引火性液体の爆発災害を防止するためには、まず危険性の有無を正確に予知することが第一であり、それには各液体の爆発温度範囲についての知識及び具体的なデータの収集等が必要である。
この報告書は全8章からなり、第2章で引火性液体による火災及び爆発の発生条件や予防条件を、容器内に存在する液体と気体の共存状態に応じて解説し、また、密閉容器における爆発危険性を爆発温度範囲の概念から説明している。
第3章では、引火性液体が使用される環境温度と危険性との関係を示し、環境温度を5種類の区分に分けると取扱上有効であることを示している。そして、実用上重要な50種類の液体を抽出し分類している。
第4章では爆発限界温度を爆発限界、JIS引火点及び沸点から推算する方法について述べている。なお、爆発限界の値は実測値を用いる場合と分子式や燃焼熱から求めた推定値を用いる場合を示したが、爆発上限温度については推定値の信頼性が比較的小さい。
第5章では、これまでに公表されているデータを基にJIS引火点と気液平衡との関係を調べ、これらの気液平衡データから2成分混合液のJIS引火点を推定する方法を検討している。
第6章では、多成分系混合液のJIS引火点からの爆発下限温度の予測、爆発下限温度からの爆発上限温度の予測について述べ、更に、引火性状が不明の場合の簡易試験法を紹介している。
第7章では、作業現場で実行しうる具体的な爆発防止対策が記述され、また、ガス検知の具体的方法及びその際の注意点等について述べている。
第8章では、重合爆発を防止するため、重合爆発機構の概要、及び重合性液体の取扱上の注意事項についてまとめている。
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