平成8年度に中央労働災害防止協会が、学識経験者および業界代表者から構成される「ガラス繊維等の疫学的調査に関するデータベースの作成および有害性試験のための標準試料作成方法の研究委員会(略称;ガラス繊維等委員会)」を設置し、最終年度となった平成10年度に、3カ年間の調査研究活動がまとめられた。
内容は1)リスク判定のための有害性試験のための標準試料の作成、2)石綿代替繊維の有害性情報を収集しデータベースの作成よりなる。
作製したJFM標準繊維試料はグラスウール、ロックウール、マイクログラスファイバー、セラミックウール3種類、炭化珪素ウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、二酸化チタニウムウィスカ、ウォラストナイトの10種類で、関係団体に配布し毒性試験を行った。これらのJFM標準繊維試料を用いてin vitroおよびin vivo生体影響研究の発表された論文は39報であり、それらの研究発表成果リストと要約が掲載されている。
データベースの作成に関しては、硝子繊維協会、セラミックファイバー工業会、炭素繊維協会、日本化学繊維協会、日本石綿協会、ロックウール工業会、ウィスカ懇話会の関連会社を対象として、どのような情報提供を希望するかのアンケート調査を行い、結果が報告されている。
Fiber WebCD―ROM版として1枚CD−ROMが同封されている。これは「ガラス繊維等の疫学調査研究に関するデータベースの作成及び有害性試験のための標準繊維の作成方法の調査研究」と題されている。内容には、関連電子化書籍として「THEASBESTOSせきめん読本」「石綿スライド集所見入力」「石綿および代替繊維写真集」「産業保険用語集」「日本のじん肺対策」「石綿を安全に使用するための実施要項」「石綿にかかる法規等:石綿、せき綿製品を取り扱う立場から」が入っている。生体影響評価試験は実験プロトコール関連事項が、情報検索は繊維状物質文献リスト、 繊維状物質文献データ検索が入っている。関連機関リンク集として、文献、データベース、出版、政府関係、産業保険関連研究機関、日本産業衛生学会、産業医大、産業保険関連機関、全国労働安全衛生センター連絡会等が一覧できるようになっている。
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