下の物質(以下これらをまとめて「クロロホルム等」という。)を 「特別有機溶剤等」として規定したこと。 ・ クロロホルム他9物質及びこれらのいずれかをその重量の1%を超えて含有する製剤その他の 物 ・ クロロホルム他9物質の含有量が重量の1%以下の製剤その他の物であって、クロロホルム他 9物質、エチルベンゼン、1,2−ジクロロプロパン又は有機溶剤の含有量の合計が重量の5% を超える製剤その他の物(特化則別表第1第37号)(以下「別表第1第37号の物」という。) エ クロロホルム等に係る特化則の規定の適用等(特化則第2条、第12条の2、第22条、第22条の2、 第24条、第25条、第36条の5、第37条、第38条、第38条の2、第38条の8、第41条の2及び第43条 から第45条まで関係) (ア) 「クロロホルム等」のうち、クロロホルム他9物質及びこれらのいずれかを重量の1%を超 えて含有する製剤その他の物については、特定化学物質及び第2類物質に係る措置(※)の対 象とすることとしたこと。 また、「クロロホルム等」のうち、別表第1第37号の物についても、特化則第25条第1項及 び第4項の規定など、有機則においても規定されている蒸気による中毒の予防のための措置 を適用することとしたこと。(特化則第25条関係) ※ クロロホルム他9物質については、今後、ばく露実態調査に基づく更に詳細なリスク 評価を行い、リスクの程度に応じたばく露低減措置を検討する予定であり、ばく露防止 措置については、当面は改正省令による改正前の有機則で規定していた措置を講ずるこ とを基本とし、特化則第12条の2、第22条、第22条の2、第24条、第25条第2項及び第3 項、第37条、第38条、第38条の2並びに第43条から第45条までの規定については適用し ないこととした。 (イ) クロロホルム等のうち、特別有機溶剤又は有機溶剤の含有量の合計が重量の5%を超える 製剤その他の物に係る作業環境測定及び特殊健康診断については、クロロホルム他9物質が 有機溶剤と同様に作用し、蒸気による中毒を発生させるおそれがあることから、特別有機溶 剤と併せて有機溶剤の空気中の濃度の測定の実施及び有機溶剤に係る特殊健康診断の項目に ついての特殊健康診断の実施を義務付けることとしたこと。(特化則第36条の5及び第41条の 2関係) (ウ) クロロホルム等を製造し、又は取り扱う業務のうち、屋内作業場等において行う有機溶剤 業務(特化則第2条の2第1号イにおいて、有機則第1条第1項第6号において規定する有機溶剤 業務と同様の業務を規定する。以下「クロロホルム等有機溶剤業務」という。)について、 クロロホルム他9物質が溶剤として使用されている実態があり、その実態に応じた健康障害 防止措置を規定する必要があることから、特化則第5条の規定及びその関連規定の対象とせ ず、有機則第1章から第3章まで、第4章(第19条及び第19条の2を除く。)及び第7章の規定を 準用することとしたこと。(特化則第38条の8関係) (エ) クロロホルム等に係る特化則の適用については別紙1を、クロロホルム等について準用す る有機則の規定については、別紙2を参照すること。 オ DDVP等に係る適用除外(特化則第2条の2関係) (ア) リスク評価の結果、DDVP等の労働者へのばく露の程度が低く、労働者の健康障害のおそれ が低いと判断されたため、DDVP等を成形し、加工し、又は包装する業務(以下「DDVP成形・ 加工・包装業務」という。)以外の業務については作業主任者の選任等の規定及び特化則の 規定の適用を除外したこと。 (イ) DDVP成形・加工・包装業務以外のDDVP等を製造し、又は取り扱う業務には、例えば、DDV Pの製造業務及び包装した後のDDVP等を梱包する業務等が含まれること。 カ クロロホルム等に係る適用除外(特化則第2条の2関係) (ア) リスク評価の結果、クロロホルム等有機溶剤業務以外のクロロホルム等を製造し、又は取 り扱う業務については、クロロホルム等の労働者へのばく露の状況が現時点では把握できて おらず、労働者の健康障害のおそれが高いと判断できないとされたため、作業主任者の選任 等の規定及び特化則の規定の適用を除外したこと。 (イ) クロロホルム等有機溶剤業務以外のクロロホルム等を製造し、又は取り扱う業務には、例 えば、クロロホルム等の運搬、クロロホルム等を用いて行う掻き落とし等の業務が含まれる こと。 (ウ) 特化則第2条の2に規定され、作業主任者の選任等の規定及び特化則の規定の適用が除外さ れる業務は、(ア)のとおり労働者の健康障害のおそれが高いとは判断できなかったものであ るが、クロロホルム他9物質については、国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類において2 B以上に区分されるなど発がんのおそれがあることから、改正政令及び改正省令の施行の日 までに「労働安全衛生法第28条第3項の規定に基づき厚生労働大臣が定める化学物質による 健康障害を防止するための指針(平成25年10月1日健康障害を防止するための指針公示第24号)」 (がん原性指針)を改正し、これらの業務について、ばく露を低減するための措置、作業環境 測定や労働衛生教育の実施、労働者の把握、危険有害性等の作業場への掲示等事業者が講ず べき措置を示す予定であること。 キ クロロホルム等の貯蔵場所に設置する設備(特化則第25条第5項関係) クロロホルム等を屋内に貯蔵するときは、その貯蔵場所に、関係労働者以外の労働者が立ち入 ることを防ぐ設備及びクロロホルム他9物質の蒸気を屋外に排出する設備を設けなければならな いこととしたこと。 なお、特化則第25条第5項第1号の「設備」とは、施錠、縄による区画等をいうこと。また、同 項第2号の「設備」とは、窓、排気管等をいい、必ずしも動力によりクロロホルム等の蒸気を排 出することを要しないこと。 ク クロロホルム等有機溶剤業務に係る作業主任者(特化則第27条及び第28条関係) (ア) クロロホルム等有機溶剤業務に係る作業主任者については、クロロホルム他9物質が溶剤 として使用される実態に応じた適切な作業の管理を行わせるため、有機溶剤作業主任者技能 講習を修了した者のうちから選任しなければならないこととしたこと。このため、特定化学 物質又は四アルキル鉛等作業主任者技能講習を修了した者のうちから選任することはできな いことに留意すること。 (イ) 特化則第38条の8において準用する有機則第2条又は第3条の規定により、クロロホルム他9 物質の消費量が許容消費量を超えないことにつき労働基準監督署長の認定を受けた場合等に は、クロロホルム等有機溶剤業務(クロロホルム他9物質いずれの含有量も重量の1%以下の 製剤その他の物に係るものに限る。)について、作業主任者の選任を要しないこととしたこ と。 なお、クロロホルム等を製造し、又は取り扱う作業であって、改正省令による改正前の有 機則において適用除外の対象となっていた作業については、改正省令による改正後の特化則 における作業主任者の選任に係る規定の適用除外対象とならないことから、当該作業につい ては、改正政令附則第2条において、1年間の経過措置を設けることとされている。 ケ 作業環境測定の実施及びその結果の評価並びにこれらの結果の記録の保存(特化則第36条、第 36条の2及び第36条の5関係) (ア) DDVP成形・加工・包装業務を行う屋内作業場について、作業環境測定及びその結果の評価 を行わなければならないこととしたこと。 なお、DDVP等に係る局所排気装置の要件、作業環境測定の方法及び測定結果の評価方法に ついては、改正政令及び改正省令の施行の日までに、特定化学物質障害予防規則の規定に基 づく厚生労働大臣が定める性能(昭和50年労働省告示第75号)、作業環境測定基準(昭和51年 労働省告示第46号)、作業環境評価基準(昭和63年労働省告示第79号)及び特定化学物質障害 予防規則第8条第1項の厚生労働大臣が定める要件(平成15年厚生労働省告示第378号)を改正 し、公示する予定であること。 (イ) 事業者は、クロロホルム等有機溶剤業務を行う作業場(クロロホルム他9物質を重量の1% を超えて含有する製剤その他の物を製造し、取り扱う作業場に限る。)