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別添2

         建設業における労働災害を防止するため事業者が講ずべき措置

1 基本的事項
 (1)工事の計画段階における安全衛生の確保
    労働災害防止を図るには、工事を施工する前に、仕事の工程、機械設備等について、安全衛生面
   から事前の評価を行うことが重要であり、労働安全衛生法(以下「法」という。)第88条の計画の
   届出の対象の工事はもとより、対象とならないものについても、法第28条の2により危険性又は有
   害性等の調査及びその結果に基づく措置(以下「危険性又は有害性等の調査等」という。)を実施
   すること。このため、企業内の事前評価体制を確立するとともに、当該工事の計画作成に参画する
   有資格者等の資質の向上を図るため、必要な教育等を徹底すること。さらに、事前評価の内容の充
   実を図るため山岳トンネル工事に係るセーフティ・アセスメントに関する指針等のセーフティ・ア
   セスメント指針を活用すること。
 (2)安全衛生管理体制の整備等
  ア 工事現場における安全衛生管理の確立及び体制の整備
    工事現場における安全衛生管理が適切に実施されるためには、工事全体を統括管理する元方事業
   者が主導的な役割を果たすとともに、元方事業者及び関係請負人がそれぞれ果たすべき役割に応じ
   て、安全衛生管理を推進することが重要であること。
  (ア)元方事業者の実施事項
     元方事業者においては、平成7年4月21日付け基発第267号の2「元方事業者による建設現場安全
    管理指針について」により、工事現場の安全衛生管理を行うこと。特に、統括安全衛生責任者、
    元方安全衛生管理者等及び店社安全衛生管理者等の選任、これらの者の責任と権限の明確化及び
    職務の励行等統括安全衛生管理体制を確立し、[1]安全衛生計画の作成による施工と安全衛生管
    理の一体化、[2]法第30条第1項各号の事項の実施、[3]関係請負人の法令違反を防止するための
    指導及び指示、[4]土砂崩壊等のおそれのある作業場所における安全確保についての関係請負人
    に対する指導及び援助、[5]注文者として設備等を関係請負人の労働者に使用させる場合の適切
    な措置の実施等を徹底すること。
     また、店社及び関係請負人と連携して、工事現場の危険性又は有害性等の調査等を実施すると
    ともに、元方事業者の主体的能力に応じた労働安全衛生マネジメントシステムの導入を促進し、
    自主的な安全衛生活動を展開すること。
     さらに、関係請負人が行う労働者の健康管理について、元方事業者は、必要に応じ、関係請負
    人に対し健康管理手帳制度の周知その他有害業務に係る健康管理措置の周知等を行うこと。
     なお、移動式クレーン等を用いての作業に係る仕事の一部を請負人に請負わせて共同して当該
    作業を行う場合には、作業内容、指示の系統等についての連絡調整の実施を徹底すること。
  (イ)関係請負人の実施事項
     工事を直接施工する関係請負人においては、元方事業者との連携を強化し、統括安全衛生責任
    者との連絡等安全衛生責任者の職務の徹底を図ること等により元方事業者の講ずる措置に応じた
    適切な措置を講ずること。
  イ 本店、支店、営業所等による工事現場に対する指導・援助の充実
    工事現場における安全衛生管理は、それぞれの事業者の本店、支店、営業所等における安全衛生
   管理に左右されることが多いことから、経営トップの安全衛生意識の一層の高揚を図るとともに、
   店社安全衛生管理者等による工事現場に対する指導をはじめ、工事現場における統括安全衛生管理
   体制の確立、危険性又は有害性等の調査等の実施、労働安全衛生マネジメントシステムの導入の促
   進のための指導・援助を行うこと。
 (3)工事用機械設備に係る安全性の確保
  ア 適正な方法による機械の使用及び検査等の適正な実施
    工事用機械設備の使用に当たっては、製造者等から提供される使用上の情報を活用して危険性又
   は有害性等の調査等を行い、適切な安全方策を検討すること。さらに、安全装置が機能しない状態
   で使用することのないよう建設用機械等について法令に定められた適正な方法による作業を行うと
   ともに、定期自主検査、作業開始前点検、修理等を適正に実施すること。
    また、定格荷重を超えた荷のつり上げ、地盤の不同沈下等による転倒災害が続発しているので、
   車両系建設機械、移動式クレーン等を用いて作業を行うときは、あらかじめ、使用する機械の種類
   及び能力、運行経路、作業の方法等を示した作業計画を作成し、これに基づき作業を行うこと。
  イ 仮設用設備に係る安全性の確保
    足場、型枠支保工等の仮設設備については、計画段階から安全面についての十分な検討を行い、
   これに基づき施工を行うことにより適正な構造要件を確保するとともに、施工中においても適宜点
   検、整備を励行することによりその安全の確保を徹底すること。また、足場、型枠支保工に使用さ
   れる仮設機材の経年劣化については、平成8年4月4日付け基発第223号の2「経年仮設機材の管理に
