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工夫・改善事例

コイル状鋼帯の転倒防止装置付保管棚

業種

電気機械器具製造業

動機

当事業場は変圧器の鉄芯を製造している。

鉄芯の材料の鋼帯は、重量150〜800kg、外径600〜900mm、幅90〜250mmのコイル状のまま、立てた状態で保管している。作業時には、数本並べて保管している中から、ホイストクレーンで1本ずつつり上げて供給装置にセットしているが、残った鋼帯は倒れやすく不安定な状態となる。数年前には、倒れた鋼帯に指を挟まれる災害も発生しており、安定して保管できる方法が望まれていた。

内容

この保管棚は、奥に、鋼帯とほぼ同じ幅の二つ折れの転倒防止アーム8本を備えている。

夫々のアームは、上部をベアリングにより回転できるように、下部をガイドフレームに沿って移動できるようにした。

転倒防止アームは、両端を引っ張りバネに結ばれているため、ふだんは手前に飛び出した状態となっている。

保管棚に鋼帯を収納すると、鋼帯とガイドフレームに沿って鋼帯背面のアームが奥に移動する。この時、鋼帯の両側に残るアームが転倒防止の役目をする。

また、収納している鋼帯の中から1本だけを取り出すと、バネの力によりアームが鋼帯とともに手前に飛び出して、左右の鋼帯の転倒防止となる。

アームは、構造的に最も弱い主軸ベアリング部で2倍の安全率を持つように設計した。

効果

  1. 鋼帯の転倒が防止できるようになったため、手指の挟圧災害のおそれがなくなり安全性が向上した。
  2. 鋼帯の収納、取り出し作業における不安定感がなくなり、作業時間も短縮できた。
  3. 鋼帯が保管棚に整然と収納されるようになり、作業場の整頓につながった。

期間

昭和63年2月〜3月

費用

製作費概算 8万円

特許・実用新案申請の有無

無し

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