陸上貨物取扱業
倉庫内高床ホームにおける大型コンピュータ(キャスター付き、最大荷重1t、高さ1.8m)のトラックからの取卸し、積込み作業は、フォークリフトによる荷役が禁じられているため、トラック荷台と高床ホームの高さを調節できる装置が必要であった。
最初は、高床ホームの前に固定して作業台をスライドできる油圧式昇降機であった。
この昇降機には、2つの問題点があった。
- ① 固定式のため、空いている接車ホームに昇降機が移動できないので、作業が一か所に限定されてしまう。
- ② トラックの荷台と高床ホームの高さが異なるため、作業台を2回上下させることになり、作業効率が悪くなる。そのため、繁忙になると作業台をトラックの荷台の高さに合わせたままの状態にしてホームの段差に枕木等を置き、厚ベニア板を渡してスロープをつけて作業することもあり、脱輪による荷の転倒の心配があった。
昇降機とスロープとを組み合わせ、さらにキャスターを取付けて、高さの調節や移動が簡単に、かつ、自在にでき、最大荷重2tまでの積卸し作業ができるスロープを開発した。
このスロープの特徴は次の通りである。
- ① 安全に作業ができるようにスロープを長く(約5.5m)し、幅も広く(約1.8m)設計して荷の上げ下げにかかる足場を確保した。
- ② スロープのヘッド部分に油圧装置を取り付け、高さの調節を可能にし、トラックのどの車種にも適合できるようにした。
- ③ スロープの下方から2mの位置に蝶番を取り付け、そこを境に折れ曲がるようにして、低いボディーにも適合できるようにした。また、傾斜角度を緩め、転倒防止に十分配慮した。
- ④ スロープをどのホームに接車しても積卸しができるように、また、作業終了後や未使用時には庫内の所定の場所に格納できる。
一度荷台の高さにスロープの高さを調節すれば、積卸し作業終了まで調節操作の必要がなくなる等、従来に比べて40分ほど作業時間を短縮できた。また、荷の転倒する危険もほとんどなくなり、安全で効率よく作業ができるようになった。
現在、このスロープの最大荷重は2tであるが、強度を増せば、海上コンテナにもセットさせ、フォークリフトごと中に入り荷扱いをすることも可能であり、汎用性もある。
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95万円/組
無し