   ついて」に基づき適切な管理を行うこと。
  ウ リース業者等に係る措置の充実
    リース業者が貸与する機械設備については、そのリース業者の責任において、当該機械設備の点
   検整備等の管理を行うとともに、貸与を受けた事業者においても十分なチェックを行う体制を整備
   すること。なお、移動式クレーン等をリースする業者であって自らの労働者がリース先の建設現場
   において移動式クレーン等を操作するものについては、法第33条第1項の措置とともに、事業者と
   してクレーン等安全規則等に定められた措置を講ずること。
  エ 技術基準等の活用
    最低基準としての法令の遵守はもとより、法第28条第1項に基づく「移動式足場の安全基準に関
   する技術上の指針」、「可搬型ゴンドラの設置の安全基準に関する技術上の指針」その他の工事用
   機械設備に係る各種技術基準を有効に活用すること。
 (4)適正な方法による作業の実施
    作業主任者、職長等の直接指揮の下、適正な方法により作業を実施すること。
    災害として最も多い墜落災害の防止については、足場の設置等による作業床の確保、開口部等に
   ついての囲い、手すりの設置を基本として行うこと。作業の性格上これが困難な場合には、必ず防
   網の設置、安全帯の使用等を行うこと。
    また、土砂崩壊の防止については、掘削箇所及び周辺の地山について十分な調査を行い、その結
   果に基づく適切なこう配による掘削を行うこと。また、地山が崩壊するおそれのある場合には、土
   止め支保工の設置等適切な土砂崩壊防止措置を確実に講ずること。
 (5)安全衛生教育等の推進
  ア  関係法令、法第19条の2第2項に基づく能力向上教育に関する指針、法第60条の2第2項に基づく安
   全衛生教育に関する指針及び平成3年1月21日付け基発第39号「安全衛生教育の推進について」をも
   って示した安全衛生教育推進要綱に基づき、労働者の職業生活を通じた中長期的な推進計画を整備
   すること。また、職長等に対しては、労働安全衛生規則(以下「安衛則」という。)第40条に示さ
   れた事項の教育を実施するとともに、安全衛生責任者等に対しては、平成12年3月28日付け基発第
   179号「建設業における安全衛生責任者に対する安全衛生教育の推進について」、平成15年3月25日
   付け基安発第0325001号「建設工事に従事する労働者に対する安全衛生教育について」に基づく教
   育を推進すること。
  イ アの安全衛生教育の実施に関しては、基本的に本店、支店、営業所等の段階で安全衛生教育を計
   画的に実施すること。また、元方事業者においては、関係請負人の行う安全衛生教育に対する指導・
   援助を徹底すること。
  ウ  元方事業者は、関係請負人が新たに工事現場に就労する労働者に対して新規入場者教育を行う場
   合においては、適切な資料、場所の提供等を行うこと。なお、この場合、必要に応じ、元方事業者
   が自ら新規入場者教育を行うこと。
 (6)労働衛生対策の徹底
  ア 労働衛生管理体制の整備等基本的対策の促進
    建設業における労働衛生対策については、平成9年3月25日付け基発第197号「建設業における有
   機溶剤中毒予防のためのガイドラインの策定について」、平成10年6月1日付け基発第329号「建設
   業における一酸化炭素中毒予防のためのガイドラインの策定について」、平成10年12月22日付け基
   安発第34号「酸素欠乏症等の防止対策の徹底について」、平成12年12月26日基発第768号の2「ずい
   道等建設工事における粉じん対策の推進について」、平成15年5月29日付け基発第0529004号「第6
   次粉じん障害防止総合対策の推進について」、平成17年2月7日付け基発第0207006号「防じんマス
   クの選択、使用等について」、平成17年2月7日付け基発第027007号「防毒マスクの選択、使用等に
   ついて」、平成17年3月31日付け基発第0331017号「屋外作業場等における作業環境管理に関するガ
   イドラインについて」、平成18年3月17日付け基発第0317008号「過重労働による健康障害防止のた
   めの総合対策について」等に示すところに留意し、
     [1]労働衛生管理体制の整備
     [2]作業環境管理
     [3]作業管理
     [4]健康管理
     [5]労働衛生教育
   の実施を促進し、もって労働衛生対策を徹底すること。
   アスベストばく露防止対策
    アスベストを含有する建材については、既に製造、使用等が禁止されているが、今後アスベスト
   を含有する建材を使用した建築物の解体等の作業が増加することが見込まれている。これらの作業
   を行う事業者においては、計画届又は作業届の適切な届出を行い、石綿障害予防規則に基づき、特
   に、以下に掲げるアスベストばく露防止対策を徹底すること。
     [1]建築物等についてアスベスト等の使用の有無の事前調査
     [2]作業計画の作成及びその遵守
     [3]吹き付けられたアスベスト等の除去を行う作業場所の確実な隔離措置
     [4]アスベストが使用されている保温剤等の除去に係る立ち入り禁止等の措置