について、クロロホ ルム他9物質の空気中の濃度を測定しなければならないこととしたこと。 また、当該作業環境測定の結果及びその評価の結果の記録については、30年間保存しなけ ればならないこととしたこと。(第36条第3項及び第36条の2第3項関係) なお、当該作業場のうち、改正省令による改正前の有機則の規制対象の作業場以外の作業 場については、改正省令による改正後の特化則における作業環境測定の実施に係る規定の適 用除外対象とならないことから、改正政令附則第4条において1年間の経過措置を設けること とされている。 (ウ) クロロホルム他9物質は、有機溶剤と同様に作用し、蒸気による中毒を発生させるおそれ があることから、事業者は、(イ)の測定のほか、クロロホルム他9物質のいずれかを含み、 かつ特別有機溶剤又は有機溶剤の含有量の合計が重量の5%を超える製剤その他の物(以下 「クロロホルム等特定有機溶剤混合物」という。)を用いて屋内作業場で有機溶剤業務を行 う場合には、特別有機溶剤及び施行令別表第6の2第1号から第47号までに掲げる有機溶剤の 空気中の濃度を測定しなければならないこととしたこと。(第36条の5関係) なお、当該作業環境測定の結果及びその評価の結果の記録については、3年間保存しなけ ればならないこととしたこと。 (エ) 特化則第38条の8において準用する有機則第3条の規定により、クロロホルム他9物質の消 費量が許容消費量を超えないことにつき労働基準監督署長の認定を受けた場合には、(ウ)の 測定の実施を要しないこととしたこと。 コ 特別管理物質の追加(特化則第38条の3関係) DDVP等及びクロロホルム等(クロロホルム他9物質を重量の1%を超えて含有する製剤その他の 物に限る。以下、この項において同じ。)を特別管理物質に追加したこと。 これに伴い、DDVP等及びクロロホルム等は、特化則第38条の3の作業場内掲示、特化則第38条 の4の作業記録の作成及び記録の30年間保存、特化則第40条第2項の特殊健康診断の結果の記録の 30年間保存並びに特化則第53条の記録の提出の対象となることに留意すること。 なお、クロロホルム他9物質について、発がん性のおそれがあることを踏まえ、改正省令施行 前に作成され、現時点で保存中の当該物質に関する作業環境測定及びその結果の評価に関する記 録についても、30年間保存することが望ましいこと。 サ クロロホルム等に係る措置(特化則第38条の8関係) (ア) クロロホルム等については、その含有する有機溶剤の有無、種類及び量によって有機則第 1条第1項第3号の「第1種有機溶剤等」、同項第4号の「第2種有機溶剤等」又は同項第5号の 「第3種有機溶剤等」に相当する場合があり、それに応じて、準用する有機則の規定が区別 されるものであること。 クロロホルム他9物質を勘案しない場合に「第3種有機溶剤等」に区分される物について、 特化則第38条の8において準用する有機則第1条第1項の規定により「第1種有機溶剤等」又は 「第2種有機溶剤等」に相当することとなる場合、有機則第25条の適用に際し、それぞれ「第 1種有機溶剤等」又は「第2種有機溶剤等」として取り扱うこと。 (イ) 特化則第38条の8において準用する有機則第24条の規定に基づく掲示は、「有機溶剤中毒 予防規則第24条第1項の規定により掲示すべき事項の内容及び掲示方法」(昭和47年労働省告 示第123号)により行うこと。 (ウ) 特化則第38条の8において準用する有機則第24条の掲示事項と、特化則第38条の3の掲示事 項をまとめて掲示して差し支えないこと。この場合、共通の事項について重ねて掲示する必 要はないこと。 シ DDVP成形・加工・包装業務に係る特殊健康診断(特化則第39条関係) 事業者は、DDVP成形・加工・包装業務に常時従事する労働者及びDDVP成形・加工・包装業務に 常時従事させたことのある労働者で、現に使用しているものに対し、特化則第39条の特殊健康診 断を実施しなければならないこととしたこと。