製鉄・製鋼・圧延業
製鋼の転炉工場では、ランス設備(転炉上部から純酸素を吹き込む設備)のうち、ランス台車昇降ガイドレールの摩耗状況を測定し、管理しなければならない。
測定作業は、転炉修理期間中にランス本体を取り外し、高さ20mの昇降ガイドレールの前面に作業床から足場を組み立て、マイクロメータを使用し、レール摩耗測定を行っていたが、作業環境が悪く足場組み立てや測定位置などすべてが高所作業のため非常に危険性が高かった。
不安定な足場上での測定作業をなくし、短時間で容易にできる精度の高い測定値が得られる装置を考案した。
この測定方法は、ランス昇降台車の昇降機能を利用して、ガイドレールスパンを連続的に測定する方法で、つぎの手順による。
- (1) まず、ランス昇降台車の下部に、マグネットホルダーでレーザー式変位センサーとエンコーダー(移動距離計)をセットする。
- (2) センサーボックスと専用ケーブルを昇降台車に取り付け、作業床の機側操作盤にて台車を低速上昇(2m/分)させ測定を開始する。
- (3) 台車の移動距離とレール摩耗量は、作業床に配置の測定器、レコーダーによりチャート紙にアウトプットされる。
- (4) ガイドレールの測定部位が3スパンあるため、測定部位①が完了するとその後、レーザー式変位センサーの組み合わせを替え、測定部位②、③を引き続き上記手順にて行う。
- 足場組み立て・解体作業および足場上での測定作業がなくなった。(高所作業の排除)
- 精度の高いデータが得られ、測定作業の時間も短縮できた。(従来28時間→改善後6時間)
平成3年11月〜5年12月(26カ月)
330万円(一式)
有り