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改正履歴
半導体製造工程における安全衛生対策を推進するため、昭和61年7月にウエハ等製造工程又はウエハ加
工工程を有する事業場を対象として監督指導を実施するとともに、昭和60年度から2か年にわたり、半導
体製造工程で使用されているガス等の有害性及び使用実態について調査を行ってきたところである。
これらの結果によると半導体用ガスの漏えい、酸・アルカリの飛散、有機溶剤へのばく露等の災害が報
告されている。
このような実態にかんがみ、半導体製造工程における労働災害防止対策を徹底するため、上記の調査結
果等に基づいて、別添のとおり「半導体製造工程における安全衛生対策指針」を定めたので、今後は下記
に留意のうえ、関係事業場を指導されたい。
なお、関係事業者団体に対しては別紙のとおり、本指針の普及、活用を図るよう要請したので了知され
たい。
記
1 半導体製造工程における労働災害を防止するためには、各種設備、装置、保護具等の点検が的確に実
施されることが重要である。このため、安全衛生管理体制を確立するとともに、各種設備、装置、保護
具等の点検について十分な知識、技能、経験を有する者のうちから点検責任者を指名し、日常点検及び
定期の点検を確実に行わせること。
2 半導体製造工程では、本指針の別表1から3(別表1(その1)(その2)、別表2(その1)(その2)
(その3)(その4)、別表3)に示す半導体用ガス以外のガスも使用されているので、これらのガスにつ
いても、その危険・有害性に応じて本指針と同様の対策を講ずるよう指導すること。
3 本指針は、現時点における一般的な半導体製造工程及びそれに使用される半導体用ガスに基づいて定
めたものであるが、関係事業者が、将来、新しい工程、新しい化学物質を開発、導入する場合にあって
も、事前に安全衛生対策を確立するよう指導すること。
別紙
半導体製造工程における安全衛生対策指針について
(社)日本電子機械工業会会長
(社)新金属協会(シリコン部会)会長
新機能化合物半導体懇談会会長
日本半導体製造装置協会会長
高圧ガス保安協会会長 殿
昭63.2.18 基発第82号の2
労働災害の防止につきましては、平素から格段の御理解、御協力を頂き御礼申し上げます。
さて、半導体製造工程における技術革新には目覚ましいものがあり、近年の半導体工業は大きく発展し
ております。しかし、その製造工程においては、これまであまり使用されることのなかった特殊なガス等
の化学物質が導入されており、その使用量も著しく増加している状況であります。このため、それらの化
学物質による労働災害発生の潜在的危険性は、高まっていると考えられます。
このため、労働省では昭和60年度から2か年にわたり半導体製造工程で使用されているガス等の有害
性及び使用実態について調査を行い、その結果に基づいて別添のとおり「半導体製造工程における安全衛
生対策指針」を策定いたしました。
つきましては、半導体製造工程に関しては、この指針に基づいて安全衛生対策を推進されるよう、貴会
会員各位に対し、周知徹底を図られたくお願いします。
別添
半導体製造工程における安全衛生対策指針
第1 目的
この指針は、半導体製造設備が具備すべき基準、材料、容器等の取扱い作業及びメンテナンス作業等
の基準、緊急時の対応等の基本的事項を示すことにより、半導体製造工程における機械設備の本質安全
化の推進、点検体制の確立、作業管理の徹底等を図り、もって労働災害の防止に資することを目的とす
る。
第2 本指針の対象とする半導体製造工程及び半導体用ガス等
1 「半導体製造工程」とは、IC(集積回路)製造工程のチップ製造工程のうち、エピタキシャル成
長、酸化、フォトリソグラフィ、エッチング、不純物拡散、イオン注入、CVD(Chemical Vaper