(特化則第39条関係) ス クロロホルム等有機溶剤業務に係る特殊健康診断(特化則第39条及び第41条の2関係) (ア) 事業者は、クロロホルム等有機溶剤業務に常時従事する労働者に対し、特化則第39条の特 殊健康診断を実施しなければならないこととしたこと。また、事業者は、クロロホルム等有 機溶剤業務のうち、ジクロロメタン及びこれを重量の1%を超えて含有する製剤その他の物 を用いて行う洗浄又は払拭の業務に常時従事させたことのある労働者で、現に使用している ものに対し、特化則第39条の特殊健康診断を実施しなければならないこととしたこと。(特 化則第39条関係) (イ) クロロホルム他9物質は、有機溶剤と同様に作用し、蒸気による中毒を発生させるおそれ があることから、クロロホルム等有機溶剤業務(クロロホルム等特定有機溶剤混合物を用い て行う業務に限る。)を行う場合には、有機則第29条第2項及び第5項に規定する項目につい て特殊健康診断を実施しなければならないこととしたこと。(特化則第41条の2関係) (ウ) 第38条の8の規定において準用する有機則第3条の規定により、発がんのおそれのある有機 溶剤等の消費量が許容消費量を超えないことにつき労働基準監督署長の認定を受けた場合に は、(イ)の特殊健康診断の実施を要しないこととしたこと。(特化則第41条の2関係) セ 特殊健康診断の結果の記録及びその保存並びに報告(特化則第40条、第41条及び第41条の2関係) (ア) DDVP等又はクロロホルム等を製造し、又は取り扱う業務に常時従事する労働者に対して実 施した特殊健康診断の結果の記録(特化則第39条の特殊健康診断に係るものに限る。)につい て、30年間保存しなければならないこととしたこと。(特化則第40条関係) なお、クロロホルム他9物質について、発がんのおそれがあることを踏まえ、改正省令施 行前に作成され、現時点で保存中の当該物質に関する特殊健康診断の結果の記録についても、 30年間保存することが望ましいこと。 (イ) スの(イ)の特殊健康診断の結果の記録については、5年間保存しなければならないことと したこと。(特化則第41条の2関係) (ウ) スの(イ)の特殊健康診断を行ったときは、特化則第41条の2において準用する有機則第30 条の3の規定に基づき、有機溶剤等健康診断結果報告書を労働基準監督署長に提出しなければ ならないこととしたこと。(特化則第41条の2関係) ソ DDVP等及びクロロホルム等に係る特殊健康診断の項目(特化則別表第3及び別表第4関係) (ア) DDVP等に係る特殊健康診断の項目について DDVPについては、ヒトに対する発がんのおそれや有機リン剤の中毒症状、皮膚障害、コリ ンエステラーゼ活性の低下等を引き起こす可能性が指摘されたことを踏まえ、DDVP成形・加 工・包装業務に常時従事する労働者等に対する特殊健康診断の項目の趣旨等については、次 のとおりとすること。 ① 「業務の経歴の調査」は、当該業務に常時従事する労働者に対して行う健康診断におけ るものに限るものであること。なお、本項目については、当該業務に常時従事する労働者 以外のものは対象とならないが、当該業務に常時従事させたことがあり、かつ、現に使用 している労働者のうち、過去に「業務の経歴の調査」を実施していないものに対しても、 当該労働者の次回の健康診断において「業務の経歴の調査」を行うことが望ましいこと。 ② 「作業条件の簡易な調査」は、労働者の当該物質へのばく露状況の概要を把握するため、 前回の特殊健康診断以降の作業条件の変化、環境中のDDVPの濃度に関する情報、作業時間、 ばく露の頻度、DDVPの蒸気の発散源からの距離、呼吸用保護具の使用状況等について、医 師が主に当該労働者から聴取することにより調査するものであること。このうち、環境中 のDDVPの濃度に関する情報の収集については、当該労働者から聴取する方法のほか、衛生 管理者等からあらかじめ聴取する方法があること。 