製鉄・製鋼・圧延業
分塊圧延後の鋼材の表面の研削のため、ホット・スカーフ・マシーンを使用している。電気集じん機を設置して周囲への粉じんの飛散を防止するようにしている が、特に、スカーフィング終了時にフード開口部(鋼材入り側)から排煙(粉じん等)が突出し、また、溶削スラグも周囲に飛散している状況で、作業環境を汚染していた。そこで、これらを補捉して、よりクリーンな職場環境の形成を目的として以下の改善を行った。
フードの開口部をすべて密閉できればよいが、鋼材が通過することもあり、以下の問題点が指摘され、完全密閉化は難しいなどの状況にあった。
- ① 鋼材のサイズが不定であるとともに、その曲がりにも追従しなければならないため、開口部に余裕が必要である。
- ② 溶削スラグが下方に落ちるが、下部の密閉は難しい。密閉化を図るため、まず、鋼材入り側にチェーン状のすだれを設けたり、あるいはエアカーテンを設置するなど試みたが、支障が出て失敗した。
【排煙対策】
- ① 鋼材の移動に追従するように、エアシリンダーで上下する遮蔽板を鋼材入り側に設置した。
- ② 鋼材入り側通過後、フードを密閉できるようにした。
- ③ 鋼材入り側にウオーターカーテンを設置した。
【溶剤スラグ対策】
- ① 装置下部にエアシリンダーで排水できるスラグ回収装置(ウオーターバス)を設置した。
- ② ウオーターバスの水量は、搬送ローラーの下面すれすれにした。
- ③ スラグは急冷されるため、細かい粒状になり、排水とともに排出することができた。
- 排煙(粉じん)の飛散が減少し、特にスカーフィング終了時の排煙の飛散が大幅に減少した。
- ウオーターバスの設置により、周辺のスラグの堆積が減少し、また、設備のメンテナンスがやりやすくなった。
平成2年10月〜平成3年2月
30,000円
無し