輸送用機械等製造業
卓上型両頭グラインダーは、作業や始業点検を行った後、スイッチを切っても、と石が完全に停止するまで7分程度、惰性で回転を続ける。
この惰性回転中、作業者は次の作業に移るので、無人となったグラインダーに他の作業者が近づき、と石に接触しそうになるヒヤリ・ハットや運搬中の材料がと石に当たり破片が飛散する事故が発生した。
そこで、タイマーにより点灯する警報灯を設置したが、と石が露出しているため、十分な対策とはいえず、より完全な安全対策が望まれていた。
グラインダーのスイッチをONにすると自動的に開き、OFFにすると閉まる金属製カバーを製作した(写真38、39)。カバーはグラインダー後方に設けられたモーターの回転により開閉する(図39)。その電気回路を図40に示す。
起動スイッチを押すと、Mg、R2が励磁されて、グラインダーが回転し、カバーが開くとともに運転表示灯が点灯する。また、停止スイッチを押すと、R3が励磁されてMg、R2の励磁を解きカバーは閉まる。
グラインダーのシールドが所定の位置にないとリミットスイッチが働いて、R4の励磁が解かれ、停止スイッチを押したのと同じ状態になる。さらに、セレクトスイッチを点検側にすれば、起動スイッチを押してもMgが励磁されないため、カバーが開いても、グラインダーが回転せず、安全に点検作業を行えるようにした。
なお、モーターにはスプリングリターン式のものを用い、作業中、停電等により電源が遮断されたときはカバーが自動的に閉まるようになっている。
- 停止スイッチを押すと自動的にカバーが閉まるため、惰性回転中のと石に作業者が接触する、材料が当たって飛散する等の危険性がなくなった。
- セレクトスイッチの採用により、誤って起動スイッチを押してもグラインダーが回転しなくなり、安全に点検が行えるようになった。
- 作業中、停電などが発生しても、誤って惰性回転中のと石に接触することなく安全に移動できるようになった。
昭和63年1月〜3月
約15,000円
無し