なお、本項目については、当該業務に常時従事する労働者以外のものは対象とならない が、当該業務に常時従事させたことがあり、かつ、現に使用している労働者で、過去に 「作業条件の簡易な調査」を実施していないものに対しても、当該労働者の次回の健康診 断において「作業条件の簡易な調査」を行うことが望ましいこと。 ③ 「DDVPによる皮膚炎、縮瞳、流涙、唾液分泌過多、めまい、筋線維束れん縮、悪心、下 痢等の他覚症状又は自覚症状の既往歴の有無の検査」は、DDVPにより生じるこれらの症状 の既往歴の有無の検査をいうこと。なお、「皮膚炎、縮瞳、流涙等の急性の疾患に係る症 状」については、当該業務に常時従事する労働者に対して行う健康診断におけるものに限 るものであること。 ④ 「皮膚炎、縮瞳、流涙、唾液分泌過多、めまい、筋線維束れん縮、悪心、下痢等の他覚 症状又は自覚症状の有無の検査」は、DDVPにより生じるこれらの症状の検査をいうこと。 なお、「皮膚炎、縮瞳、流涙等の急性の疾患に係る症状」については、当該業務に常時従 事する労働者に対して行う健康診断におけるものに限るものであること。 ⑤ 「血清コリンエステラーゼ活性値の測定」は、DDVPによるコリン作動性の自他覚症状に 先行して評価するための検査であること。なお、「血清コリンエステラーゼ活性値の測定」 は、当該業務に常時従事する労働者に対して行う健康診断におけるものに限るものである こと。 ⑥ 「作業条件の調査」は、労働者の当該物質へのばく露状況の詳細について、当該労働者、 衛生管理者、作業主任者等の関係者から聴取することにより調査するものであること。 なお、「作業条件の調査」は、当該業務に常時従事する労働者に対して行う健康診断に おけるものに限るものであること。 ⑦ 「肝機能検査」は、DDVPによる肝機能の異常の有無を評価するための検査であること。 なお、「肝機能検査」は、当該業務に常時従事する労働者に対して行う健康診断におけ るものに限るものであること。 ⑧ 「白血球数及び白血球分画の検査」は、白血病等が存在する可能性や病勢等について評 価するための検査であること。 ⑨ 「神経学的検査」は、DDVPによる神経系の異常を評価するための検査であること。 なお、「神経学的検査」は、当該業務に常時従事する労働者に対して行う健康診断にお けるものに限るものであること。 (イ) ジクロロメタン及びこれを重量の1%を超えて含有する製剤その他の物に係る特殊健康診 断の項目について ジクロロメタンについては、有機則に基づく特殊健康診断の対象とされていたところであ るが、ヒトに対する発がんのおそれや肝機能障害、中枢神経症状等を引き起こす可能性が指 摘されたことを踏まえ、健康診断項目の見直しを行い、特化則において特殊健康診断の実施 を義務付けることとしたこと。 また、ジクロロメタン及びこれを重量の1%を超えて含有する製剤その他の物を用いて行 う有機溶剤業務(③から⑤までについては、印刷機等の洗浄又は払拭の業務に限る。)に常時 従事する労働者等に対する特殊健康診断の項目の趣旨等については、次のとおりとすること。 ① 「業務の経歴の調査」及び「作業条件の簡易な調査」については、DDVP等に係る特殊健 康診断の趣旨等((ア)①及び②)と同様であること。 ② 「ジクロロメタンによる集中力の低下、頭重、頭痛、めまい、易疲労感、倦怠感、悪心、 嘔吐、黄疸、体重減少、上腹部痛等の他覚症状又は自覚症状の既往歴の有無の検査」は、 ジクロロメタンにより生じるこれらの症状の既往歴の検査をいうこと。なお、「集中力の 低下、頭重、頭痛等の急性の疾患に係る症状」については、当該業務に常時従事する労働 者に対して行う健康診断におけるものに限るものであること。 ③ 「集中力の低下、頭重、頭痛、めまい、易疲労感、倦怠感、悪心、嘔吐、黄疸、体重減 少、上腹部痛等の他覚症状又は自覚症状の有無の検査」は、ジクロロメタンにより生じる これらの症状の検査をいうこと。なお、「集中力の低下、頭重、頭痛等の急性の疾患に係 る症状」については、当該業務に常時従事する労働者に対して行う健康診断におけるもの に限るものであること。 ④ 「血清総ビリルビン、血清グルタミツクオキサロアセチツクトランスアミナーゼ(GOT)、 血清グルタミツクピルビツクトランスアミナーゼ(GPT)、血清ガンマ-グルタミルトランス ペプチダーゼ(γ−GTP)及びアルカリホスフアターゼの検査」は、ジクロロメタンによる 肝・胆道系の障害を評価するための検査であること。 ⑤ 「作業条件の検査」については、DDVP等に係る特殊健康診断の趣旨等((ア)⑥)項目と同 様であること。 ⑥ 「腹部の超音波検査等の画像検査」は、肝・胆道系の異常を評価するための検査で、腹 部の超音波検査、磁気共鳴画像検査、CT(コンピューター断層撮影)による検査等をいうこ と。 ⑦ 「CA19-9等の腫瘍マーカーの検査」は、胆管がん等が存在する可能性や病勢等について 評価するための検査であること。 ⑧ 「血液中のカルボキシヘモグロビンの量の測定又は呼気中の一酸化炭素の量の測定」は、 ジクロロメタンによるばく露状況を評価するための検査であること。 ⑨ クロロホルム等特定有機溶剤混合物に係る業務のうちジクロロメタンに係るものに常時 従事する労働者に対し、特化則第41条の2において準用する有機則第29条の特殊健康診断 と特化則第39条の特殊健康診断と併せて行う場合には、共通の項目については重ねて実施 する必要はないこと。 ただし、当該項目についての結果の記録については、特化則及び有機則それぞれの規定 に基づき作成し、保存しなければならないこと。 (ウ) クロロホルム他9物質(ジクロロメタンを除く。)及びこれらを重量の1%を超えて含有する 製剤その他の物に係る特殊健康診断の項目について @ クロロホルム他9物質(ジクロロメタンを除く。)については、有機則に基づく特殊健康 診断を実施していたところであるが、ヒトに対する発がんのおそれが指摘されたことを踏 まえ、特化則において特殊健康診断の実施を義務付けることとしたこと。なお、クロロホ ルム等有機溶剤業務(ジクロロメタンに係るものを除く。)に常時従事する労働者等に対す る特殊健康診断の項目については、有機則第29条に基づく特殊健康診断と同様とすること としたこと。 A クロロホルム等特定有機溶剤混合物に係る業務(ジクロロメタンに係る業務を除く。)に 常時従事する労働者に対し、特化則第39条の特殊健康診断と有機則第29条の特殊健康診断 を、重ねて実施する必要はないこと。 ただし、当該項目についての結果の記録については、特化則及び有機則それぞれの規定 に基づき作成し、保存しなければならないこと。 タ 法第66条第2項後段の特殊健康診断の対象物に係る裾切値(特化則別表第5関係) 改正政令による施行令第22条第2項の改正により、法第66条第2項後段の特殊健康診断の対象業 務として、DDVP、ジクロロメタン又はこれらを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定め るものを製造し、又は取り扱う業務が規定されたことに伴い、これらの物に係る裾切値を1%と したこと。 チ DDVP成形・加工・包装業務、クロロホルム等有機溶剤業務を特殊健康診断の対象業務として規 定したことに伴い、特化則様式第3号について所要の改正を行ったこと。(特化則様式第3号(裏面) 関係) (4) 家内則の一部改正(改正省令第4条関係) ア 容器の使用等を行うべき有機溶剤の追加等(家内則第15条及び第18条関係) クロロホルム他9物質が有機溶剤(施行令別表6の2)から削除され、特別有機溶剤の第2類物質 (施行令別表3第2号)に追加されたことに伴い、従来の規制対象物質の範囲が変更とならないよ う、家内則第15条第1項第1号の「有機溶剤」の定義に特別有機溶剤を、家内則第18条の表の上 欄の「有機溶剤等」の定義に特別有機溶剤等を追加したこと。 なお、エチルベンゼン、1,2−ジクロロプロパン及びこれらを含有する製剤その他の物につ いても、有機溶剤として使用される実態があることから、クロロホルム他9物質と併せて有機溶 剤及び有機溶剤等の定義に追加したこと。 