学校給食事業における安全衛生管理については、労働省より昭和48年に「学校給食事業における安全衛生管理要綱」が通達され、これに基づき労働災害防止対策が推進されてきたが、既に20年を経過している。この間、調理現場においては、共同調理方式(センター方式)へ移行する調理場が増え、調理機器、設備等も大きく変化し、作業内容も変化してきている。
一方、労働災害については、依然として「手足の切傷」、「火傷」及び「腰痛」などが発生するとともに、「指曲がり症」の発生についても指摘されており、安全衛生管理対策もいまだ十分とはいえない状況である。
このようなことから、中央労働災害防止協会では平成5年3月に「学校給食事業における安全衛生管理対策調査研究委員会」を設置し、検討を開始した。まず、職場環境の実態及び労働災害の発生状況等について、アンケート調査及び調理現場の実態調査等を実施した。この結果を踏まえ、実態に合いかつ効率よく実施できる安全衛生管理対策について検討し、この度、「学校給食事業における安全衛生管理対策調査研究委員会報告書」として取りまとめたものである。
本報告書は、アンケート調査結果について安全衛生管理の状況、健康診断の実施状況、安全衛生教育、労働災害の発生状況、調理場の施設等について分析するとともに学校給食事業における災害発生事例21件を掲げている。
これらの検討結果等に基づき、安全衛生管理体制、労働者の危険または健康障害を防止するための措置、快適な職場環境の形成などを柱とする「学校給食事業における安全衛生管理要綱」(案)を提示している。
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