Deposition)及び蒸着・スパッタの工程をいう。
2 「半導体用ガス」とは、半導体製造工程で使用されるガスのうち、別表1から3(別表1(その1)
(その2)、別表2(その1)(その2)(その3)(その4)、別表3)に掲げるガスをいう。
3 「特殊材料ガス」とは、半導体用ガスのうち主として半導体ディバイスの材料として使用されるガ
スであって、別表1から2(別表1(その1)(その2)、別表2(その1)(その2)(その3)(その4))に掲
げるガスのうち、番号に◎印を付したものをいう。
4 「特殊材料ガス等」とは、「特殊材料ガス」のほか、別表2(別表2(その1)(その2)(その3)
(その4))に掲げるガスのうち、番号に○印を付したものをいう。
第3 各種設備の要件
1 ガス供給設備
(1)半導体用ガスの流れるバルブ、配管等の設備
イ 逃し弁が作動することにより有害なガス、蒸気等が、作業環境に排出されることを防止するた
め、バルブ、配管又は装置に設ける逃し弁は、排ガス系の配管又はダクトに接続すること。
ロ 配管は、点検及びメンテナンスが容易に実施できる配置とすること。
ハ 配管には、ガスの種類及び流れの方向を表示すること。
(2) 特殊材料ガスの流れるバルブ、配管等の設備
イ 自燃性ガス又は可燃性ガスが流れる配管、バルブ、接合部品類、圧力調整器等及びこれらに近
接する部分は、不燃性の材料を使用すること。
ロ 腐食性ガスの容器に使用するガスケット類は、耐食性の材料を使用すること。
ハ 腐食性ガスが流れる配管は、耐食性の材料を使用すること。
ニ 腐食性ガスが流れるバルブ、接合部品及び圧力調整器は、本体及びそれらの構成部分であるナ
ット、フィルター、ダイアフラム等の部品の材料が、耐食性のもの又は表面が耐食処理されたも
のであること。
ホ 配管、バルブ等のガス供給設備は、窒素ガス等の不活性ガスによりパージできる構造とするこ
と。
ヘ 配管、バルブ、継手類等は、接合箇所を少なくすること。
ト ガス漏えいの点検ができない場所の配管は、溶接又は継手で接合しないこと。
チ 特殊材料ガスの流量、圧力等をは握するために必要な流量計、圧力計等の計測装置を適切な箇
所に設置すること。
(3) 特殊材料ガス容器
イ ガス容器は、専用の容器収納箱内に設置すること。
ロ 容器収納箱の材質及び構造等は、次によること。
(イ) ガス容器内のガスが自燃性又は可燃性である場合には、不燃性の材料を使用すること。ま
た、ガス容器内のガスが腐食性である場合には、耐食性の材料を使用すること。
(ロ) 容器収納箱内は、常時排気することにより負圧に保つこと。また、外部との圧力差が一定
値以下になった場合に作動する警報器等を設置すること。
(ハ) 容器収納箱内のガスの漏えいを検知のため、使用するガスに応じたガス検知警報器を設置
すること。
ハ ガス容器の元弁に近接した箇所に、緊急しゃ断弁又は緊急しゃ断装置(自燃性又は可燃性ガス
に係るものにあっては防爆構造のものに限る。)を設置すること。
(4) 半導体用ガス容器の貯蔵
イ 容器の貯蔵設備の主要構造部分は、不燃性(自燃性又は可燃性以外のガスに係るものを除く。)
の材料を使用すること。
ロ 容器は、換気の良い場所に貯蔵すること。
ハ 容器は、充てん容器と残ガス容器を区分して貯蔵すること。
ニ 接触又は混合することにより反応して危険又は有害なガス、蒸気等を発生するおそれのあるガ
スの容器を貯蔵する場合は、それぞれ区画した場所に貯蔵すること。
2 クリーンルーム
(1) 換気系統
クリーンルームの空気の循環は、特殊材料ガス等の容器を設置する場所の排気系統とは別系統
とすること。
(2) 非常口の確保
クリーンルームには、通常の出入口のほかに、緊急時に速やかに安全な場所へ退避することが
できる非常口を設けること。また、非常口を含めた非難経路は、あらかじめ労働者に周知させ、