     [5]アスベスト等の切断等の作業に係る湿潤化の措置
     [6]呼吸用保護具及び作業衣又は保護衣の適切な使用及び管理
     [7]石綿作業主任者の選任と職務の励行
     [8]特別教育の実施
 (7)建設業附属寄宿舎
    建設業附属寄宿舎については、安全衛生の確保はもとより寄宿舎に寄宿する労働者の福祉の向上
   のため広く住環境の整備を行うこと。
 (8)出稼労働者の労働条件確保
    出稼労働者の労働条件の確保については、平成3年11月21日付け基発第657号「出稼労働者対策要
   綱の改正について」に基づき必要な措置を講ずること。

2 建設工事別における労働災害防止上の重点事項
 (1)ずい道建設工事
  ア 安全衛生管理の充実
   工事現場における安全衛生管理の充実を図るため、次に示す事項を重点に実施すること。
  (ア)元方事業者においては、当該現場の規模に応じて統括安全衛生責任者及び元方安全衛生管理者
    又は店社安全衛生管理者を選任し、現場における統括管理を充実すること。
  (イ)夜間、休日に工事を実施する場合には、当該工事現場において施工を統括管理する技術者が不
    在となり、その際、連絡調整等が不十分となり重大な災害が発生するおそれがある。このため、
    夜間、休日において工事を実施する場合には、これらの技術者が不在のまま工事が進められるこ
    とのないよう、複数の元方安全衛生管理者の選任又はこれに準ずる能力を有する技術者の配置を
    進めること。
  (ウ)ずい道等の掘削作業又はずい道等の覆工の作業を行う場合には、それぞれ、ずい道等の掘削等
    作業主任者又はずい道等の覆工作業主任者を選任し、その者の直接指揮により作業を実施するこ
    と。
  イ 災害防止対策の重点事項
  (ア)工法別安全対策
     最近5年間のずい道建設工事における死亡災害の原因を項目別に見ると、建設機械等、落盤、
    墜落等によるものの順となっているが、工法により災害の傾向が異なることから、特に、次の事
    項を重点に労働災害防止対策を講ずること。
     a 山岳工法
     (a)建設機械等による災害の防止
        山岳工法によるずい道掘削工事は、ドリルジャンボ、自由断面掘削機、ドラグ・ショベ
       ル等による掘削、トラクター・ショベル等による積込み、ダンプトラック等によるずりの
       積出し等建設機械等の導入による機械化の進展が著しく、作業能率を大きく向上させてい
       るが、反面、これらの建設機械等との接触等による災害が跡を絶たない。このようなこと
       から、掘削、積込み作業時においてこれらの建設機械等と接触のおそれのある場所への立
       入禁止又は誘導者の配置、運搬機械等の運行経路と歩道の分離等の措置を徹底すること。
       また、小断面のトンネルボーリングマシン(TBM)による掘削においては退避のための通
       路の確保及び避難訓練を確実に行うこと。
     (b)落盤、肌落ち等による災害の防止
        切羽等における落盤、肌落ち、岩石の崩壊、崩落、土砂崩壊等による災害を防止するた
       め、浮石の点検を実施するとともに、コンクリート吹付け及びロックボルト施工時におけ
       る観察者の配置に留意すること。
     b シールド工法
     (a)建設機械等による災害の防止
        シールド機械にはさまれる、激突される等の災害を防止するため、点検時の機械の停止
       措置、稼働中のシールド前面への立入禁止措置等の接触予防措置を徹底すること。
        比較的小断面のずい道工事における資材等の運搬方式として軌道方式が採用されること
       が多いが、シールド工事において軌道装置に挟まれる等の災害が発生していることから、
       通路の確保、回避所の設置等により狭あいな坑内における接触予防措置を徹底すること。       
     (b)墜落災害の防止
        発進たて坑における墜落災害を防止するため、開口部の囲い、手すりの設置、適切な昇
       降設備等の設置を徹底すること。
     (c)爆発火災による災害の防止
        シールド工法は、都市部でのずい道建設工事において採用されることが多い工法である
       が、地層によっては堆積した有機物の分解により可燃性ガスが突出しやすくなっている場
       合があるため、過去の周辺のずい道工事の施工記録、事前の調査結果等を踏まえた施工計
       画を作成するとともに、これに基づく可燃性ガスの定期的測定、換気設備の点検、整備等
       を徹底すること。また、ガス爆発、火災等の緊急時の避難、救護及び連絡の体制を確立す
       ること。
     c 推進工法
       推進工法によるずい道工事のうち労働者が推進管内に立ち入るものについては、緊急時の
      迅速な避難等を考慮して、当面、内径80cm以上のヒューム管、さや管等を使用するように努
      めること。
       また、たて坑における墜落防止措置、土砂崩壊災害防止措置等を徹底すること。
