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平成9年労働省告示第20号(有機溶剤中毒予防規則第15条の2第2項ただし書
の規定に基づき労働大臣が定める濃度を定める件)等の適用について

改正履歴

                                        基発第194号
                                      平成9年3月25日


都道府県労働基準局長 殿

                                  厚生労働省労働基準局長



     平成9年労働省告示第20号(有機溶剤中毒予防規則第15条の2第2項ただし書
     の規定に基づき労働大臣が定める濃度を定める件)等の適用について


 平成9年労働省告示第20号(有機溶剤中毒予防規則第15条の2第2項ただし書の規定に基づき労働大臣が定
める濃度を定める件)及び平成9年労働省告示第21号(有機溶剤中毒予防規則第16条の2の規定に基づき労
働大臣が定める構造及び性能を定める件)は、平成9年3月25日に公布され、同日から適用され、昭和59年
労働省告示第6号(有機溶剤中毒予防規則の規定に基づき労働大臣が定める構造及び性能を定める件)が
同日に廃止されるとともに、平成9年労働省告示第22号(有機溶剤中毒予防規則第18条第3項の規定に基づ
き労働大臣が定める要件を定める件)が同日に公布され、同年10月1日から適用されることとなった。
 今回の告示の制定は、労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(平成9年労働省令第13号)が平成9年
3月25日に公布されたことに伴い、排気口の高さについての規定が適用除外される有機溶剤の濃度並びに
プッシュプル型換気装置の構造及び性能並びにその稼動要件をそれぞれ定めたものである。
 ついては、今回の告示の制定等の趣旨を十分に理解し、下記の事項に留意の上、その運用に遺漏のない
ようにされたい。


                       記

第1 平成9年労働省告示第20号(有機溶剤中毒予防規則第15条の2第2項ただし書の規定に基づき労働大臣
  が定める濃度を定める件)関係
 1 制定の要点
   空気清浄装置を設けていない局所排気装置若しくはプッシュプル型換気装置又は有機溶剤中毒予防
  規則(昭和47年労働省令第36号。以下、「有機則」という。)第12条第1号の排気管等のうち、排気口
  の高さを屋根から1.5m以上とすることを要しないこととする排気口から排出される有機溶剤の濃度は、
  作業環境評価基準(昭和63年労働省告示第79号)に規定する管理濃度の2分の1の濃度とすること。た
  だし、排気口から排出される有機溶剤の種類が複数である場合は、作業環境評価基準第2条第4項の有
  機溶剤の混合物と同様な式により得た換算値が0.5となる濃度とすること。
 2 細部事項
   第1項及び第2項の「有機溶剤の種類」とは、労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)別表
  第6の2第1号から第47号までに掲げる有機溶剤の種類をいうものであること。

第2 平成9年労働省告示第21号(有機溶剤中毒予防規則第16条の2の規定に基づき労働大臣が定める構造
  及び性能を定める件)関係
 1 制定の要点
 (1)プッシュプル型換気装置の型式を密閉式プッシュプル型換気装置及び開放式プッシュプル型換気
   装置の2種類とし、気流の種類を下降気流、水平気流等とすることとしたこと。
 (2)密閉式プッシュプル型換気装置としては、送風機により空気をブース内へ供給し、かつ、排風機
   によりブース内の空気を吸引するもののほか、送風機がなく、ブース内へ空気を供給する開口部を
   有し、かつ、排風機によりブース内の空気を吸引するものを含むこととしたこと。
 (3)開放式プッシュプル型換気装置としては、送風機により換気区域内に空気を供給し、排風機によ
   り換気区域内及び換気区域外の空気を吸引するプッシュプル型換気装置としたこと。ただし、昭和
   54年12月26日付け基発第645号「プッシュプル型換気装置の性能及び構造上の要件等について」の
   記の第1のTのプッシュプル型局所換気装置(開放槽用)については、開放式プッシュプル型換気装
   置に含まれないこと。
 2 細部事項
 (1)第1号ロ及び第3号ハの「有機溶剤の蒸気の発散源にできるだけ近い位置に吸込み側フードを設け
   ること等」には、有機溶剤の蒸気の発散源にできるだけ近い位置に吸込み側フードを設けることの
   ほか、有機溶剤の蒸気の発散源から吸込み側フードまでの間に柵等を設けて立ち入り禁止措置を講
   ずることがあること。
 (2)第2号の密閉式プッシュプル型換気装置の「捕捉面」は、次の各要件を満たす平面であること。
   [1]吸い込み側フードから最も離れた位置の有機溶剤の発散源を通る平面(ブース内に発生させる
    気流が下降気流であって、かつ、ブース内に有機溶剤業務を行うために立ち入る構造である場合
    は、ブースの床上1.5mの高さの水平面)
   [2]気流の方向に垂直な平面(ブースにより囲まれた平面に限る。)
 (3)ブースを有するプッシュプル型換気装置であっても、開放式プッシュプル型換気装置の構造及び
   性能の要件(第3号及び第4号)に適合するものは、開放式プッシュプル型換気装置に該当するもの
   であること。したがって、当該装置については、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」
   という。)第88条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定により、開放式プッシ
   ュプル型換気装置として計画の届出を行うことが必要であること。
 (4)第4号イの開放式プッシュプル型換気装置の「捕捉面」は、次の各要件を満たす平面であること。
   [1]吸い込み側フードから最も離れた位置の有機溶剤の発散源を通る平面(換気区域内に発生させ
    る気流が下降気流であって、かつ、換気区域内に有機溶剤業務を行うために立ち入る構造である
    場合は、換気区域の床上1.5mの高さの水平面)
   [2]気流の方向に垂直な平面(換気区域内の平面に限る。)
 (5)第4号のロの規定については、換気区域内に作業の対象物が通常の作業位置にあり、かつ、作業者
   が通常の作業を行っている場合であっても満たすべきものであること。
 (6)この告示の適用日前において有機則第13条の規定に基づき許可された設備であって、密閉式プッ
   シュプル型換気装置又は開放式プッシュプル型換気装置に該当するものであること。したがって、
   この告示の適用日以後においては、同条の許可を要せず、法第88条第1項(同条第2項において準用
   する場合を含む。)の規定による計画の届出を行えば足りるものであること。
 (7)この告示の適用日前において囲い式フードの局所排気装置に該当するものであって、この告示の
   適用日以後においては、密閉式プッシュプル型換気装置の構造及び性能の要件(第1号及び第2号)
   に適合させて使用するものは、密閉式プッシュプル型換気装置に該当するものであること。この場
   合、法第88条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定により、密閉式プッシュプ
   ル型換気装置としての計画の届出を行うことが適当であること。