かつ、労働者の見易い箇所に表示すること。
(3) 換気回数
クリーンルームは、有害なガス、蒸気等が蓄積しないように必要な量の新鮮空気を取り込み、
適切な換気回数を維持すること。
3 各工程別設備
(1) エピタキシャル成長工程
イ 装置のガス配管は、ガス置換用の窒素ガス等の不活性ガスの導入口を備えるか、又は真空排気
が可能な構造にすること。
ロ 反応室は、大気に開放されたときに、特殊材料ガス等の流入をしゃ断するためのインターロッ
ク機構を有すること。
ハ 減圧工程においては、停電時に装置を安全側に停止するために、配管の必要箇所に、常時閉の
バルブを設けること。また、異常時に、直ちに装置を安全側に停止させることができる非常停止
用ボタンを備えること。
ニ ウエハの出し入れ口等有害なガス、蒸気等が発散するおそれがある箇所には、局所排気装置を
設置すること。
ホ 装置のガス配管、ダクト等は、反応生成物が容易に除去できる構造とすること。
(2) フォトリソグラフィ工程
ウエハの出し入れ口等有機溶剤の蒸気が発散するおそれのある箇所には、局所排気装置を設置
すること。
(3) ドライエッチング工程
イ 装置のガス配管は、ガス置換用の窒素ガス等の不活性ガスの導入口を備えるか、又は真空排気
が可能な構造にすること。
ロ 反応室は、大気に開放されたときに、特殊材料ガス等の流入をしゃ断するためのインターロッ
ク機構を有すること。
ハ 減圧工程においては、停電時に装置を安全側に停止するために、配管の必要箇所に、常時閉の
バルブを設けること。また、異常時に、直ちに装置を安全側に停止させることができる非常停止
用ボタンを備えること。
ニ ウエハの出し入れ口等有害なガス、蒸気等が発散するおそれのある箇所には局所排気装置を設
置すること。
ホ 接触により感電のおそれのある部分については、感電を防止するための囲い又は絶縁覆いを設
けること。ただし、使用の目的により露出することがやむを得ない充電部分に係る作業について
は、絶縁用保護具を着用させる等の感電防止措置を講じること。
ヘ 高電圧又は高周波回路
(イ) 高周波電源を有する装置は、扉等を開いたとき電源が切れるように、インターロック機構
を有すること。
(ロ) プラズマ発生室、反応室等は、大気に開放されたときに、高周波の発生をしゃ断するため
のインターロック機構を有すること。
(ハ) 高周波印加電極の冷却水の配管は、接地電位(アース)の経路を通してからしゃへい板の
外に取り出すこと。
(ニ) 装置の電気回路に高圧コンデンサーを有するものは、高圧コンデンサーの電荷を放電させ
るために必要な短絡棒を備えること。
(4) 不純物拡散工程
ウエハの出し入れ口等有害なガス、蒸気等が発散するおそれのある箇所には局所排気装置を設置
すること。
(5) イオン注入工程
イ 装置のガス配管は、ガス置換用の窒素ガス等の不活性ガスの導入口を備えるか、又は真空排気が
可能な構造にすること。
ロ 反応室は、大気に開放されたときに、特殊材料ガス等の流入をしゃ断するためのインターロック
機構を有すること。
ハ 減圧工程においては、停電時に装置を安全側に停止するために、配管の必要箇所に、常時閉のバ
ルブを設けること。また、異常時に、直ちに装置を安全側に停止させることができる非常停止用ボ
タンを備えること。
ニ 接触により感電のおそれのある部分については、感電を防止するための囲い又は絶縁覆いを設け
ること。ただし、使用の目的により露出することがやむを得ない充電部分に係る作業については、
絶縁用保護具を着用させる等の感電防止措置を講じること。
ホ X線が発生する装置には、X線をしゃへいするための覆いを設けること。
ヘ 高電圧又は高周波回路
(イ) 高周波電源を有する装置は、扉等を開いたとき電源が切れるように、インターロック機構を
有すること。
