自動車・同付属品製造業
加湿器が作動した際のスチーム噴射ノズルで発生した音が、空調機の吸気側に設置されたルーバタイプのカバーから透過することに起因しており、高周波の不快な騒音となっている。
そのため、空調機近傍での作業従事の際は、防音保護具を使用していた。
ここでは、現機器に「通気型遮音パネル」を適用、開発した。
(1) 構造、機構
騒音の支配的要因は、加湿器が作動した際のスチーム噴射ノズルから発生した音が、空気吸入口(ルーバ)から透過してくるためであることが判明した。そこで、従来、空気吸入口に取り付けられていたルーバを廃止し、アルミ板にて作成した外枠に通気型遮音パネルを6枚取り付け、放射される音が一様にパネル面に当たるよう設置した。
また、このとき空気の流れも考慮し、通気孔が一様に分布するように注意を払った。
(2) 遮音のメカニズムと特徴
2種類の空気の振動系から透過波が互いに逆相になり打ち消し合い遮音効果が得られる。最大の特徴は、総開口面積率、板間、直管比率(2種類の通気孔の比率)等の各パラメータを調整することで遮音効果を発揮する周波数範囲のチューニングが可能になる点である。
従来のルーバにおいて85.5dBであったものがパネル装着によって78.5dBと7dB低減され、耳障りな高周波成分の音が消えた。
これは、おとの周波数特性を用いた方法なのでチューニング次第では、まだ音を小さくすることができる可能性を持っている。また、材料は、プラスチックのみならず、金属材料にも適用できるので、発熱を伴う装置、機器への応用も利くものである。
平成7年12月〜平成8年1月
3,000円/枚×6枚、外枠2,000円/台
有り