運輸交通業
この事業場では、部品の修理及びメンテナンスを行っている。部品の修理・メンテナンスを行うための付随的作業として、取り外した機械設備に付着しているヘドロ、グリス等を洗浄する作業がある。
従来は、図1のように外壁で囲った中で高圧の洗浄水(100℃)により洗浄作業を行っていたことにより、作業場所一帯が汚れ、また、直径1〜2mmの穴から高圧で放出される熱湯での作業なので周囲の人に気を配る緊張の伴なう作業であった。
そこで、人力に頼らない方法で洗浄作業を行おうと改善に取り組んだ。
今回、この作業を図2のように四方を外壁で囲い、自動洗浄装置、フロアー洗浄装置を備え、ワーク自体を回転テーブルに載せることで半自動化を図り、作業の快適化を進めた。
作業手順は以下のとおり。
- ① 移動式外壁を開き自走台車を修理工場内に移動する。
- ② 洗浄するワークを台車に載せ洗浄場へ移動し外壁を閉める。
- ③ 自動洗浄装置を前進させてセットし、台車の回転テーブルを回転させる。
- ④ 自動洗浄装置のノズルが上下動し、回転するワークを自動で洗浄する。
- ⑤ 洗浄終了後②、①の手順でワークを移動する。
- ⑥ フロアー洗浄装置を起動させ、フロアーの洗浄後、作業を終了する。
ワークの汚れ、大きさ、形状が一定ではないことから、半自動化という形になったが、手作業が従来の1/10以下となり、肩や腰に対する負担が軽減された。また、作業場を完全に覆うことで、周囲の人を気にせず作業ができるようになり緊張作業から解放され、そしてヘドロ、熱湯が飛び散ることがなくなり、火傷を負う心配もなくなった。今回の考案に当たっては、汚水処理槽を設け一度使用した水をフロアー洗浄水として再利用できるようにした。
平成6年10月〜平成8年9月
約300万円
無し