  (イ)労働衛生対策
     a じん肺の予防
     (a)ずい道建設工事においては、掘削に伴う土石の粉じんの発散、又はコンクリート吹付け
       に伴うコンクリート等の粉じんの発散により労働者の健康を害するおそれがあるので、粉
       じんの発散を防止するための湿式工法又は湿式吹付け機の採用、換気装置の設置等により
       作業環境の改善措置を講ずるとともに、呼吸用保護具の着用を徹底する等、平成12年12月
       26日付け基発第768号の2「ずい道等建設工事における粉じん対策の推進について」に基づ
       く措置を徹底すること。
     (b)粉じん作業従事労働者に対するじん肺健康診断の実施を徹底し、産業医等による保健指
       導も含めた適正な健康管理を行うこと。
     b 酸素欠乏症の防止
       上層に不透水層がある砂れき層のうち含水若しくは湧水がなく、又は少ない地層、第1鉄
      塩類又は第1マンガン塩類を含有している地層等酸素欠乏危険場所に該当する地層に接し、
      又は通ずる立坑、ずい道等の掘削工事については、酸素濃度の測定及び換気を実施するとと
      もに、酸素欠乏危険作業主任者の選任と職務の励行、保護具及び救護用具の備付け、特別の
      教育の実施等酸素欠乏症防止措置を徹底すること。
     c 一酸化炭素中毒の防止
       通気の不十分な場所において、内燃機関を用いた照明用発電装置、掘削機械等を使用する
      場合には、適切な換気の実施、保護具の着用等一酸化炭素中毒防止措置の実施を徹底するこ
      と。
     d 振動障害の防止
       できるだけ低振動・低騒音の振動工具を選定すること。加えて、さく岩機等振動工具を良
      好な状態で使用するため、振動工具管理責任者を選任し、振動工具の点検整備を行わせるこ
      と。
       また、関係請負人が、新規入場者教育を労働者に行うに当たっては、振動障害の防止に係
      る教育を併せて実施すること。
       さらに、適切な作業管理、健康管理を積極的に推進すること。
     e 高気圧障害の防止
       圧気シールド工法によるずい道掘削等圧気工法を採用する場合は、当該作業における高気
      圧障害を防止するため、高圧室内作業主任者を選任しその職務を適正に遂行させるとともに、
      作業時間及び減圧時間の適正な管理を行うこと。また、圧気シールド及び附属設備の保守点
      検を励行すること。
       さらに、高圧室内業務従事労働者に対する高気圧業務健康診断の実施及び病者の就業禁止
      を徹底する等、適正な健康管理を行うこと。
  (ウ)その他の留意事項
    [1] ダンプトラックによる坑外でのずり運搬作業において路肩から転落する災害が発生してい
     ることから、ずり運搬路等を新設する場合においては、必要な幅員の確保、舗装の実施等運搬
     機械等による災害を防止するための措置の実施を推進すること。
    [2] 建設工事の作業に熟練していない者を雇い入れる場合には、特に雇入れ時の教育を徹底す
     るとともに、これらの労働者の適正配置及びこれらの労働者を指揮する職長等の教育について
     十分配慮すること。
    [3] 山岳ずい道工事従事者については、建設労働手帳制度の周知徹底に留意すること。
 (2)橋梁建設工事
  ア 安全衛生管理の充実
   工事現場における安全衛生管理の充実を図るため、次に示す事項を重点に実施すること。
  (ア)元方事業者においては、当該現場の規模に応じて統括安全衛生責任者及び元方安全衛生管理者
    又は店社安全衛生管理者を選任し、現場における統括管理を充実すること。
  (イ)橋桁の架設等の作業を行う場合には、橋の種類に応じて鋼橋架設等作業主任者又はコンクリー
    ト橋架設等作業主任者を選任し、その者の直接指揮により作業を実施すること。
  (ウ)鋼橋及びコンクリート橋の上部構造の架設等の作業において橋桁の落下等が発生すると重大な
    災害となるおそれが高いことから、当該作業を行う場合の適正な作業計画を作成すること。
  イ 災害防止対策の重点事項
    最近5年間の橋梁建設工事における死亡災害の原因を項目別にみると、墜落によるものが4割強を
   占めており、以下、建設機械等、クレーン等によるものとなっているが、特に次の事項を重点に労
   働災害防止対策を講ずること。
  (ア)墜落による災害の防止
     つり橋、高架橋等の建設の作業において、型枠又は足場の組立中、足場上での運搬作業中等で
    の墜落による災害が依然として跡を絶っていない。このため、足場等の仮設設備の点検・整備の
    励行、防網及び親綱の設置、安全帯の使用を徹底すること。また、橋脚上等の橋梁自体からの墜
    落も発生しており、防網の設置及び親綱の設置等安全帯の取付け位置を確保した上での安全帯の
    使用等を徹底すること。
  (イ)建設機械等による災害の防止
     建設機械との接触、路肩からの転落、ドラグショベルで吊った荷との接触等による災害が発生
