中央労働災害防止協会は平成5年2月から平成7年3月にかけて労働省の委託により表記の課題について委員会を設置して調査研究を行った。本書はその委員会報告書である。この研究の目的は、じん肺の診断に当たって、胸部単純X線写真のみでは必要な情報が得られない症例に対して、コンピューター断層撮像(CT)の利用による正確なじん肺診断の可能性を検討することにある。
本研究では実際にじん肺の胸部単純X線正面像とCT像について専門家による合同読影実験に基づくCT撮像の読影基準を作成した。そのためにCT撮像の条件を標準化し、撮像の読影における所見用語を統一し、胸部単純X線正面像とCT像の収集を行った。またじん肺CT像の文献レビューも含んでいる。じん肺診断におけるCT使用ガイドライン試案、実際にCT撮像を行うときの標準記録シート、記録シートに記載するための所見分類、胸部単純X線写真とCT像の所見記載表を示し、実際にCT撮像を試みる医師のための具体的な指導書となっている。
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