事務作業のOA化によって事務処理・情報処理の内容と形態が変化するに伴い、オフィス空間の必要条件も変化した。本書は昭和63年から平成元年にかけて中央労働災害防止協会がオフィス環境に関する調査研究委員会を設置して、新しいオフィスに求められる設計、設備、機器などのハードと、快適性・居住性などのソフトの両面に亘る要素を挙げて検討した結果報告である。情報収集は既に出版されている国内外の論文・報告書・規格・総説によっているが、各要素毎に現状認識と課題を明示し、対策を提言している。章毎に参照文献の一覧表が添付されている。昭和47年に「事務所衛生基準規則」が施行されたが、その内容の見直しの必要性を提示した内容となっている。
本委員会で検討した事務所の要素は、安全衛生面から見たオフィス空間の構成要素、空調と喫煙、光環境、音環境、家具・什器、事務機器、内装材等、付帯設備等、防災管理、施設管理、快適性に亘っており、全体として事務の遂行のみでなく、作業者の精神的、生理的及び人間工学的な面からの発想で疲労防止、快適性、健康と人間性を追求する立場が強調されている。
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