(ロ) 高周波電源印加電極の冷却水の配管は、接地電位(アース)の経路を通してからしゃへい板
の外に取り出すこと。
(ハ) 装置の電気回路に高圧コンデンサーを有するものは、高圧コンデンサーの電荷を放電させる
ために必要な短絡棒を備えること
(6) CVD工程
イ 装置のガス配管は、ガス置換用の窒素ガス等の不活性ガスの導入口を備えるか、又は真空排気が
可能な構造にすること。
ロ 減圧CVD装置の反応室は、大気に開放されたときに、特殊材料ガス等の流入をしゃ断するため
のインターロック機構を有すること。
ハ 減圧工程においては、停電時に装置を安全側に停止するために、配管の必要箇所に、常時閉のバ
ルブを設けること。また、異常時に直ちに装置を安全側に停止させることができる非常停止用ボタ
ンを備えること。
ニ ウエハの出し入れ口等有害なガス、蒸気等が発散するおそれのある箇所には局所排気装置を設置
すること。
ホ 装置のガス配管、ダクト等は、反応生成物が容易に除去できる構造とすること。
(7) 蒸着、スパッタ工程
イ X線が発生する装置には、X線をしゃへいするための覆いを設けること。
ロ 高電圧又は高周波回路
(イ) 高周波電源を有する装置は、扉等を開いたとき電源が切れるように、インターロック機構を
有すること。
(ロ) プラズマ発生室、反応室等が大気に開放されているときには、高周波の発生をしゃ断するた
めのインターロック機構を有すること。
(ハ) 高周波印加電極の冷却水の配管は、接地電位(アース)の経路を通してからしゃへい板の外
に取り出すこと。
(ニ) 装置の電気回路に高圧コンデンサーを有するものは、高圧コンデンサーの電荷を放電させる
ために必要な短絡棒を備えること。
4 排ガス処理装置
(1) 排ガス処理装置の選定は、除害対象ガスの種類、濃度、流量及び圧力、除害設備の処理能力、
除害剤の寿命、前後の装置との関係等の諸条件を考慮して、適切な処理方式及び設備を選定する
こと。
(2) 混合することにより爆発、火災のおそれのあるガス又は有害物が生成するおそれのあるガスの
処理は、別系統とすること。
(3) 自燃性ガス又は可燃性ガスが流れるおそれがある排気ダクトは、不燃性の材料を使用すること。
(4) 装置の仕様で定められたガス以外のガスを流したり、処理能力以上の多量のガスを流さないこ
と。
5 真空装置
有害なガス、蒸気等を使用し、又は発生する装置に接続された真空ポンプの排気系には窒素ガス等
の不活性ガスの導入口を設けること。
第4 材料、容器等の取扱い作業等
1 酸、アルカリ及び有機溶剤の取扱い
(1) 酸、アルカリ及び有機溶剤(以下「酸等」という。)を取り扱う場合、これらの蒸気、ミスト等
が発散し、又は飛沫が飛散するおそれのある作業は、ドラフトチャンバー型、ブース型フード等
の囲い式フードの中で行うこと。
ドラフトチャンバー型、ブース型フード等の囲い式フードの設置が困難な場合には、外付け式
フードの局所排気装置が設置された場所で行うこと。
(2) 酸等の容器又は供給用バルブには、ラベル等を用いて物質名等の表示を行い、使用の際には、
これらのラベル等により物質名等を確認すること。
(3) 混合により発砲して飛散したり、有害なガス、蒸気等を発生するおそれのあるものは、同じ場
所で同時に使用しないこと。ただし、使用する容器の形状又は色を替える等により識別し易いよ
うにしているときは、この限りでない。
(4) 酸等を廃棄する場合には、廃棄口、廃液溜等を定めて、これに廃棄すること。
2 特殊材料ガス等の容器の交換作業
(1) 容器の交換を行う場合には、局所排気装置を有効に稼働させること。
(2) 容器の交換を行ったときは、窒素ガス等の不活性ガスで配管内を置換すること。
(3) 容器の交換を行ったときは、圧力調整器等の容器接続部からのガスの漏えいの有無をリークデ
ィテクター等により点検すること。
第5 設備のメンテナンス等