    している。このようなことから、[1]作業半径内の立入禁止又はこれが困難な場合の誘導者の配
    置、[2]運行経路の路肩の崩壊防止、[3]地盤の不同沈下の防止、[4]必要な幅員の保持、[5]路肩、
    傾斜地等で作業を行う際の誘導者の配置等の措置を徹底すること。また、車両系建設機械の運転
    業務従事者に対する法第60条の2に基づく安全衛生教育等に労働者を計画的に参加させること。
  (ウ)クレーン等に係る災害の防止
     橋梁建設の作業において移動式クレーンを使用して部材等の運搬作業中に荷が振れ、又は荷が
    落下することによる災害が多く発生している。このようなことから、つり荷の下及び上部旋回体
    の旋回範囲内への立入禁止措置を徹底すること。このため移動式クレーンを用いての作業を行う
    者の各々の間の連絡調整を十分行うこと。また、定格荷重を超えた荷のつり上げ、地盤の不同沈
    下による転倒災害も多発しているので、移動式クレーンに係る適切な作業方法の決定及びそれに
    よる作業の実施、地盤の強化等の措置を徹底すること。
  (エ)型枠支保工の倒壊による災害の防止
     コンクリート橋建設工事においてコンクリートの打設作業中等に型枠支保工が倒壊する災害を
    防止するため、型枠支保工の設計に当たっては水平荷重についての十分な検討を実施するととも
    に、部材の接合方法等を示した適切な組立図による施工の実施及び型枠支保工の組立て等作業主
    任者の選任及びその者の直接指揮による作業の実施により適正な構造要件を確保すること。
  (オ)高気圧障害の防止
     圧気潜函工法を採用する場合には、当該作業における高気圧障害を防止するため、前記2の(1)
    イ(イ)eに記載した事項を重点に対策を講ずること。
 (3)道路建設工事
  ア 安全衛生管理の充実
    工事現場における安全衛生管理の充実を図るため、次に示す事項を重点に実施すること。
  (ア)掘削及び土止め支保工の組立て作業については、作業主任者の直接指揮による作業の実施を徹
    底すること。また、掘削箇所及びその周辺の地山についての地質及び地層の状態、含水及び湧水
    の状態等を観察する者並びに土止め支保工の設置状態、掘削用機械等の整備状態、照明の状態等
    を点検する者を定めて、その職務を十分に行わせること。なお、観察・点検の結果、施工計画を
    変更する必要が生じた場合には、発注者の協力の下に早期にその計画を変更する等危害防止措置
    を講ずること。
  (イ)この種の工事においては、工事現場における教育の実施に困難な面が見られるので、元方事業
    者が推進主体となり、発注機関及び関係団体の協力を得て、計画的に実施するとともに、関係請
    負人に対して、その労働者を積極的に講習会等に参加させること。
  イ 災害防止対策の重点事項
    最近5年間の道路建設工事における死亡災害の原因を項目別に見ると、建設機械等、墜落、自動
   車等、土砂崩壊によるものの順となっており、特に、次の留意事項を重点に労働災害防止対策を講
   ずること。
  (ア)建設機械等による災害の防止
     路肩、法面からの転落によるものが建設機械等による死亡災害の3割以上を占めていること、
    また、建設機械を用いた作業において、作業半径内で作業中の労働者がバケット等の作業装置に
    挟まれる、激突される、あるいは後退中の建設機械にひかれるといった災害も多発していること
    から、前記2の(2)イ(イ)に記載した事項を重点に対策を講ずること。
  (イ)墜落災害の防止
     掘削に先立ち、木の伐採作業等を斜面上で行っていた労働者が転落する、あるいは路肩を通行
    中に谷へ転落する等の災害が多く発生している。斜面での作業においては、作業方法の決定及び
    周知徹底を図るほか、こう配が40度以上の斜面上で作業を行う場合は、安全な作業床の設置又は
    防網及び安全帯の使用を徹底すること。また、適切な通路の決定及びその周知徹底を行うこと。
    なお、通路については、墜落、転落のおそれのある箇所については、手すり等の設置を基本とす
    ること。
  (ウ)自動車等による災害の防止
     道路建設工事における自動車等による災害は、作業場内において発生したもののほか、通行中
    の一般車が作業場内に入ってきて発生したものや一般公道での交通事故が発生している。このた
    め作業場内においては、貨物自動車の運行経路と歩道との完全な分離、掘削した土砂の積込み時
    の誘導者の配置を徹底すること。また、特に道路の補修工事等においては、工事に関係のない車
    の作業場内への進入を防ぐための警戒標識、案内、バリケードの設置を徹底すること。
  (エ)土砂崩壊災害の防止
     地山の掘削作業においては、事前の調査の結果に応じた適切なこう配による堀削の実施又は土
    止め支保工の設置を徹底すること。なお、点検者を指名し、浮石及びき裂の有無及び状態並びに
    含水及び凍結の状態の変化の点検を徹底すること。
     特に、道路復旧工事は土砂崩壊のおそれのある箇所での工事が多いことから、そのおそれがあ
    る場合にはあらかじめ傾斜計の設置等により土砂崩壊の予知に努めること。
