近年の第三次産業に属する企業の増加に伴って、その従事労働者数は年々増加の傾向にあり、労働災害の発生もまた増加傾向が見られる。
昭和62年の労働災害の発生件数を度数率で見ると、建設業2.55、製造業1.49であるのに対して、ビルメンテナンスは3.56と高い発生率である。また、従事者に占める高齢者層の割合が他業種に比べ高いこと、職場が分散するため管理監督が行き届かないこと、などの問題がある。
この報告書は、昭和60年の一年間にビルメンテナンス業で発生した労働災害のうち2,027件について、労働者死傷病報告書に基づき分析・集計して災害の実態と原因等を明らかにし、次に、災害防止対策について、安全衛生体制、設備・作業環境の安全化、安全な作業方法の確立、教育・訓練、緊急事態発生時における措置等について検討した結果が記されている。
また、資料として、死傷病報告に基づき、企業の規模、被災者の職業・作業の種類・性別・年齢、災害起因物、事故の型、不安全な状態・行動等について分析した結果、及び災害事例が添付されている。
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