安全衛生情報センター
管内の事業場から、下記のワイヤロープ及びその緊結方法を用いたエレベーターについて照会があり、 エレベーター構造規格第29条第1項及び第40条第1項第5号ハの規定に適合しないものの、これらの規定に 適合するものと同等以上の性能を有するものであるところから、同規格第43条の規定により、同規格第29 条第1項及び第40条第1項第5号ハの適用を除外することとしてよろしいか。 また、下記のワイヤロープは、同規格第40条第1項第5号ロの日本工業規格(以下「JIS」という。)G 35 25に適合するワイヤロープと同等以上の性能を有するワイヤロープとして取り扱ってよろしいか併せてお 伺いする。
1 ワイヤロープの仕様及び緊結方法(第1表) 国土交通大臣の認定(認定番号EPNNNN-1509 平成26年1月21日国住指第425号)に係るワイヤロープ及 び緊結方法とする。 (1) 樹脂心 8×S (19) (2) 公称径 8mm (3) 素線強度 株式会社テザックワイヤロープ製:2300/2600N/mm2級 裸及びめっき 東京製綱株式会社製:2350N/mm2級 裸及びめっき (4) 破断荷重 43.6kN以上 (5) 緊結方法 申請に係るワイヤロープの緊結方法は鋼製くさび式ソケットを用いたコッタ止め及び据え込み式止 め金具を用いた圧縮止めとする。金具は第1表の強度等を確保する。 2 1のワイヤロープ及び緊結方法を用いるエレベーター等の仕様 ① 駆動方式 トラクション方式 2:1ローピング ② シーブ径 320mm以上(D/d 40以上) ③ シーブ溝 U溝及び95°アンダーカット溝(FCD1200又は同等品) ④ 揚程 200m以下 ⑤ 定格速度 4.0m/s(240m/min)以下 ⑥ 最大定員 30人以下 ⑦ 積載荷重 2.0トン以下 ⑨ 通常運転時の搬器の加減速度 1.0m/s2以下 ⑩ 主索の吊り下げ総荷重 主索の破断荷重の1/16以下 ⑪ エレベーターの設計・製造 東芝エレベータ(株) 3 エレベーター構造規格第40条第1項第5号の強度計算に係る事項 エレベーター構造規格第40条第1項第5号に示されるαは2.0とし、同号に示す計算式によって得た 値が、記1の(4)のワイヤロープの破断荷重の値を5.0 で除して得た値を超えないよう設計する。 4 ワイヤロープの本数等 一の搬器につき3本以上10本以下とする。また、ワイヤロープはエレベーター構造規格第40条第1項 第1号から第4号のみならずJIS A 4302:2006(昇降機の検査標準)5.1.3 k) 7.1)及び7.2)の規定を満 たすよう管理する。 5 品質管理に係る事項 (1) ワイヤロープ径、素線強度、規格破断荷重について、記2の⑪に示すエレベーターの設計・製造者 は、ワイヤロープ製造者が製造ロットごとに行う検査の結果を確認する。 (2) 記2の⑪に示すエレベーターの設計・製造者は記2のエレベーターについて、(1)の項の検査で合格 した同一製造ロットのワイヤロープを使用する。 (3) 経年劣化に対するワイヤロープの保守交換は、各々のエレベーターにおいて、ロープの全数を同時 に、かつ、(1)の項の検査で合格した同一製造ロットのワイヤロープに交換する。 (4) ワイヤロープの仕様並びに記4のまた書き及び5(3)の保守交換に関する事項の内容をユーザーに渡 す取扱説明書又はそれに相当する引き渡し図書に記載するとともに、エレベーター機械室あるいは昇 降路内昇降機機器に掲示する。 (5) 据え込み式止め金具については、記2の⑪に示すエレベーターの設計・製造者において出荷前に施 工する。 また、据え込み式金具の取付は、所定の端末強度を確保するため、記2の⑪に示すエレベーターの 設計・製造者において、金具に対するロープの挿入長さを管理する。東労発基第82号 第1表ほか附属資料