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工夫・改善事例

石英管溶接装置

業種

非鉄金属製造業

動機

当事業場では、原料等を石英管に封入してV−V族化合物を製造しているが、従来、封入作業は原料等を充填した石英管(片封じ管)と石英キャップを突き合わせ、バーナー(O2、H2の混合ガス)で溶接していたため、次のような問題があり、その改善が望まれていた(写真40)。

  1. ① 石英管に回転動作を与えられないので、作業者にとっては、不自然な姿勢と長時間の熱暑による肉体的負担が大きい。
  2. ② 溶接時に発生する石英ヒュームに局所排気設備を施しているが、作業の都合で人の頭上に設置しなければならず排気効率が悪い。

内容

石英管溶接装置の概要を図34図35および写真4142に示す。

バーナー付きリング[1]を挟む形で、石英管[A]と石英キャップ[B]をセットし(写真41)、石英キャップ内にN2ガスを所定量流しながら写真42に示す火口(H2使用)を介してリングバーナーに点火する。

リングバーナー[1]は、駆動装置[3]により溶接面に沿って約20°往復回転するが(図35)、溶接面が均一に加熱された時点で、駆動装置[4]により石英管[A]と石英キャップ[B]を、接触させて溶接する。

なお、ガス混合器[5]でバーナーの炎の強度を、駆動装置[3]で往復回転速度を調整すれば、封入管の特性に合わせた利用が可能である。

一方、溶接位置の前面に遮光板および熱遮へい板が、直上に局所排気装置が設置されている(写真43)。

効果

  1. 装置と作業者の間に熱遮へい板が設置されたため、熱暑が緩和された(約20℃下降)。
  2. 座位姿勢で作業ができるようになったため、肉体的負担が軽減された(写真43)。
  3. リングバーナー直上の局所排気装置の設置が可能になり、粉じん(石英ヒューム)が減少した。
    改善前0.82mg/m3→改善後0.08mg/m3(5回の測定の平均)
  4. 水素(H2)、酸素(O2)の使用量が1/6に低減し、作業時間が1/10に縮小された。

期間

昭和60年1月〜7月

費用

180万円

特許・実用新案申請の有無

有り

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