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安全衛生情報センター
電気機械器具防爆構造規格第5条の規定に基づき、防爆構造規格に適合するものと同等以上の防爆性能を有することを確認するための基準等について(令和3年8月12日 基発0812第5号により廃止)
基発0831第2号
平成27年8月31日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局長
電気機械器具防爆構造規格第5条の規定に基づき、防爆構造規格に適合するものと同等以上の防爆性能を有することを確認するための基準等について(令和3年8月12日 基発0812第5号により廃止)
国際電気標準会議(以下「IEC」という。)が制定した国際規格(以下「IEC規格」という。)に基づいて製
造された防爆構造電気機械器具(以下「防爆機器」という。)が、電気機械器具防爆構造規格(昭和44年労
働省告示第16号。以下「防爆構造規格」という。)第5条の規定に基づき、防爆構造規格に適合するものと
同等以上の防爆性能を有することを確認するための基準等(以下「技術的基準等」という。)は、平成22年
8月24日付け基発0824第2号「電気機械器具防爆構造規格における可燃性ガス又は引火性の物の蒸気に係る
防爆構造の規格に適合する電気機械器具と同等以上の防爆性能を有するものの基準等について」(以下「平
成22年局長通達」という。)において示されているところである。
今般、昨今のIEC規格の改正を踏まえ、技術的基準等を下記のとおり見直すこととしたので、関係者へ
の周知徹底を図るとともに、その運用に遺漏なきを期されたい。
なお、本通達をもって、平成22年局長通達は廃止する。
おって、防爆機器の登録型式検定機関である公益社団法人産業安全技術協会に対しては別添1のとおり、
関係団体である一般社団法人日本電機工業会、一般社団法人日本照明工業会、一般社団法人日本電気計測
器工業会、一般社団法人日本電気協会、一般社団法人日本電気制御機器工業会、一般社団法人日本電設工
業協会、石油連盟、一般社団法人日本化学工業協会、石油化学工業協会、一般財団法人エンジニアリング
協会及び一般社団法人日本粉体工業技術協会に対しては別添2のとおり、それぞれ通知したので申し添える。
記
1 防爆構造規格に適合するものと同等以上の防爆性能を有することを確認するための基準
独立行政法人労働安全衛生総合研究所(以下「安衛研」という。)が労働安全衛生総合研究所技術指針
として定めた「工場電気設備防爆指針―国際整合技術指針」の第1編(JNIOSH−TR−46−1:2015)から
第9編(JNIOSH−TR−46−9:2015)まで(以下「国際整合防爆指針2015」という。)は、防爆構造規格第5
条の「国際規格等」であるIEC規格に基づいて製造された防爆機器が、防爆構造規格に適合するものと同
等以上の防爆性能を有することを確認するための基準となるものであること。
なお、国際整合防爆指針2015は、安衛研ホームページ(http://www.jniosh.go.jp)において閲覧が可
能であること。
2 1に適合することを確認する方法
(1) 内容
1に適合することの確認は、(2)による改正後の平成17年4月1日付け基発第0401035号「登録製造時
等検査機関が行う製造時等検査、登録個別検定機関が行う個別検定及び登録型式検定機関が行う型
式検定の適正な実施について」(以下「平成17年局長通達」という。)の別紙3「型式検定に係る検定
の方法等」の表3「防爆構造電気機械器具」(以下「別紙3の表3」という。)の別添「国際整合防爆指
針2015に基づく検定の方法」に示す判定基準により行うこと。
(2) 平成17年局長通達の一部改正
平成17年局長通達の別紙3の表3の一部を次のように改正する。
ア 備考(3)を次のように改正する。
構造規格第5条の「国際規格等に基づき製造されたもの」については、独立行政法人労働安全衛
生総合研究所が定めた「工場電気設備防爆指針―国際整合技術指針」の第1編(JNIOSH−TR−46−1
:2015)から第9編(JNIOSH−TR−46−9:2015)まで(以下「国際整合防爆指針2015」という。)に
基づき、別添「国際整合防爆指針2015に基づく検定の方法」等によること。
イ 別添「国際整合防爆指針に基づく検定の方法」を、別紙1のように改める。
3 型式検定を行うに際しての留意事項
(1) 防爆機器のグループの取扱いについて
国際整合防爆指針2015では、新たにグループVが設けられ、防爆機器を以下の3種類に区分してい
るが、グループTは労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)が適用されない鉱山
で用いられるものであるため、型式検定においては、グループU及びグループVの防爆機器の規定を
