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工夫・改善事例

高所作業用中折れ式安全柵

業種

一般機械器具製造業

動機

土木作業用車両の製造における回転車台(以下「ワーク」)の溶接作業には、大型のユニバーサルポジショナーを使用する。この溶接作業は、ワークを縦横両方向に回転させるので、種々の姿勢で行われている。

この場合に、地上3mの高所作業床には、ワークとの干渉を避けるため、前部に転落防止柵のない開口部分があるが、固定柵の取り付けは不可能であり、従来は脱着可能な鎖等を取り付けていた。しかし、十分なものとは言えず、常に転落の危険性があった。そこで、本格的な安全柵を考えることとした。

内容

作業床前部の開口部分をふさぐために、ワークの種々の姿勢に合わせて、ガイドレールに沿って開閉する中折れ式の安全柵を考案した。

この安全柵は、柵の基部(開き端)に取り付けたロータリーアクチュエーター(動力は、圧力2〜3kg/cm2のエア)の回転運動によって開閉する。また、ポジショナーの作動と連続して柵の開閉が行われるように、柵の作動の制御機構がポジショナーの制御機構中に組みこまれている。すなわち、柵の「開き」作動は、ポジショナーの運転ONの信号で開始し、その終了を開き端にある近接スイッチで検出した後に、ポジショナーの作動が始まる。

次に、柵の「閉じ」作動は、ポジショナーの作動がOFFになると、柵はワークに接触するか、または閉じ端まで進んで停止する。要するに、柵が開いているのは、ポジショナーの作動中、すなわち作業者が作業床に不在の場合だけである。

なお、柵が不用意に開かないように、「開き」の信号がない限り、常に「閉じ」側にロータリーアクチュエーターを加圧している。

また、閉じている場合には、人力では開かない程度の力が作用しているが、万が一、作動時に作業者が挟まれても、多少の圧迫を受ける程度である。さらに、作業者が柵に倒れかかっても、外れたり、折れたりしない強度を柵に持たせている。

効果

  1. この安全柵の設置により、高所作業床に開口部分がなくなったので、転落の危険性が排除された。
  2. 安全柵の開閉は、ポジショナーの操作と連動しているので閉じ忘れはなく、また「閉じ」作動中は加圧しているので作業者が任意に手で開けることはできない。
  3. この安全柵は、ワークの形が種々変化する場所の安全柵としても活用が期待できる。

期間

昭和63年8月〜11月

費用

約30万円/台

特許・実用新案申請の有無

無し

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