製鉄・製鋼・圧延業
A4鋼板サンプル上にコーティングバーを使って皮膜テスト溶液をコーティングしていた。
皮膜テスト溶液は有機溶剤を含むものであり、またコーティングバーの洗浄液にも有機溶剤が含まれている。
局所排気装置は設置していたが、作業場の制約から密閉型にはできず、マスク着用の上での作業であった。また、中腰作業のため腰への負担も大きかった。
作業環境の改善と中腰作業をなくすため、「自動塗布装置」と「自動バー洗浄装置」を考案した。
自動塗布装置は、空気圧によるアーム押付けとモーター駆動によるアーム走行によって、従来のコーティング作業を自動化したほか、装置の下部に局所排気装置を設置することにより、作業者への有機溶剤のばく露を著しく低減させるよう配慮したものである。
また、自動バー洗浄装置は、チェーン駆動による循環式連続洗浄方式としたもので、バーをセットして、スタートボタンを押すと、走行チェーンが駆動し、超音波洗浄槽でバーを洗浄した後、乾燥、取り出しと自動的に作業が進行するようにしたものである(図)。
超音波洗浄槽内には引火性の有機溶剤が入っているが、この装置は、密閉型になっており、上方から溶剤の蒸気が吸引されるようになっている。なお、この有機溶剤は沸点が約60℃であるが、槽内の温度が35℃を超えると温度センサーが感知し、自動停止する機能を備えている。
自動化と効果的な局所排気装置の設置により、作業環境が著しく改善されたとともに、中腰作業をなくすことができた。また、塗布作業は精度が求められるものであるが、自動塗布装置により作業精度も向上した。
平成5年12月〜平成7年5月
197万円(自動塗布装置117万円、自動バー洗浄装置80万円)
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