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改正履歴
自動車整備業においては、粉じん作業、有機溶剤業務等の有害業務が行われており、粉じん障害防止規
則、有機溶剤中毒予防規則等の規定に基づき作業環境改善対策が実施されているが、必ずしも当該対策が
事業場において効果的に実施されていない面があることから、作業環境を改善するための具体的手法の明
確化が要望されていたところである。
このため、昭和59年度に中央労働災害防止協会を通じ、専門家による自動車整備の作業工程における
総合的作業環境改善対策に関する研究を実施したところであるが、その結果等を踏まえ、今般、作業環境
改善対策を進める上での留意点を中心に「自動車整備業における作業環境改善手法」を別紙のとおり取り
まとめた。
ついては、自動車整備業に対する作業環境改善のための指導を行うに当たっては、下記に留意のうえ本
作業環境改善手法を十分活用されたい。
なお、本作業環境改善手法は、自動車整備業における一般的な工程について取りまとめたものであり、
本手法に示す有害要因以外のものに係る作業環境改善対策については、事業場の実態に応じた指導を行う
よう配慮されたい。
おって、前記の調査研究の報告書を併せて送付するので参考とされたい。
記
1 本作業環境改善手法は、自動車整備を行う事業場で働く労働者の健康障害を防止するための対策につ
いて、作業環境改善対策を中心に主要な対策及びこれを実施する上での留意点を示したものである。
2 「工程のフローチャート」は、自動車整備の作業工程のうち代表的な工程である車検整備工程及び補
修塗装工程について、その概略を示したものである。
3 「有害要因別対策」は、自動車整備業における主要な有害原因である[1]粉じん(石綿を除く。)、
[2]石綿、[3]有機溶剤、[4]騒音及び[5]有害光線について、主要な対策及びこれを実施する上での留意
点を示したものである。
別紙
自動車整備業における作業環境改善手法
目 次
1 工程のフローチャート
(1) 車検整備システムフローチャート
(2) 補修塗装の作業工程フローチャート
2 有害要因別対策
(1) 粉じん
(2) 石綿
(3) 有機溶剤
(4) 騒音
(5) 有害光線
1 工程のフローチャート
(1) 車検整備システムのフローチャート
[1] 脱着作業
・タイヤ
・ブレーキドラム
・ブレーキシュー
・マスタシリンダ、ホイールシリンダ
・ホイールベアリング、アームリンケージ
[2] 洗車
・下回り各部
・エンジンルーム
脱着部品洗浄(連携作業)
・ベアリングリース、リンゲージパーツ
[3] 下回り整備、組み付け、給油脂
・ブレーキドラム、ブレーキシュー
・マスタシリンダ、ホイールシリンダ
・ブレーキホース、ブレーキ液交換
・エンジンオイル、ミッションデフオイル
・下回り各部整備
・シャーシブラック、保安ペイント(下回り塗装)
・タイヤ
[4] エンジン整備
・エンジン調整
・エアーエレメント、フュエルエレメント
・タペット調整
・灯火、計器回り
[5] 試運転、完成検査(検査員)
(2) 補修作業の作業工程フローチャート
水洗い
↓
清掃……………………………溶剤性クリーナーで補修箇所をふく
↓
旧塗装の剥離…………………ディスクサンダー又は剥離剤で塗膜剥離
フェザーエッチング……………部分補修箇所の段落し作業
↓
金属表面の処理………………露出した鉄板にリン酸亜鉛系処理剤を塗布
ポリエステルパテの塗布………比較的浅い傷のある場合はポリパテで埋める
研磨
↓
マスキング
↓
清掃…………………………エアーダスタでホコリを取り、シンナーでふく
↓
フラサフ塗布…………………2回〜3回シングルコート(あるいは部分塗布)
↓
研磨…………………………水研ぎ、空研ぎ
↓
コンパウンドがけ……………フェザーエッジ周辺のペーパー目除去のため
↓
ラッカーパテ塗布……………小さい傷が残っている場合、ラッカーパテを塗布
↓
研磨…………………………空研ぎ、水研ぎ
↓
清掃…………………………シンナーによる清掃
↓
マスキング
↓
タックラグ
↓
上塗り塗布
↓
乾燥
↓
コンパウンド…………………ラッカー系塗料はコンパウンド仕上げをする。
↓
仕上り
2 有害要因別対策
(1) 粉じん (表)
(2) 石綿 (表)
(3) 有機溶剤 (表)
(4) 騒音 (表)
(5) 有害光線 (表)