厳しい経済情勢の中、職業生活等において強い不安、ストレス等を感じる労働者は82.2%に上っています。 また、メンタルヘルス上の理由により連続1カ月以上休業し、または、退職した労働者がいる事業場は13.3%となっています(※注)。 さらに、業務に密接な関係があると判断されたメンタルヘルス不調者は労災の補償対象となり、その件数も増えてきています。 事業者が民事上の損害賠償責任を問われる例も出ています。
これらの状況を踏まえ、労働者のメンタルヘルス不調は、企業経営のリスク要因として見逃せない問題です。 現在では、組織全体の心の健康レベルを引き上げることで、企業の活性化や生産性の向上につなげようという考え方もでてきています。
(※注 「労働安全衛生調査(実態調査)」令和4年 厚生労働省調べ)
メンタルヘルスケアは大きく次の二つに分けられ、労働者を対象としたものは、さらに二つに分けられます。
これらを同時に進めていくことが重要です。
労働安全衛生法第70条の2に基づき、事業場において事業者が講ずるように努めるべき労働者の心の健康の保持増進のための措置が適切かつ有効に実施されるよう「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(指針)が厚生労働大臣によって定められています。この指針によると、メンタルヘルスケアは、「セルフケア」、「ラインによるケア」、 「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」、「事業場外資源によるケア」の4つで進めるとされています。 このうち、中核となるのは、「セルフケア」「ラインによるケア」です。
事業者はこれらの体制をととのえ、1.と2.を継続的かつ計画的に実行する体制づくりを行う必要があります。
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