自動車・同付属品製造業
自動車用の窓枠成型品の箱詰め作業は、空箱に収容本数10本を入れたら、次の空箱をその上にのせ、全部で5段積みにして次の工程へ送り出す一連の作業である。
空箱が作業者の腰の位置より低い位置にある場合には、腰を屈曲させながらの不自然な作業姿勢をとることになり、また、5段積みが完了した実箱は搬送コロコン上を手で押して移動させていた。そのために腰部への負担増等により、作業能率がなかなか上がらなかった。
上記のような問題点を解消するために、ウエート・ワイヤー・滑車等の組み合わせから成る、電気動力を一切使用していない「からくり人形技術」の応用だけで動く、箱搬送装置の開発を試みた。
この装置の特徴は、電気動力を一切使用していない、つまり「からくり人形技術」の応用だけで装置全体を稼働させているところにある。
この装置は、空箱供給、製品乗せ台、実箱排出の3ブロックで構成されている。
完成品1本を空箱に入れると、製品重量により滑車とワイヤーが連動して、製品乗せ台を徐々に任意の位置まで下降させる。収容本数の10本に達したら、手で軽く実箱にタッチすると重心が前方へ移動し、シーソーの原理によって実箱が前方へ排出される。
実箱が排出されるとウエートが徐々に下降して、製品乗せ台を上昇させる。この過程で、次の空箱が自動的に供給されてくる仕組みである。
従来の作業では、腰をかがめる不自然な姿勢をして作業をしていたので、腰を痛める作業者が多く、また、5段積みの実箱を移動させるのにも、かなりの動力を必要としていた。
しかし、この装置の開発のおかげで、腰痛の発生を防止でき、だれでも楽に作業ができるために作業の能率を大幅に向上させることに成功した。
平成6年2月〜3月
70,000円/台
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