  (オ)振動障害の防止
     タイタンパー等振動工具の使用による振動障害を防止するため、前記2の(1)イ(イ)dに記
    載した事項を重点に対策を講ずること。
 (4)小規模の上下水道等の建設工事
  ア 安全衛生管理の充実
    工事現場における安全衛生管理の充実を図るため、前記2の(3)アに記載した事項を重点に実施
   すること。
  イ 災害防止対策の重点事項
    最近5年間の上下水道工事における死亡災害の原因をみると、建設機械によるものがその3割以上
   を占めているほか、以下、土砂崩壊、自動車等によるものの順となっており、特に、次の事項を重
   点に労働災害防止対策を講ずること。
  (ア)建設機械等による災害の防止
    [1]狭い公道上等で掘削機械を利用して溝掘削作業を行う場合には、公道を通る自動車や構築物
     等と当該掘削機械との間に労働者が挟まれる災害を防止するため、掘削用機械の旋回範囲内へ
     の立入りを禁止する等の措置を講ずること。
    [2] 掘削機械を用いて、土止め用矢板、ヒューム管等のつり上げ作業を行う場合には、移動式ク
     レーン又はクレーン機能を備えたドラグ・ショベルを使用すること。これが困難な場合には、
     適切なつり上げ用の器具の取付け、合図者の指名及びその者による合図の実施等安衛則第164
     条の規定を遵守した作業を徹底すること。
  (イ)土砂崩壊災害の防止
    [1] 小規模な溝掘削作業においては、平成15年12月17日付け基発第1217001号「土止め先行工法
     に関するガイドラインの策定について」に基づき、土止め支保工の設置等の措置を講ずること。
    [2] 多量の降雨等悪天候時には作業を中止すること。
  (ウ)自動車等による災害の防止
     前記2の(3)イ(ウ)に記載した事項を重点に対策を講ずること。
 (5)土地整理土木工事
    土地整理土木工事においては、建設機械等による災害が約2割5分を占め、以下、土砂崩壊等によ
   る災害が多く発生していることから、これらの災害を防止するため、特に、次の事項を重点に労働
   災害防止対策を講ずること。
    [1] 建設機械等を用いた作業の際の作業半径内の立入禁止、誘導者の配置
    [2] 運搬機械等の運行経路と歩道との完全な分離、積込み時の誘導者の配置
    [3] 事前調査結果に応じた適切なこう配による掘削の実施又は土止め支保工の設置
 (6)河川土木工事
    河川土木工事においては、建設機械等による災害が3割以上を占め、以下、墜落、土砂崩壊によ
   る災害が多く発生していることから、これらの災害を防止するため、特に、次の事項を重点に労働
   災害防止対策を講ずること。なお、土石流危険河川については、平成10年3月23日付け基発第120号
   「土石流による労働災害防止のためのガイドラインの策定について」に基づく措置を講じること。
    [1] 建設機械等を用いた作業の際の作業半径内の立入禁止、誘導者の配置
    [2] 運搬機械等の運行経路と歩道との完全な分離、積込み時の誘導者の配置
    [3] 安全な作業床の設置又は防網及び安全帯の使用並びに適切な通路の決定及び周知徹底
    [4] 事前調査結果に応じた適切なこう配による掘削の実施又は土止め支保工の設置
 (7)砂防工事
    砂防工事においては、墜落による災害が約4割を占め、以下、建設機械等による災害、土砂崩壊
   による災害となっていることから、これらの災害を防止するため、特に、次の事項を重点に労働災
   害防止対策を講ずること。
    [1] 安全な作業床の設置又は防網及び安全帯の使用並びに適切な通路の決定及び周知徹底
    [2] 建設機械等を用いた作業の際の作業半径内の立入禁止、誘導者の配置
    [3] 運搬機械等の運行経路と歩道との完全な分離、積込み時の誘導者の配置
    [4] 事前調査結果に応じた適切なこう配による掘削の実施又は土止め支保工の設置
 (8)鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事
  ア 安全衛生管理の充実
    工事現場における安全衛生管理の充実を図るため、次に示す事項を重点に実施すること。
  (ア)工事現場には多くの職種の関係請負人が入場して作業を行うことから、元方事業者においては、
    当該現場の規模に応じて統括安全衛生責任者、元方安全衛生管理者又は店社安全衛生管理者を選
    任する等により現場における統括管理を充実すること。
  (イ)掘削作業、鉄骨の組立ての作業、型枠支保工の組立ての作業等については、作業主任者の直接
    指揮による作業の実施を徹底すること。
  (ウ)新規入場者教育については、新たに現場に就労する関係請負人の労働者に対して、現場全体の
    状況、現場内の危険箇所についての周知を確実に行うこと。
  イ  災害防止対策の重点事項
  (ア)工事別安全対策
     最近5年間の鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事における死亡災害の原因を見ると、墜落
    によるものが5割以上を占めており、以下、建設機械等、飛来・落下、倒壊、クレーン等による
