港湾運送業
長尺の大型型鋼を海上出荷するに際し、工場から岸壁までの輸送に高床化パレットを使用している。岸壁において高床化パレット上の製品を船積みする際、リフマグを使用できない形状の製品の場合は、パレットの上の型鋼の両側に2名の作業者が乗り、ワイヤー掛けを行ってクレーンで吊り上げている。パレットの床の高さは、地上1.2mあり、型鋼の上の高さは2mを超えるため、足場がないと作業者の昇降が困難である。またパレットの周辺には安全柵がないので、地上に転落する危険性がある。
従来は、階段式の移動昇降台、移動式の安全ネット、リフター式自走昇降台の使用等の対策を行ってきたが、いくつかの問題点があった。
次のような機能を有する昇降台を考案した。
- ① 駆動台車(A台車)および連動従動台車(B台車)の2台の台車から成り、連接して移動する。
- ② A台車、B台車とも作業者が乗って昇降するためのデッキおよび安全ネットの枠が共に上下する機構を有している。
- ③ 作業者が、デッキからパレットに乗り移る際の足元のすき間をなくすため、起伏式の渡りデッキを設けている。
- ④ A台車とB台車のデッキの間は、安全ネットと起伏式のサイドフレームを設け、パレットの全長にわたって墜落の防止を図っている。
- 高所から墜落する危険性が著しく小さくなった。
- 作業の開始およびパレットの横持ちのときの移動が容易で、高さも積み荷に合わせて調整できるので作業者の負荷が減少した。
- 使用するパレットや製品の種類が変わっても対応が容易となった。
平成3年6月〜4年3月
550万円
有り