電気通信工事業
通信用のケーブル(丸形)を電柱等の間に架渉する場合、あらかじめ柱間に施設した、メッセンジャワイヤに「金車」を5〜6m間隔で取り付け、ケーブルの垂れ下がりを防止しながら作業を行っていた。また、自己支持形ケーブル(ひょうたん形)を架渉する場合には、各電柱に金車を取り付け、バックテンション機能を有するケーブル繰り出し装置と、けん引機等の組合せにより、ケーブルの垂れ下がりを防止するか、既設ケーブル吊線に金車を取り付けて、架渉する等の作業方法を採用していた。
しかし、いずれの作業方法も、垂れ下がりや引っかかりを解消するため、はしご等による高所作業が発生するうえ、雨天時は、滑りやすく危険であった。また、道路を横断する形でケーブルを架渉する場合は、作業者だけでなく、通行車両、歩行者等に対する安全対策も必要となる。
そこで、通信ケーブルを架渉する場合に発生する、垂るみや引っかかりを、機械的に、容易に、しかも安全に防止することを検討した。
制動機能弁を市販の金車に蝶ネジで取り付けた。これを電柱に取り付け、ケーブルを通して使用する。ケーブルの形によって制動力は異なるが、柱間隔が30m以下であれば十分な制動力を有する。また、雨天においても、制動弁の機能はほとんど変わらない。
また、動力等はまったく必要なく、機械的にケーブルの逆行を防止できる。
- ケーブルの垂れ下がりや引っかかりを直すための高所作業がなくなった。
- 丸形ケーブルを架渉する場合、柱間のメッセンジャワイヤへの金車の取り付けが不要となるため、高所作業が電柱での作業のみに減少した。
- 自己支持形ケーブルを架渉する場合、バックテンション機能付きのケーブル繰り出し装置やけん引機等が不要となり、作業の省力化・効率化が図られた。
- 人力によるけん引(手引き作業)の場合引っ張り端にかかる張力が少なくなることから、重筋作業の軽減が図られた。
平成3年6月〜平成4年8月
50万円/1,000個
有り