一般機械器具製造業
ダイカスト作業は従来から、金型保護のために作業をする前に金型にガスバーナの火炎を15〜20分間あて加温予熱している。このためガスボンベを作業場の近くに設置しているが、火災、爆発の危険性があるとか、あるいはガスバーナーで金型を加温している作業中にバーナーのナットがゆるみ、作業者の方向に火炎が放射され火傷しそうになった等のヒヤリハットが作業者から出されており、火災予防面からも労働安全面からもその対策が必要であった。
本考案は、従来の加熱源であるガスバーナに代え、ダイカスト溶解炉の廃熱を利用して水を加温し、できた温水を熱源に使用することにより、従来の危険性をなくしたものである。
図15が 金型予熱装置全体の正面図であり、まず溶解炉熱交換器に水を通して温水をつくり、これをポンプによって金型→タンク→熱交換器→金型と循環させるようにした。金型は、金型置き台⑩の上に搬入設置し、④の耐熱ホースから湯をとって金型内を循環させることになる。しかし、高温のホースが作業者近くに 配置されているので漏えい等による火傷の災害のおそれがある。
従って金型温水予熱装置日常(定期)点検表の点検項目に基づいて保守点検を完全に行い安全対策をとっている。
- ガスバーナーを直接使用することは、爆発、火災および火傷の危険性があったが、これに代わって温水を使用することに改善したため、これらの危険性はなくなり安全な作業ができるようになった。
- 溶解炉の熱交換機で約60℃の湯が約1時間ででき、金型に取り付けるだけの作業となるので、作業能率が向上した。
昭和63年4月〜5月
1台あたり約80万円
無し