製鉄・製鋼・圧延業
コークス炉の炉蓋耐火物の成形ブロック化に伴い、既存炉蓋耐火物の解体作業が必要となった。
従来は耐火物をコンクリートブレーカーを使用して解体していたために、作業者は著しい振動や騒音(96〜106dB)にばく露され、また安全面でも問題点が指摘されていた。(表1参照)
従来の解体作業手順は、ブリックホルダーを取り外すためには、構造上耐火物を解体して、立て込みボルトのナットを外さなければならなかった。
また、炉蓋上で重量30kgのコンクリートブレーカーを不安定な作業姿勢で使う(平均使用時間619分/月・人)ため、腕・手等の痛みを訴える作業者もみられた。
そこで、この振動業務の削減を目標にした作業方法の改善を図ることとした。
改善後の解体作業手順は、自主制作のドリルベースを炉蓋修理台の枠に固定し、炉蓋の表面よりブリックホルダーの取り付けボルトをマグネット式電動ドリルで切削し、耐火物とブリックホルダーを一体で脱落させる方法に改善した。
コンクリートブレーカー使用作業をカットすることにより、振動業務時間がほとんどなくなり、同時に騒音ばく露時間も削減された。
また、ブレーカー使用に伴うヒヤリ事故もなくなり、作業性の向上にもつながった。
昭和63年11月〜平成元年11月
3万円
無し