    ものとなっているが、工事により災害の傾向が異なることから、特に、次の事項を重点に労働災
    害防止対策を講ずること。
    a 土工事、杭工事等
      土工事、杭工事等においては、狭あいな敷地内で掘削用建設機械等と労働者がふくそうして
     作業を行うことによる挟まれ、激突災害や地盤が軟弱なことにより基礎工事用建設機械が転倒
     することによる災害が発生している。このようなことから、掘削作業半径内の立入禁止措置の
     徹底、基礎工事用建設機械を使用して仕事を行う関係請負人に対する元方事業者による転倒防
     止のための技術上の指導及び地盤強化、鉄板の提供等の援助を行うこと。
    b 躯体工事
    (a)墜落による災害の防止
       鉄骨の組立て作業中に梁上から墜落する災害が多発していることから、つり足場の設置又
      は防網及び安全帯の使用を徹底すること。
       また、型枠支保工の組立てあるいは解体作業中に足場から墜落する災害も跡を絶っていな
      いことから、当該足場における作業床端部の手すりの設置又は防網及び安全帯の使用を徹底
      すること。
       さらに、足場の組立てあるいは解体作業中の墜落災害も多く発生していることから、平成
      15年4月1日付け基発第0401012号「手すり先行工法に関するガイドラインの策定について」
      に基づく措置の実施を図ること。
    (b)型枠支保工の倒壊等による災害の防止
       鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事においてコンクリートの打設作業中に型枠支保工
      等が崩壊したことによる重大な災害が発生している。このようなことから、設計に当たって
      は水平荷重についての十分な検討を実施するとともに、部材の接合方法等を示した適切な組
      立図による施工の実施並びに型枠支保工組立て等作業主任者の選任及びその者の直接指揮に
      よる作業の実施により適正な構造要件を確保すること。
    c 外部仕上工事
    (a)墜落による災害の防止
       高層ビルのPC(プレキャストコンクリート)パネルやカーテンウォールの取付け等の外部
      仕上工事において、パネル等の取付け時の墜落災害が発生していることから、パネル取付用
      足場及び親綱の設置等の墜落防止対策を徹底するとともに、朝礼時等においてクレーンの合
      図の統一等の調整を行うこと。また、建物内部からパネルの取付作業を行うことができる部
      材や器具を使用する等作業方法の改善に努めること。
    (b)飛来落下による災害の防止
       工具類等が落下し、地上で働いている労働者や通行人が被災する災害が発生している。こ
      のため、パネル等の補助吊ロープはパネルのセット完了まで外さない、工具類は作業員と結
      びつけておく等の飛来落下による災害防止対策を徹底すること。また、上層部と下層部にお
      いて、同時作業が行われないよう、作業工程を調整しておくこと。
    d 内部仕上工事
    (a)墜落による災害の防止
       内部仕上工事における開口部等から墜落を防止するため、元方事業者は、現場で新たに作
      業を行う関係請負人に対して開口部の箇所を確実に通知すること。
       また、いわゆる「うま」を、足がかりとして使用しないよう徹底すること。
    (b)木材加工用機械による災害の防止
       木材加工用機械による災害を防止するため、平成10年9月1日付け基発第520号の2「木材加
      工用機械災害防止対策推進運動の実施等について」に基づく措置を徹底すること。
  (イ)クレーン等による災害の防止
     杭工事等においては、基礎杭のつり上げ、移動等の作業を移動式クレーンが基礎工事用建設機
    械を補助して行うが、この際には地盤の状態を事前に把握した上で地盤強化を行う等地盤の状況
    に応じた必要な転倒防止措置を講ずること。
     クレーンによる鉄骨等の運搬作業時においては、飛来落下災害が多発していることから、クレ
    ーンを用いての作業を行う者各々の間の連絡調整を十分に行わせることにより、つり荷の下の立
    入禁止措置を徹底すること。
     また、移動式クレーンを用いて作業を行う場合は、搬入された荷を卸す等の短時間作業におい
    ても、鉄板の敷設、アウトリガーの最大張出し等の転倒防止措置を徹底するとともに、適切な作
    業方法の決定及びそれによる作業の実施を徹底すること。
     なお、玉掛け作業については、平成12年2月24日付け基発第96号「玉掛け作業の安全に係るガ
    イドラインの策定について」に基づく措置を徹底すること。
  (ウ)労働衛生対策
    a 有機溶剤中毒の防止
      内部仕上工事の防水・塗装作業において有機溶剤中毒が多発していることから、十分な労働
     衛生教育を実施するとともに、適切な換気の実施、呼吸用保護具の使用並びに有機溶剤作業主
     任者の選任及びその者の直接指揮による作業の実施を徹底すること。
