超高圧のウオータージェットを利用して材料を切断加工する機械は、ポンプの高圧化に伴ってその応用範囲が急速に広がっているが、超高圧のエネルギーを内蔵するため、運転時における噴流の破壊力や容器・部品などの破損、あるいは修理・点検時における不意の高圧水の突出などで作業者が被災するおそれがある。
この報告書は、日本ウオータージェット学会が中央災害防止協会の依頼により、ウオータージェット加工機の構造と使用の実態、今後の動向について調査研究を行い、安全衛生上の問題点について検討したものである。
第1章は、ウオータージェット加工技術の沿革、特徴と応用分野、加工のメカニズム等が述べられ、第2章でウオータージェット加工機器(プランジャーポンプ、増圧機、超高圧ホース及び継手金具、また、産業ロボットによるウオータージェット加工、NC切断装置によるウオータージェット加工)が解説されている。第3章で同加工機の使用の実態を述べているが、それによると、ウオータージェット加工技術は加工物に作用する力が局所的、衝撃的で横方向分力がほとんど働かないこと、水の持つぬらしと洗浄作用を伴うこと、加工点の温度が低いことなどの特徴があるため、多様な工業の分野で採用され、将来多くの期待をもてる先端技術である。第4章で安全上の注意事項が記されているが、それによれば、加工作業上の注意として、(1)ノズルの目づまりによる危険、(2)加工中に加工物から跳び返ってくるひまつ(水滴あるいは砥粒)による危険など、また、超高圧ホースによる危険として、ホースと継手金具のはずれ、破損、高圧水の残留による危険がある。
付録として、日本ホース金具工業界団体規格「液圧用樹脂ホースアセンブリ取扱基準」が添付されている。
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