1 半導体用ガス使用設備等のメンテナンス
(1) 配管、ダクト、バルブ、接合部品等でガス等の漏えいのおそれのある箇所は、定期に点検する
とともに、それらの発錆状況、腐食状況及び反応生成物の析出の有無についても定期に点検する
こと。
(2) 配管、バルブ、接合部品等に使用されているパッキン又はガスケットは、定期に交換すること。
(3) 排ガス処理装置は、フィルターの目詰まり、発錆状況、腐食状況及び反応生成物の析出の有無
を定期に点検すること。
(4) 屋外に設置されている繊維強化プラスチック製の廃液等の貯槽は、経時変化による腐食、亀裂、
紫外線による劣化の状況等、異常の有無を定期に点検すること。
(5) 真空ポンプ油は、定期に交換すること。
2 メンテナンス作業
(1) 半導体用ガス及び酸等を取り扱う機械設備の修理、調整、点検等の作業は、当該作業に必要な
知識及び技能を十分に習得した者に行わせること。
(2) メンテナンス作業を他の事業者に行わせる場合には、あらかじめ、当該事業者と協議して、作
業時間、作業方法、作業手順、異常時の対応等について定めておくこと。
(3) 有害なガス、蒸気等が滞留しているおそれのある装置の内部の洗浄等を行う場合は、あらかじ
め、窒素ガス等の不活性ガスで置換すること。
(4) 装置の内部に付着した有害な反応生成物の除去を行う場合、当該装置に局所排気装置又は減圧
装置が設けられているときには、それらを有効に稼働させること。
(5) 設備、装置、部品等の点検を行った場合又は装置、部品等を交換した場合は、その結果及び措
置の内容を記録し、かつ、保存しておくこと。
3 真空ポンプ油の交換及び処理
(1) 換気の実施
イ 作業時に発生する有害なガス、蒸気等へのばく露を防止するため、局所排気装置等を使用する
とともに、有効に稼働させること。
ロ 局所排気装置等のフードは、有害なガス、蒸気等の発生源にできるだけ近づけること。
ハ 局所排気装置等を設置することが困難な場合は、エアラインマスク等の有効な呼吸用保護具を
使用すること。
(2) 作業方法等
イ 廃油は、速やかに容器に移し替え、密閉すること。
ロ 払拭に用いたウエス等は、丈夫なプラスチック製の袋にいれ、密封すること。
(3) 他の事業者への委託
イ 油の交換又は廃油の処理を他の事業者に委託する場合には、使用した半導体用ガスの種類及び
予想される分解ガス、反応生成物等を記録した書面を交付するとともに、作業方法及び講ずべき
対策等についてあらかじめ打ち合わせること。
ロ 廃油処理を委託する場合には、破損のおそれのない容器に入れ、密封して引き渡すこと。
第6 廃棄物
1 廃棄物及び貯蔵の方法
廃棄物は、種類別に分別し、収集し、及び貯蔵すること。
2 廃液等の貯蔵設備
(1) 廃液等の貯槽の構造は、堅固であること。また、腐食性の廃液を入れる場合は、耐食性の材料
を使用すること。
(2) 廃棄物の容器、貯槽等には、廃棄物の種類の表示を行うとともに、その取扱い上の注意事項を
容器、貯槽等の見易い箇所に表示すること。
(3) 内部の見えない貯槽等は、液面計を設置すること。液面計には、上限を表示すること。
(4) 貯槽等には、廃液が溢れ出た場合に床等に拡散し、又は地下に浸透するのを防止するための措
置を講ずること。
(5) 廃液の移し替え作業等を行う場所には、シャワー、洗眼器等を備え付けること。
3 移し替え作業
(1) 一時的に貯蔵した廃液等を運搬する場合は、運搬中の転倒防止措置又は溢れ出し防止装置を講
ずること。
(2) 廃液等を集中貯槽に移す場合は、自動ポンプ等を利用する等安全な方法で移し替え作業を行う
こと。
第7 緊急時対策
1 ガス検知警報設備
(1) ガス検知警報設備は、次の事項に留意して選定すること。
イ ガス検知警報器の信頼性
ロ 検知限界(検知濃度)
ハ サンプリングポイントの場所
ニ 緊急しゃ断の方法