    b 一酸化炭素中毒の防止
      地下防火水槽工事等において、コンクリート養生に用いる練炭等から発生する一酸化炭素に
     よる中毒を防止するため、養生後、水槽等の内部へ立ち入る際の換気、濃度測定等必要な措置
     を徹底すること。
 (9)木造家屋等低層住宅建築工事
    平成8年11月11日付け基発第660号の2「木造家屋等低層住宅建築工事における労働災害防止対策
   の推進について」に基づく措置を徹底すること。
 (10)電気・通信工事
   ア 安全衛生管理の充実
   (ア)安全衛生管理体制を確立するとともに、選任された安全管理者又は安全衛生推進者に作業現
     場を巡視させる等により工事現場の作業の安全化を図ること。
   (イ)高圧・特別高圧電気取扱作業者に対する特別教育の実施その他の安全衛生教育を計画的に実
     施すること。
   イ 災害防止対策の重点事項
     電線等の電気・通信設備の設置作業において墜落災害が多発していること及び電力用ケーブル
    敷設等の作業において感電災害が多発していることから、これらの災害を防止するため、特に、
    次の事項を重点に労働災害防止対策を講ずること。
   (ア)高所作業における安全な作業床の設置又は安全帯の使用
   (イ)高所作業車を使用する場合における作業指揮者の指名及び当該高所作業車の転倒防止
   (ウ)活線作業又は活線近接作業を行う場合における絶縁用保護具等の着用等
 (11)機械器具設置工事
   ア 安全衛生管理の充実
     安全衛生管理体制を確立するとともに、選任された安全管理者又は安全衛生推進者に作業現場
    を巡視させる等により現場の作業の安全化を図ること。
   イ 災害防止対策の重点事項
     機械器具設置工事においては、墜落災害が多発していることから、安衛則第518条第1項又は第
    519条第1項に規定する安全な作業床の確保を基本とし、脚立、移動はしご等の器具の使用はでき
    るだけ避けること。
     また、エレベーターや立体駐車場等の昇降路内で作業する場合には、上層部と下層部で同時作
    業が行われないよう作業工程の調整を行うとともに、各階の扉には「作業中」であることを表示
    しておくこと。さらに、ピットスイッチ等で搬器が動かないようにしてから昇降路内部に入るこ
    と。
     また、通風不十分な屋内作業においてアーク溶接を行う場合には、換気を行うことにより作業
    場所の空気中の一酸化炭素濃度を日本産業衛生学会で示されている許容濃度である50ppm以下に
    保つ等必要な措置を講ずること。
 (12)解体工事及び改修工事
   ア 安全衛生管理の充実
     工事現場における安全衛生管理の充実を図るため、次に示す事項を重点に実施すること。
   (ア)元方事業者においては、当該現場の規模に応じて統括安全衛生責任者、元方安全衛生管理者
     又は店社安全衛生管理者を選任する等により現場における統括管理を充実すること。
   (イ)高さ5m以上のコンクリート造の工作物の解体等の作業については、コンクリート造の工作物
     の解体等作業主任者を選任し、その者に、作業の方法及び労働者の配置を決定させ、作業を直
     接指揮させること。
   (ウ)新規入場者教育については、新たに現場に就労する関係請負人の労働者に対して、現場全体
     の状況、現場内の危険箇所についての周知を確実に行うこと。
   イ 災害防止対策の重点事項
   (ア)解体工事
      解体工事中に突然梁や壁が倒壊し、労働者はもとより周辺住民をも巻き込む災害が発生して
     いるが、この要因として、構造物が設計図書と異なっていたり、鋼材が予想以上に劣化してい
     たこと等も見受けられることから、これらの災害を防止するため、特に、次の事項を重点に労
     働災害防止対策を講ずる。
     [1] 工事開始前に建築物はもとより周囲の状況を含んだ危険性又は有害性等の調査を十分に
      行い、これに基づき、作業の方法、順序、控え等の設置方法等が示された作業計画を策定す
      ること。
     [2] 作業計画で想定していなかった事態が生じた場合には、安全が確認できるまで作業を中
      断すること。
   (イ)改修工事
      改修工事においては、スレート屋根等からの墜落や爆発災害が発生している。この要因とし
     て、短期間の工事であることを理由に適切な安全対策が講じられていなかったり、元栓を閉め
     ずにガス管を撤去しようとしたこと等が見受けられることから、作業計画には、足場や踏み板
     の設置はもとより、ガス会社等への事前連絡等についても定め、これに基づく作業を徹底する
     こと。
   ウ アスベストばく露防止対策等
     解体工事や改修工事に際しては、石綿障害予防規則に基づき、前記1の(6)イに記載した事項
    を重点に対策を講ずること。
     なお、粉じん障害防止規則(以下「粉じん則」という。)別表に掲げる粉じん作業に該当する
    作業を行う場合には、呼吸用保護具の着用を徹底する等、粉じん則に基づく措置を徹底すること。