適用すること。
国際整合防爆指針2015における防爆機器の分
区分 |
防爆機器が使用される場所 |
適用される防爆構造の種類 |
グループT |
坑気の影響を受けやすい鉱山での使用 |
― |
グループU |
坑気の影響を受ける鉱山以外の爆発性ガス雰囲気が存在する場所での使用 |
耐圧防爆構造、内圧防爆構造、安全増防爆構造、油入防爆構造、本質安全防爆構造、樹脂充填防爆構造、非点火防爆構造 |
グループV |
坑気の影響を受ける鉱山以外の爆発性粉じん雰囲気での使用 |
本質安全防爆構造、樹脂充填防爆構造、容器による粉じん防爆構造 |
① グループUについて
グループUの防爆機器は、それを使用しようとする場所における爆発性ガス雰囲気の性質に応じ
てUA、UB及びUCに細分類されること。具体的な使用環境等については、安衛研が労働安全衛生
総合研究所技術指針として定めた「ユーザーのための工場防爆設備ガイド(JNIOSH−TR−No.44)」
(以下「工場防爆設備ガイド」という。)の参考資料2−1「可燃性ガス蒸気の危険特性値及び電気機
器の防爆構造に対応する分類」を参照すること。
また、グループUBの表示のある防爆機器は、グループUAの防爆機器を必要とする用途にも使用
することができ、同様に、グループUCの表示のある防爆機器は、グループUA及びUBの防爆機器
を必要とする用途にも使用することができること。
② グループVについて
グループVの防爆機器は、それを使用しようとする場所の爆発性粉じん雰囲気における粉じんの
性質に応じて、以下のとおりVA、VB及びVCに細分類されること。具体的な使用環境等について
は、工場防爆設備ガイドの参考資料2−2「粉じんの発火度及び主要な危険性」を参照すること。な
お、危険性分類欄が「可」のうち公称粒子径が500μmを超えるものはVA、「可」のうち公称粒子
径が500μm以下のものはVB、「可、導」及び「爆」のものはVCの防爆機器を使用すること。
労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)第282条に規定する爆燃
性の粉じんについては、グループVCの防爆機器を使用すること。
グループVBの表示のある防爆機器は、グループVAの防爆機器を必要とする用途にも使用するこ
とができ、同様に、グループVCの表示のある防爆機器は、グループVA及びVBの防爆機器を必要
とする用途にも使用することができること。
グループVの細分類
分類 |
防爆機器を使用しようとする場所における粉じんの性質 |
使用可能な場所 |
グループVA |
繊維を含む可燃性の固体粒子であって公称粒子径が500μmを超えるものをいい、空気中に浮遊することがあり、自重によって大気から分離して堆積することがあるもの |
安衛則第281条に規定する箇所 |
グループVB |
可燃性粉じん※であって、電気抵抗率が1,000Ω・mを超えるもの |
安衛則第281条に規定する箇所 |
グループVC |
可燃性粉じん※であって、電気抵抗率が1,000Ω・m以下のもの |
安衛則第281条及び第282条に規定する箇所 |
※ 微細固体粒子であって公称粒子径が500μm以下のものであり、大気中に浮遊するか、自重により大
気から分離して堆積するもので、空気中で燃焼又は白熱し、大気圧・常温において空気との爆発性
混合物を形成することがあるもの。
(2) 機器保護レベル(EPL)について
国際整合防爆指針2015では、機能不全時も含め防爆機器が点火源・着火源とならない度合いを示す
機器保護レベル(以下「EPL」という。)が新たに導入された。具体的なEPLの分類記号とそれに対応す
る電気機械器具は別紙2のとおりである。
なお、耐圧防爆構造、内圧防爆構造、油入防爆構造及び安全増防爆構造の防爆機器のうち、EPLが
Gaに該当するものは、防爆構造規格第1条第15号の特別危険箇所で使用することができる特殊防爆構
造として取り扱って差し支えないこと。
(3) Exコンポーネント等の取扱いについて
Exコンポーネント、Exケーブルグランド、Exねじアダプタ及びEx閉止用部品(以下「Exコンポーネ
ント等」という。)は、防爆機器に組み込んで使用されるものであり、単体では電気機械器具に該当
しないため、法に基づく型式検定の対象とはならないこと。ただし、IEC規格では、Exコンポーネン
ト等は単体でも第三者認証の対象としているため、検定申請者の負担軽減の観点から、型式検定機関
がExコンポーネント等に係る認証書(国際整合防爆指針2015と同じ基準によるものに限る)を発行し、
当該Exコンポーネント等に係る図面、試験データ等を当該型式検定機関が保有している場合には、こ
れを試験に活用することとして差し支えないこと。
(4) ルーチン試験について
国際整合防爆指針2015に新たに盛り込まれた「ルーチン試験」は、新規検定の申請の際、機械等検