ホ 日常点検・保守の方法
(2) ガス検知警報設備の設置場所
ガス検知警報設備は、クリーンルーム内のガスの滞留するおそれのある場所、容器収納箱の内
部、吸引ダクトの内部等漏えい箇所を速やかに特定できる場所に設置すること。
(3) 予備電源
ガス検知警報設備には、予備電源を確保すること。
2 緊急しゃ断弁又はしゃ断装置
特殊材料ガス等の供給経路には、それらが漏えいした場合に供給源をしゃ断するための緊急しゃ断
弁又は緊急しゃ断装置を設置し、安全な場所において操作できるものとすること。
3 異常時の対応
特殊材料ガス等が漏えいした場合は、検知器の作動状況等によりガスの漏えい箇所を特定し、直ち
にその箇所に最も近い緊急しゃ断弁を閉止すること。
4 火災報知設備及び消化設備
(1) 火災の発生を早期に検知し、発生箇所を特定することができる火災報知設備を設置すること。
(2) 消化する対象に応じた消火設備を設置すること。
5 酸素欠乏症の防止
(1) 不活性ガスが流れる配管、バルブ等には、流れるガスの名称、流れの方向又はバルブの開閉方
向を表示すること。
(2) 安全弁から排出される不活性ガスは、通風又は換気が不十分な場所に放出しないこと。
(3) 不活性ガスが流入するおそれがある場所には、不活性ガスを放出することができる設備を設け
ること。
(4) ピット等通風の不十分な場所において不活性ガスの配管工事を行う場合には、配管から不活性
ガスが流出しないように確実にしゃ断すること。
(5) クリーンルーム、その他不活性ガスが流出した場合において、酸素欠乏の発生の危険のある場
所については、酸素欠乏症等防止規則に準じて酸素欠乏危険作業主任者を選任すること。
6 作業規程の整備
異常な事態が発生した場合における応急の措置について、作業規程を作成すること。
第8 保護具
1 保護具の使用
(1) 次の作業を行う場合は、呼吸用保護具、顔面保護具、保護衣又は保護手袋等の保護具を使用し
て作業を行うこと。
イ 各種プロセス装置のクリーニング、オーバーホール等の作業
ロ 真空ポンプ油の交換又は処理の作業
ハ 廃棄物の移し替えの作業
ニ 酸等の取扱いの作業
(2) 保護手袋は、不浸透性かつ耐薬品性のものを用いること。
(3) 顔面保護具は、顔面フード又は保護眼鏡を使用すること。
(4) 保護衣は、皮膚の露出部を十分保護できるものを使用すること。
(5) 緊急時に使用する呼吸用保護具は、空気呼吸器を使用すること。
2 保護具の備付け
(1) 保護具は、同時に就業する人数と同数以上を備え、常時有効かつ清潔に保持すること。
(2)空気呼吸器は、緊急時に直ちに使用できる場所に備え付けること。
第9 健康診断
労働安全衛生関係法令及び通達で定める健康診断については、その適正な実施を図るほか、それらの
対象とされていない有害な物質についても、その人体に及ぼす作用、ばく露を受けた労働者の愁訴等に
着目して、医師による特別の健康診断項目を実施すること。また、これらの有害な物質が漏えいした場
合、関係労働者が汚染され、又はそれらを吸入したときは、緊急に医師による特別の健康診断を実施す
ること。
第10条 教育訓練
労働省の雇入れ時及び作業内容変更時には、作業内容に応じた安全衛生教育を実施するほか、全労働
者、工程管理担当者、設備保全担当者等の職務に応じ教育・訓練を行うこと。
別表1 水素及び水素化物の物理的及び化学的性質(その1)(表)
別表1 水素及び水素化物の物理的及び化学的性質(その2)(表)
別表2 ハロゲン及びハロゲン化物の物理的及び化学的性質(その1)(表)
別表2 ハロゲン及びハロゲン化物の物理的及び化学的性質(その2)(表)
別表2 ハロゲン及びハロゲン化物の物理的及び化学的性質(その3)(表)
別表2 ハロゲン及びハロゲン化物の物理的及び化学的性質(その4)(表)
別表3 その他のガスの物理的及び化学的性質(表)