自動車・同付属品製造業
平面研削盤では、加工部品・材質の違いなどにより砥石交換が必要である。しかし、砥石の重量は、120kg〜200kgと大変に重く、また、従来の砥石交換方法であると、次のような危険が想定される。
- 動力を持つ設備(ホイストクレーン)を使用するため、操作を誤ると危険である。
- 吊り具が長く不安定で、砥石が機械等に当たり砥石割れの恐れがある。
- 共同作業であるため、2人の呼吸が合わないと、砥石が体にぶつかったりする危険がある。
- 砥石を軸にはめ合わせるとき、目測での位置合わせのため、無理に押し込み、手などをはさむ危険がある。
そこで、砥石の交換を「安全に」、「簡単に」、「正確に」、「素早く」行えるようにするため、
- 砥石を移動させるときの安定感を向上させる。
- カンやコツを不要とする。
- 動力を使わない。
- 1人作業でできるようにする。
以上の点に着目して、砥石交換専用の移動式台車を製作した。
台車の構造、機能は次のとおりである。
- 移動しやすいように下面にローラーを取り付けた。
- 砥石を台車に載せたまま収納できるようにした。
- 保管場所を定め、交換時は台車ごと手動で移動する。
- 機械の砥石交換位置を決め、台車を移動してそのままはめ込めるようにして、位置合わせを不要とした。
- 台車の不用意な旋回をなくすため、前後移動用、左右移動用のローラーを二重に取り付けた。切り替えは、カムシャフトを利用した左右のレバー傾斜操作で、ローラーの交互接地を可能とした。
- 台車を容易に移動させるための溝(レール)を作成し、それに沿って前後左右の移動が確実にできるようにした。
- 砥石交換用台車と砥石を取り付ける機械部品の位置合わせを容易に行えるよう、機械の上下移動のための位置調整スケールに交換位置のマーキングをつけた。
- ホイストクレーンを使用しなくてよくなったため、次のような効果があった。(写真1)
- 砥石の脱着が容易になったため、次のような効果があった。(写真2)
- 2人作業を1人作業に削減でき、また、砥石交換時間を低減(100分/回→10分/回)できた。
平成12年6月〜9月
約45.5万円
不明