定規則(昭和47年労働省令第45号。以下「検定則」という。)第6条第1項第3号ニに基づいて申請者が
提出する書面により、試験の種類、実施方法等について型式検定機関が確認すること。また、検定則
第11条に基づく更新検定においても同様であること。
(5) 単純機器の取扱いについて
単純機器は、IEC規格では必ずしも第三者認証は要求されないが、国際整合防爆指針2015の第6編
(JNIOSH−TR−46−6:2015)に規定される単純機器は、法に基づく型式検定の対象となること。
(6) 防爆機器に関する表示について
国際整合防爆指針2015に適合する防爆機器に関する防爆構造規格第4条第3項の厚生労働省労働基準
局長が認める方法は、国際整合防爆指針2015の表示に関する各規定に適合する表示方法とすること。
(7) 型式の取扱いについて
今般、国際整合防爆指針2015を技術的基準等として取り扱うこととしたことに伴い、昭和53年2月
10日付け基発第80号「機械等検定規則の一部を改正する省令の施行について」(以下「昭和53年局長
通達」という。)の別表の防爆機器の項を、別紙3のとおり改める。
(8) 新規検定申請書及び型式検定合格証の「対象ガス又は蒸気の発火度及び爆発等級」欄への記入方法
について
IEC規格に基づいて製造された防爆機器について、国際整合防爆指針2015に適合するものとして、
検定則第6条の規定に基づく新規検定の申請を行う場合には、新規検定申請書(検定則様式第6号(2))
の「対象ガス又は蒸気の発火度及び爆発等級」の欄に、国際整合防爆指針2015の第1編(JNIOSH−TR−
46−1:2015)に定める防爆機器のグループの区分の記号、最高表面温度(若しくは温度等級又は特定
のガスの名称)及びEPLを記入すること。なお、粉じんの場合にあっては、同欄にグループの区分の記
号、最高表面温度(粉じん堆積層がある条件での最高表面温度の場合には、粉じん堆積層の厚さ及び
当該条件における最高表面温度)及びEPLを記入すること。また、型式検定合格証(検定則様式第8号(2))
についてもこれと同様とすること。
(9) 安衛則第280条等が適用されない電気機械器具の範囲について
IEC規格において、定格電圧等の最大値が次の表の各区分の値以下である電気機械器具は、可燃性
ガス若しくは引火性の物の蒸気又は可燃性の粉じん若しくは爆燃性の粉じんが爆発の危険のある濃度
に達するおそれのある箇所において使用しても点火源・着火源となるおそれのないものであり、安衛
則第280条から第282条までは適用されないこと。ただし、当該電気機械器具を他の電気機械器具に接
続することにより、当該電気機械器具の回路の定格電圧等が次の表の各区分の値を超えるおそれのあ
るときは、この限りでないこと。
区分 |
値 |
定格電圧 |
1.5ボルト |
定格電流 |
0.1アンペア |
定格電力 |
25ミリワット |
(10) 特殊防爆構造について
「工場電気設備防爆指針―国際整合技術指針」の第10編(JNIOSH−TR−46−10:2015)は、参照する
IEC60079−33(特殊防爆構造)の運用方法がIECにて検討途上のため、国際整合防爆指針2015には含め
ていないこと。
4 適用日等について
この通達は、発出の日から適用する。
(1) 譲渡制限に係る経過措置
適用日において、現に存する防爆機器並びに「工場電気設備防爆指針―国際規格に整合した技術指
針2008(JNIOSH−TR−No.43))(以下「国際整合防爆指針2008」という。)及び昭和63年4月1日付け基
発第208号「電気機械器具防爆構造規格の一部を改正する告示の適用等について」の別添「電気機械器
具防爆構造規格(昭和44年労働省告示第16号)における可燃性ガス又は引火性の物の蒸気に係る防爆構
造の規格に適合する電気機械器具と同等以上の防爆性能を有するものの技術的基準(IEC規格79条関係)」
(以下「技術的基準1988」という。)に基づく型式検定に合格している型式((2)の経過措置による新規
検定に合格したものを含む)によって製造される防爆機器は、適用日以降も譲渡し、貸与し、設置し、
又は使用できること。
(2) 型式検定に係る経過措置
適用日から6月間は、国際整合防爆指針2008に基づく新規検定の申請をすることができるものであ
ること。また、国際整合防爆指針2008又は技術的基準1988に基づき型式検定に合格している型式及び
適用日から6月間において、新規検定の申請がなされ合格した型式は、適用日以降も更新検定を受ける
ことができるが、適用日から6月を経過した後に、当該型式から構造又は定格の変更を行う型式につい
ては、昭和53年局長通達のU4(2)ロの規定に関わらず、型式検定に合格した型式の範囲内で変更しよ
うとする場合であっても、国際整合防爆指針2015に基づく新規検定を受ける必要があること。