この報告書は、作業職場において機械設備が関与して発生する労働災害を防止するための基本的考え方として、「安全確認型システム」を取り上げ、同システムの職場における導入事例、理論体系等を取りまとめたものである。
第1章は「総論」として、自動機械設備での災害発生状況及びその災害要因を紹介し、また、安全を確保する上での技術的課題を示している。
第2章は「安全とは何か」、「安全を構築する上で何が重要か」など、安全に対する基本的な考え方を示している。また、欧州統一規格EN60204などを例にとり、安全とは理論的に立証されてこそ安全であり、安全を立証できないものは、その規格の認証を得られないとする認証制度を紹介している。
第3章は、「安全が確認されて初めて安全である」とする安全確認型システムの考え方を、従来から使用されてきた危険検出型システムと対比させながら解説している。
第4章では、「安全確認型安全装置の具体的利用例」として、一般産業機械における利用、特にプレス機械、鉄道、化学プラントでの利用を例に挙げて説明している。
第5章では、安全確認型システムを構築する上で欠くことのできないスイッチやセンサについて解説し、更に機械設備の運転で特に重要である再起動防止制御について詳しく述べている。
第6章ではむすびとして、統一欧州規格における安全の概念と安全確認型システムにおける安全の考え方との位置付け、今後の課題を述べている。
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