イ 危険防止のための書面の交付等(家内則第14条及び別表第1関係) 家内則別表第1に掲げる家内則第14条の危害防止のために交付する書面の記載事項のうち、有 機溶剤に係る応急措置について、日本救急医療財団と日本蘇生協議会(JRC)で構成するガイドラ イン作成合同委員会が作成した「JRC蘇生ガイドライン2010」等の最新の知見を踏まえた内容に 改正したこと。 「中毒にかかった者を横向きに寝かせ、できるだけ気道を確保した状態」とは、以下の図のよ うな状態をいい、「消防機関への通報」とは、救急通報(119番通報)をいうこと。 なお、これらの応急処置は、事前に訓練を受けることが望ましいことから、機会を捉え関係者 がこれら訓練を受けることが推奨されること。また、応急処置が必要となる事態に備えて、事業 場に自動体外式除細動器(AED)を設置することが望ましいこと。ただし、AEDを設置する場合、引 火のおそれのある場所ではAEDの使用は適当ではないため、あらかじめ引火のおそれのない場所 を応急処置を行う場所として定めておくこと。 図
(5) 女性則の一部改正(改正省令第5条関係) 使用者が女性を就かせてはならない業務に、スチレン、テトラクロロエチレン(別名パークロル エチレン)、トリクロロエチレンを発散する場所において行われる業務であって、特化則の規定に よる作業環境測定の結果、第三管理区分に区分された作業場におけるものを追加したこと。(女性 則第2条第1項第18号イ関係) (6) 作業環境測定法施行規則(昭和50年労働省令第20号)の適用関係 今般の改正省令において作業環境測定法施行規則(以下「作環則」という。)は改正されていない が、施行令、有機則及び特化則の改正に伴い、作環則の適用関係は以下のとおりとなること。 ア DDVPが特定化学物質に追加されることにより、DDVP等を製造し、又は取り扱う屋内作業場が作 環則別表第3号の作業場の種類に追加されること。 イ クロロホルム他9物質が有機溶剤から削除され、特定化学物質に追加されることにより、クロ ロホルム等を製造し、又は取り扱う屋内作業場が作環則別表第3号の作業場の種類に追加される とともに、別表第5号の作業場の種類からは除かれることとなること。 ウ クロロホルム等特定有機溶剤混合物を製造し、又は取り扱う屋内事業場に係る作業環境測定の うち、特定有機溶剤混合物中の特別有機溶剤等の分析(解析を含み、簡易測定機器以外の機器を 用いて行うものに限る。以下同じ。)は、作環則別表第3号に掲げる作業場の種類について登録を 受けた第一種作業環境測定士(ただし、クロロホルム他9物質を分析する場合、(8)のクの(ア)又 は(イ)の適用を受ける第一種作業環境測定士でも可)に実施させる必要があり、クロロホルム等 特定有機溶剤混合物の施行令別表第6の2第1号から第47号までに掲げる有機溶剤の分析は作環則 別表第5号に掲げる作業場の種類について登録を受けた第一種作業環境測定士に実施させる必要 があること。 (7) 施行期日(改正省令附則第1条関係) 改正省令は、平成26年11月1日から施行することとしたこと。 (8) 経過措置(改正省令附則第2条から第6条まで関係) ア 計画の届出に関する経過措置(改正省令附則第2条関係) 安衛則別表第7に定める以下の設備等の設置若しくは移転又は主要構造部分の変更を平成27年1 月31日までの間(施行後3ヶ月)に行う場合には、安衛則第86条第1項及び法第88条第2項において 準用する同条第1項の規定に基づく計画の届出を要しないこととしたこと。 ・ DDVP等を製造する設備 ・ DDVP等を製造し、又は取り扱う特定化学設備及びその附属設備 ・ DDVP等のガス又は蒸気が発散する屋内作業場に設ける発散抑制措置 ・ 特化則第38条の8において準用する有機則第5条若しくは第6条の規定に規定するクロロホル ム等(改正政令及び改正省令による改正前の施行令、有機則及び特化則の規制対象のものを除 く。)に係る局所排気装置等 イ 様式に関する経過措置(改正省令附則第3条関係) 改正省令の施行の際、現に存する改正省令による改正前の様式による報告書の用紙は、当分の 間、必要な改訂をした上、使用することができることとしたこと。 