平成10年度に労働省が実施した調査で、豊能郡美化センターで焼却作業等に従事する労働者の一部から一般住民と比べ高濃度の血液中ダイオキシン類濃度が検出されたことから、労働省は、平成11年度に全国の廃棄物焼却施設について実態を把握するため、「清掃業等におけるダイオキシン類等の労働者へのばく露実態の把握に関する調査研究」の実施を中央労働災害防止協会(中災防)に委託した。
中災防は、本調査研究を実施するに当たり、ダイオキシン類による健康影響を調査研究する委員会(略称;健康影響調査委員会)及び作業環境の実態を調査研究する委員会(略称;作業環境調査委員会)の2つの委員会を設置し、この問題の調査研究を行うこととした。また、聞き取り調査や採血等の実施については、産業医学総合研究所、労働福祉事業団、各労災病院及び東京農業大学の協力を得た。
本報告書は、平成11年度に実施した12施設の労働者の血液中ダイオキシン類濃度の分析結果等を、健康影響調査委員会において取りまとめた報告書である。
調査内容は、1)医師による問診等、2)作業歴調査、3)アンケートによる健康調査、4)皮膚科医師による皮膚視診、5)血液検査、6)作業歴に基づく調査対象者の分類より構成され、その結果が報告されている。
ダイオキシン類濃度と作業状況として、1)作業群間の血中ダイオキシン類濃度の関係や、2)焼却施設内作業に従事した期間と血液中ダイオキシン類濃度の関係、3)呼吸用保護具の使用状況と血液中ダイオキシン類濃度の関係が検討された。また、ダイオキシン類濃度と健康状況等では、1)生活歴調査との関係、2)年齢及び健康影響との関係が検討された。参考資料として、採血票、作業歴聞き取り調査票、健康調査票が添付されている。
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