第3 平成9年労働省告示第22号(有機溶剤中毒予防規則第18条第3項の規定に基づき労働大臣が定める要件
  を定める件)関係
 1 制定の要点
 (1)密閉式プッシュプル型換気装置の稼動要件を、捕捉面における気流が平成9年労働省告示第21号(
   有機溶剤中毒予防規則第16条の2の規定に基づき労働大臣が定める構造及び性能を定める件。以下
   「第21号告示」という。)第2号に定めるところに適合していることとしたこと。
 (2)開放式プッシュプル型換気装置の稼動要件を、捕捉面における気流が第21号告示第4号イに定める
   ところに、換気区域と換気区域以外の区域の境界におけるすべての気流が同号ロに適合しているこ
   ととしたこと。
 2 細部事項
 (1)「告示第2号の捕捉面における気流が同号に定めるところ」及び「告示第4号イの捕捉面における
   気流が同号イに定めるところ」とは、それぞれブース内又は換気区域内に作業の対象物及び作業者
   がいない状態における第21号告示第2号又は第4号イの要件をいうこと。
 (2)「告示第4号ロの気流が同号ロに定めるところ」とは、換気区域内に作業の対象物が通常の作業位
   置にあり、かつ、作業者が通常の作業を行っている状態における第21号告示第4号ロの要件をいう
   こと。

第4 関係通達の改正等
 1 昭和54年12月26日付け基発第645号「プッシュプル型換気装置の性能及び構造上の要件等について」
  関係
 (1)記の第1の本文中の「動力により一定方向の流れを持つ吹き出し、吸い込み気流を形成し、有害な
   ガス、蒸気又は粉じんの飛散若しくは拡散を抑制する設備」を「一様な捕捉気流(有害物質の発散
   源又はその付近を通り吸込み側フードに向かう気流であって、捕捉面での気流の方向及び風速が一
   様であるもの)を形成させ、当該気流によって発散源から発散する有害物質を捕捉し吸込み側フー
   ドに取り込んで排出する装置」に、「[2]労働者に新鮮な空気を供給し、有害なガス、蒸気又は粉
   じんを吸引、排気する設備(図[2]参照。以下「プッシュプル型一様流換気装置」という。)ので、
   自動車の車体、航空機の機体、船体ブロック等表面積の大きなものの外面について塗装等を行う作
   業場所に設置するもの(以下「プッシュプル型一様流換気装置(塗装用)」という。)」を「[2]
   形成する一様な捕捉気流に有害物質発散源の全体を含むもの」に、「このため、本要件は前記[1]、
   [2]及び[3]の設備に係る風速及び風量等の性能及び構造上の要件について定めたものである。」を
   「このうち、前記[2]の設備についての要件は、平成9年労働省告示第21号(有機溶剤中毒予防規則
   第16条の2の規定に基づき労働大臣が定める構造及び性能を定める件)に規定されたとおりである。
   また、前記[1]及び[3]の設備に係る風速、風量等の性能及び構造上の要件は次のとおりである。」
   に改める。
 (2)Uを次のとおり改める。
    U 削除
 (3)第2の3の(4)中「プッシュプル型一様流換気装置(塗装用)」を「有機溶剤中毒予防規則第16条
   の2の労働大臣が定める構造及び性能を有するプッシュプル型換気装置」に改める。
 (4)図2を次のとおり改める。
    図2 削除
 (5)解説の表題を「プッシュプル型換気装置の分類」に改め、解説を次のとおり、改める。
    プッシュプル型換気装置は、労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)第15条第8号の労働
   省令で定めるものの他に、プッシュプル型局所換気装置(開放槽用)(前記第1のT)及びプッシュ
   プル型しゃ断装置(前記第1のV)に分類される。
 2 昭和59年2月2日付け基発第59号「有機溶剤中毒予防規則第16条の2の規定に基づき、労働大臣が定め
  る構造及び性能を定める告示の適用について」を廃止する。