窯業土石製品製造業
鞘積み作業
鞘詰工程とは、皿に白生地を出すために本焼窯を行う前に、素焼した皿に施釉(上薬をかける)をしたのち、鞘と呼ばれる物に入れ、皿の入った鞘を焼成台車に積み上げる一連の作業である。その工程で特に問題となっていた作業は、約3kgの鞘を一度に5〜6枚ずつ、手で焼成台車の上に70cm〜180cmの高さまで積み上げる作業であった。
中でも一番高い位置に鞘を積む時は、腰より低い位置に置いてある鞘を一度胸まで持ち上げ、さらに頭上へ鞘を差し上げる様にして積まなければならず、腰のみならず、肩や首、腕までも大きな負担がかかる。通常、1ライン当たり1日に約40トンの鞘を積んでいく。この様な総重量をすべて手作業で行うことは、非常に大変であった。
このため、次のような改善を行った。
(1) 手の感覚でソフトに積み上げれるハンドクレーン(ラクラクハンド)を使用
(2) 焼成台車全域をカバーできるように、ハンドクレーン(ラクラクハンド)を天井走行とした。
(3) どんな鞘の径にも対応できるよう先端の治具を爪ピッチが変更できる機構とした。
焼成台車に鞘を1本積み上げるのに4〜5回に分けて行っていた作業が、ハンドクレーンを採用することで一度に行え、しかも、わずかな操作力(約1kg)をハンドクレーンに加えるだけで可能となった。
中央労働災害防止協会 健康快適推進部
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