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調査研究情報

職域におけるがん検診方策決定のための判断分析的研究

調査研究機関・研究者名
  • 中央労働災害防止協会
  • 職域がん検診研究会
  • 代表研究者   中村 健一(昭和大学医学部衛生学教室 教授)(当時)
内容

職域がん検診研究会は中央労働災害防止協会からの委託により平成6年度に事業場におけるがん検診の実施状況調査とがん検診導入の医療経済的評価を行った。それに続いて平成8年度に同じく中央労働災害防止協会からの委託研究として以下の研究項目について検討した報告である。
1)胃がん検診項目としての血清ペプシノーゲン検査と胃透視検査の感度比較
2)外来受診例にみる精密検診受診率の変動と感度からの医療経済的評価

検討の手法は、血清ペプシノーゲンによる受診率100%のスクリーニング、胃透視検査で受診率13.8%のスクリーニング、胃透視検査で受診率100%のスクリーニングの場合について、それぞれの検診の感度を設定し、スクリーニングによる早期胃がんの発見率、検診で見逃されるかまたは未受診で進行胃がんとして発見される率を想定し、各場合の検診費用、治療費及び治療に伴う労働損失を推定して検診の実施効果を求めた。その結果、実施効果は30歳〜60歳以上の間で高齢化によって低下し、男性では23.76〜1.21倍、女性では23.96〜2.70倍であった。

外来受診例について、精密検診受診率を変動させた場合の感度から推定した費用分析においては、40歳代と50歳代の男性について、胃がんの精密検診受診率を10%〜100%の間で10%刻みで、大腸がんの精密検診受診率を1〜10%の間で1%刻みで変化させたときの総費用を、集団検診、個人検診及び有症状受診の3つのプログラム間で比較検討した。胃がんについての総費用は両年代群ともに集団検診が最も費用が少なく、個人検診が最も費用が大きくなった。大腸がん検診については両年代とも個人検診が総費用において最低となり、集団検診が2番目であった。40歳代では検査の費用が総費用の大部分であったが、50歳代では治療費が最も多く、労働損失がこれにつづいた。

これらの検討を通じて、胃がんの集団検診とともに大腸がんの個人検診の有効性 が示された。

目次
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発行年月
平成8年度(平成9年3月)
備考
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<ご利用する際の留意事項>

各年度に掲載されている報告書等の問い合わせ先等は、報告書等を作成した時のものです。

平成22年度までの調査研究情報は、厚生労働省の委託事業で掲載したものです。

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