ウ 第2類物質の製造等に係る設備に関する経過措置(改正省令附則第4条条及び第5条関係) DDVP等及びクロロホルム等を製造し、又は取り扱う設備で、改正省令の施行の際、現に存する ものについては、平成27年10月31日までの間(施行後1年間)は、改正省令による改正後の特化則 (以下「新特化則」という。)第4条又は第5条の規定及び新特化則第38条の8において準用する有 機則第5条及び第6条の規定は、適用しないこととしたこと。 エ 特定化学設備に関する経過措置(改正省令附則第6条関係) DDVP等を製造し、又は取り扱う特定化学設備で、改正省令の施行の際、現に存するものについ ては、平成27年10月31日までの間(施行後1年間)は、新特化則第13条から第17条まで、第18条の 2、第19条第2項及び第3項、第19条の2から第20条まで、第31条並びに第34条の規定は、適用し ないこととしたこと。 オ 出入口に関する経過措置(改正省令附則第7条関係) DDVP等を製造し、又は取り扱う特定化学設備を設置する屋内作業場及び当該作業場を有する建 築物であって、改正省令の施行の際、現に存するものについては、平成27年10月31日までの間 (施行後1年間)は、新特化則第18条の規定は、適用しないこととしたこと。 カ 警報設備等に関する経過措置(改正省令附則第8条関係) DDVP等を製造し、又は取り扱う特定化学設備を設置する作業場又は当該作業場以外の作業場で DDVP等を合計100リットル以上取り扱う作業場で、改正省令の施行の際、現に存するものについ ては、平成27年10月31日までの間(施行後1年間)は、新特化則第19条第1項及び第4項までの規定 は、適用しないこととしたこと。 キ 床に関する経過措置(改正省令附則第9条関係) DDVP等を製造し、又は取り扱う特定化学設備を設置する屋内作業場で改正省令の施行の際、現 に存するものについては、平成27年10月31日までの間(施行後1年間)は、新特化則第21条の規定 は、適用しないこととしたこと。 ク 作業環境測定士の資格に係る経過措置(改正省令附則第10条関係) (ア) 改正省令の施行の際現に、作環則別表第5号に掲げる作業場の種類について作業環境測定 法(昭和50年法律28号。以下「作環法」という。)第7条又は第33条第1項の規定による登録を 受けている第一種作業環境測定士又は作業環境測定機関は、それぞれ作環則別表第3号に掲 げる作業場(改正省令による改正後の特化則第2条の2第1号イに掲げるクロロホルム等有機溶 剤業務を行う作業場に限る。(イ)及び(ウ)において同じ。)の種類及び同別表第5号に掲げる 作業場の種類について登録を受けているものとみなすこととしたこと。(改正省令附則第10 条第1項関係) (イ) 改正省令の施行の際現に、第一種作業環境測定士講習(作環則別表第5号の作業場の種類に 係るものに限る。)を修了している者((ア)に掲げる者を除く。)が作環法第7条の規定による 第一種作業環境測定士の登録を受けたときには、作環則別表第3号に掲げる作業場の種類及 び同別表第5号に掲げる作業場の種類について登録を受けたものとみなすこととしたこと。 (改正省令附則第10条第2項関係) (ウ) 改正省令の施行の際現に、作業環境測定士試験のうち作環則第16条第1項第9号に掲げる科 目に合格している者は、同項第7号(改正省令による改正後の特化則第2条の2第1号イに掲げ るクロロホルム等有機溶剤業務を行う作業場の作業環境について行う分析の技術に関する科 目に限る。)及び同項第9号に掲げる科目について合格したものとみなすこととしたこと。 (改正省令附則第10条第3項関係) (エ) 改正省令の施行の際現に、作環法第34条の2第1項に基づき届出がされている業務規程(作 環則第59条第1号に掲げる事項(以下「記載事項」という。)として作環則別表第5号の作業場 の種類を定めているものに限る。)は、記載事項として、作環則別表第3号に掲げる作業場の 種類及び同別表第5号の作業場の種類を定めた業務規程とみなすこととしたこと。(改正省令 附則第10条第4項関係)別紙 団体の長宛て(PDF:158KB)