本報告書は、若年労働者との混在職場の現状と問題点をアンケート調査で把握し、 その結果を踏まえた「混在職場の労働災害防止のための対策」をまとめたものである。少子高齢社会の進展や定年の延長に伴い、高年齢労働者の就業がますます増加し、各職場における高年齢労働者の占める割合が増加していくことが見込まれる。 そして高年齢労働者は、若年労働者と比べ労働災害の発生率が高いため労働災害の増加が懸念される。
今後は、若年労働者と高年齢労働者が混在で同じ作業に従事することを踏まえた安全衛生対策を講じていく必要がある。こうした問題意識の下に、混在の傾向、混在職場における就業、安全上の配慮事項、実施事項等について混在の実態等を明らかにし、高年齢労働者の能力発揮、生産性・実用性等も考慮に入れ、高年齢労働者と若年労働者が混在して働く職場における労働災害防止のための基礎的な対策をたてることを目的に研究されている。混在職場に関しては、高年齢労働者の現状を踏まえ、混在職場の問題を長所、短所にまとめて捉え、効果的に運営するための課題 が提示されている。混在職場の実態調査は、A,B,Cのグループに分けてアンケート調査が行われ、結果が詳しく数値で報告されている。年齢差に関する要因が事故発生の原因になるかをデータで検討した結果、事故発生原因から混在職場の問題が指摘されている。個人差もあるが、年齢差による自己の知識・能力の過信の差が事故発生の原因になりやすいこと、また新しい設備・操作・安全教育の理解度の差も原因になりやすく、年齢差が大きいことを考え合わせると改善方法を考える必要があると報告している。
最後に混在職場の安全確保のためのポイントとして、31の項目を挙げている。 アンケート回答、ヒアリング回答、混在職場の安全確保のための基本視点のポイント集が付属資料につけられている。
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