金属製品製造業
当工場では、橋梁・鉄骨等を現地へ搬出する前に、工場内で仮組立をし、検査をする必要がある。この検査は、橋梁等のボルトの位置、形状等の外観検査であり、検査を実施する場合、仮設橋梁の上に通路が必要となる。
この通路に使用する通路桁を保管場所からクレーンにて運搬するときの玉掛け作業に、安全上の問題があった。
それは、従来の通路桁(長さ8m、幅80cm、手すり高さ90cm、重量420kg、歩行板はシマ鋼板、市販品)では手すりが固定されていたために、手すりをまたいで玉掛け作業を行わなければならず、また吊り荷の重心が取りにくいために荷振れがあるなど、危険であった(写真1)。
考案した通路桁(重量300kg)は、歩行板をエキスパンドメタルとし、通路桁同士の接合部をビティー足場等に用いられるフック掛け(3カ所)とした。
その設置方法は、通路桁の先端にあるフックで他方の通路桁の末端にフック掛けをし、接合する。次に、手すり(材質:STP41)を順番に立ち起こしてピンで固定していく方法である。
さらに、手すりの一部をチェーンに変え、直角方向の配置方法に対応できるようにした。
なお、1枚の通路桁の重心の位置を決めるために、吊り金具を設定し、その吊り状態の荷振れをなくした。
- 歩行板にエキスパンドメタルを使用したこと、および手すりを折り畳み式としたことにより、通路桁の運搬を従来よりも安全に行うことができるようになった。
- 通路桁同士の接合をフック掛けとしたことにより、設置作業において能率が上がった。
- 通路桁の重ね積みができるようになったため、収納スペースが従来の5分の1程度で足りるようになった。
- 通路桁の手すりの一部をチェーンに変え、直角方向の配置ができるようになった。
- 通路桁の重心の位置決めのための吊り金具を設定したことにより、1枚の通路桁をクレーンで吊り上げるときの状態の荷振れをなくした。
平成4年4月〜5月
約160,000円/台
無し