自動車・同付属品製造業
タイヤバランス調整作業は、まずタイヤに取り付け用治具AとBをセットし、それを二人作業でバランス調整装置の回転シャフトに取り付けるという手順で進めていた。
従来の作業では、取り付け用治具とタイヤの重量が合わせて30kgを超えるため、作業者の腰への負担が大きく、回転シャフトへの脱着時には中腰前傾姿勢となり、取り付けもなかなかスムーズには進めることができなかった。
このようなことから作業者からの改善要望が高く、「一人でも腰部への負担を掛けることなく作業できる」方法はないかと検討を始めた。
人力による回転シャフトへの取り付け作業を改めて、タイヤと治具のセット台にアームを取り付け、油圧シリンダーを介してアームを90度回転させることでアームシャフトと回転シャフトとの軸センターを合わせて、タイヤを軽く押すだけで脱着可能な「自動持ち上げ装置」とした。
この装置の動力源には、工場エアーを使用し、シリンダー回路のみ油圧変換装置(ハイドロユニット)にて油圧に変換させることで、エアー特有の揺動(バウンシング)を抑え、スムーズな回転アームの動きを確保した。
また、全体の動きをよりスムーズにするため、機関車の車輪と連結棒の動きをヒントにして、油圧シリンダーの取り付け位置および回転アームの停止位置に工夫を施した。
回転シャフトへの脱着時、従来までは中腰前傾姿勢をとり、作業者の腰への負担が大きかった。
しかし、「自動持ち上げ装置」の考案により腰部への負担が解消され、また、確実な軸合わせが可能なので人力で回転シャフトへ取り付けするより、大幅に作業効率を向上させることができるようになった。
平成5年7月〜8月
社内遊休品、端材の再利用
申請中