中小規模事業場において発生する労働災害が労働災害全体に占める割合は非常に高く、労働災害全体の80%以上が1〜99人規模の事業場で発生しており、死亡災害にあっても約80%が同じく1〜99人規模の事業場で発生している。したがって、我が国の労働災害をなくしていくためには、中小規模事業場における安全衛生活動の促進を図ることが、重要な課題である。
中小零細企業においては、資金、技術、要員、従業員教育、労働環境、労働条件等、種々の面で大企業に比し不利な点があり、このため、労働災害面では非常に問題の多い分野である。これらの要因の中には、短期的には解決できない問題も多いが、まず、第一に経営者が労働災害防止に対してどのような意識をもっているかということが、極めて重要な点である。
本調査は、このような観点から、中小零細企業の経営者の労働災害防止についての意識及びそれに基づいた活動実態を主にし、さらに、従業員側の意識、評価を副次的に調べたものである。データ数等日本の中小零細企業の全体を論ずるには、不十分な部分もあるが、その一端を知るには有用な資料である。調査の内容は、次の11項目である。
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