製鉄・製鋼・圧延業
棒鋼工場の製品である丸鋼、異形棒鋼等は、所定の長さに切断された後、自動結束機において、2〜3t程度の単位に、径6mmの線材を用いて結束して出荷される。
この線材の供給を行うために、地下ピット内の結束線置台に結束用の線材コイル(重量約2t、外径1,600mm、内径1,400mm、高さ1,600mm)を、月平均6〜15回セットする必要がある。
従来は、3本の吊りワイヤーを用い、コイルに等分に通してクレーンで吊り上げていたが、次のような問題があったので専用の吊具の考案を行った。
- 横向きに置いたコイルを縦方向に吊り上げるため、吊りワイヤーを通しにくいなど玉掛け作業が困難である。
- コイルの荷崩れが起こりやすく、荷崩れが起こると置台に入りにくくなる。
- 置台にセットした後の吊りワイヤーを外す作業に危険が多い。
- このため、多くの人手と時間を要しており、ヒヤリ事故も発生していた。
線材コイルをセットするための専用の吊具を考案した。操作の手順を図3に示す。
- 吊り上げにワイヤーの玉掛けを行う必要がなくなり、作業時間が大幅に短縮された。
- 地下ピットに入り、ワイヤーの取り出しを行う必要がなくなった。
- 作業の危険な要素が解消し、だれでも一人作業で、手待ちの時間帯に、線材コイルの置き場へのセットを行うことが可能となった。
- 線材コイルの荷崩れによる変形がなくなり、線材引き出しのトラブルによる上流の圧延工程への影響がなくなった。
平成4年5月〜12月
約50,000円/台(作成材料費)
無し