製鉄・製鋼・圧延業
1,800t横型水圧押出プレスの本体に組み込まれているコンテナー内筒は、継目無鋼管を製造する押出管の品質に影響を及ぼす重要な工具で、使用限度になるとこれを取り外し、新しいものに取り替える必要がある。
従来はコンテナー外筒(重量5,000kg)を昇温炉で550℃まで昇温させ、クレーンでつり上げ、徐々に下降させて内筒(約200kg)に挿入し「焼嵌」する方法(図1)が採られていたが、次のような問題点が指摘されていた。
- ① ワイヤロープのつり環部が焼損落下する可能性がある。
- ② 昇熱物体に接近しての作業のため、火傷の危険性が高い。
- ③ 焼嵌精度調整に時間がかかる上に、手を挟まれるなどの危険性がある。
そこで発想の転換を図り、昇熱物体(外筒)を定盤上に置き、内筒をクレーンで上からコンテナー外筒に挿入し「焼嵌」する方法(図2、図3)に改善するとともに、「焼嵌」精度調整をアルミ板厚調整からハンドル調整に方式を変更した。(写真1、2、図4)
- 本作業に係る危険性がすべて解消され、安全に効率よく作業ができるようになった。
- 従来はクレーン運転士1名、アルミ板厚調整者2名の合計3名の要員を必要としたが、クレーン運転士兼ハンドル調整者1名で作業ができるようになった。
- 「焼嵌」精度がハンドル調整により向上した。
平成元年8月〜11月
材料費約2,500円(1個製作)
無し