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調査研究情報

過敏性起因物質に対する労働衛生対策について

調査研究機関・研究者名
  • 中央労働災害防止協会
  • 研究代表者   相澤 好治(北里大学医学部衛生学公衆衛生学 教授)(当時)
内容

職域における化学物質過敏症は、原因物質の同定や許容濃度の設定が困難であり、かつ宿主側の要因の個人差が大きい。本報告書は、このような化学物質過敏症に対する予備的な調査として、英国HSEが1994年に発行した「職業性喘息防止マニュアル」を翻訳するとともに、平成8年度に国内において職業性呼吸器疾患の診断や治療に当たっている専門家422人にアンケート調査票を送付して、過去5年間に経験した職業性呼吸器疾患の種類と数を集計した。更に、化学物質過敏症の原因物質を同定する実験的な手法として、石灰石粉末を添加して行う細胞磁界測定の有効性について検討した。

HSEの「職業性喘息防止マニュアル」は呼吸器の感作の説明、一般的呼吸器感作物質リスト、事業場における予防の雇用主責任、実践的アドバイスを含んでいる。感作物質としてイソシアネート類、無水フタル酸類、コバルトやクロムなどの金属の他に、穀粉、動物の尿や毛皮、ヒマラヤ杉やアフリカチークなどの木材、植物、酵素類、微生物も含まれている。予防対策として曝露モニタリング、個人保護具の使用が示されている。また作業者の感作を調査するための調査票のモデルが含まれている。

 国内における職業性呼吸器疾患を調査した範囲で、過去5年間に検出された過敏性呼吸器疾患数は、過敏性肺臓炎10例、気管支喘息53例であった。化学物質の細胞障害性評価の手法としての細胞磁界の測定については、基礎的研究を行った段階であり、その実用性については検討が継続されるとしている。

目次
  • 研究結果の概要
  • 職業性喘息防止マニュアル(翻訳)
  • 職業性呼吸器疾患全国調査予備調査結果
  • 細胞磁界測定による細胞障害性評価の基礎的実験
発行年月
平成8年度(平成9年3月)
備考
-

<ご利用する際の留意事項>

各年度に掲載されている報告書等の問い合わせ先等は、報告書等を作成した時のものです。

平成22年度までの調査研究情報は、厚生労働省の委託事業で掲載したものです。

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