現代社会の先進性は、様々な分野で利便性・快適性を向上させてきた反面、人間のこころとからだに対するストレスを益々増幅させている。このような環境化において、労働者のこころ(メンタル)とからだ(フィジカル)の健康的条件を管理し健康的生活の確立を図ることは至急の命題となりつつある。特に今後、労働者の職業生活が一層精神的負担比率の大きい作業態様に変化することが予測される中、この精神的負担を客観的且つタイムリーに評価できる手法の確立とその結果から導かれる効果的な対策の提供が、その後の労働者の健康的職業生活全般に大きく寄与するものと思われる。本研究は、平成7年度より行ってきた研究の実績を踏まえ、平成10年度に実施した研究内容についてまとめたものである。
今回は研究を続けてきたストレス度の客観的測定法を、具体的な「こころのゆとり度測定システム」という実験機器としてハード・ソフト面を完成させ、将来の労働者のための効果的なストレスマネージメントツールとして、その採用の可能性について実証を重ね、システム実用化を検討している。
ストレス測定システムの定義として[1]心理計測 [2]パフォーマンス計測 [3]生理計測の技術が研究されている。また心理計測の中で理論の根拠となる心拍ゆらぎについて詳細に述べられている。測定システム機器の定義については図解、写真も取り入れ、わかりやすく説明されている。
参考資料として今回のテーマ「心拍ゆらぎ=RRV軌跡図」による心のゆとり度評価方法について、RRVの計算方法、軌跡分布に関するたくさんの図を載せて判断方法を説明している。
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