陸上貨物取扱業
当事業所の作業内容は変圧器等重量物の輸送・搬入・据付を行っている。それらの重量は5トン程度のものから200トンクラスのものまで扱っており、作業途中のヒヤリハットも多く、作業時間も非常にかかっていた。
特に、重量物の設置位置を決める芯出し作業については、いったん設置するとほとんど移動できないこともあり、ミリ単位の精度が要求される場合が多いため作業時間も長く、それだけ事故発生の危険性も大きくなっていた。
そこで、重量物の芯出し作業を効率的に行うため、一方向しか調整できなかった従来の装置を改善して、任意の方向に調整することができる自在芯出し装置を考案した。
ベアリング192個をアルミ製の基盤3枚で挾み込み、ベアリングが回転するように工夫した(アルミ製中板の穴の径は11.4ミリ、上下板の穴の径は11.2ミリとして、11.3ミリの径のベアリングを挾み込んで8カ所でリベット固定した)。
実際の使用方法を次に示す。
- ① 台座(鋼製)の上に上記で示したベアリング板を置く。
- ② その上に鋼板を置く。
- ③ 鋼板の上に150トンジャッキを置く。
- ④ これらの装置を4隅にセットし、対象物を支える。
- ⑤ 小型ジャッキによってベアリング上のジャッキを押しながら芯出しを行う。この際、対角線上の2組のジャッキは、対象物が滑ってしまわないように逆方向から逆の操作を行う。
- 少ない人員で作業ができるようになった。
- 作業時間が約2分の1に短縮された。
- ヒヤリハット件数が大幅に減少した。
昭和58年〜平成元年
ほとんど自社材料使用のため、廉価
無し