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事例15 名古屋女子大学・名古屋女子大学短期大学部 |
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1 事業場の概要 |
(1)業種:教育 事業の内容:大学・短期大学教育 |
(2)所在地:愛知県 |
(3)従業員数:200人(男性:84人 女性:116人、教員を含む。) |
(4)従業員の平均年齢:46歳 |
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2 禁煙の概要 |
(1)喫煙対策の担当部署:学生支援センター 学事課 |
(2)喫煙対策に取り組み始めた時期:昭和60年〜 |
(3)禁煙を実施した時期:平成15年4月〜 |
(4)従業員の喫煙率:職員 平成15年7月4.3%
学生 平成15年 6.1%…誓約書提出前
平成16年 3.2%…誓約書の提出(入学生に義務化)
平成17年 2.1%
平成18年 1.2% |
(5)昼休み等休憩時の喫煙:許可していない |
(6)禁煙の状況:敷地内禁煙(全キャンパス、周辺道路も含む。) |
(7)建物の構造:校舎(自社ビル) |
(8)建物の所有者:学校法人 |
(9)禁煙の内容:敷地内禁煙、周辺道路(敷地に接する道路及び地下鉄駅までの通学路)及び駐車場内の車内も禁煙 |
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3 禁煙の詳細 |
(1)禁煙にする前の状況 |
分煙対策あり、指定場所での喫煙とした。(未成年者の喫煙禁止の表示あり) |
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(2)禁煙にした動機及び経緯 |
ア 「命を育む自立した女性を育成する」ことを教育目標としているため、たばこによる健康障害防止を目的として平成7年から原則敷地内禁煙を実施した(学生のみ)。平成9年から14年は、原則敷地内禁煙を継続させながらも屋内の談話室内に喫煙コーナー(換気扇つき)を設け、未成年者の喫煙禁止を表示した。その後、中庭に喫煙場所を設け建物内は禁煙とした。しかし、トイレ等の隠れたばこや周辺での吸殻の投げ捨てなどルール破りが見られた。 |
イ 平成15年に健康増進法が施行されたのを機会に、学園長(理事長)の決断で前年に予告の上、平成15年4月から教職員も含め、敷地内全面禁煙に踏み切った(写真15−1〜3)。 |
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(3)禁煙に取り組んだ内容 |
ア 喫煙者に対する指導 サポートシステム等 |
(ア)禁煙・無煙推進プロジェクトの発足 |
学長の諮問機関として禁煙・無煙推進プロジェクトが結成され、たばこの有害性について、学生の作品も使用して普及、啓発活動を行った(写真15−4)。 |
(イ)クリーンナップ学生ボランテイアの活動(写真15-5) |
従来の学生課にあたる学生支援センターが、「クリーンナップ学生ボランテイア」を募集し、敷地内及び大学周辺のゴミを収集する際、たばこの吸殻の収集も含めた活動を開始した。 |
(ウ)巡回指導 |
全教職員が当番制で敷地内及び周辺を巡回し、学生への禁煙の呼びかけ、ゴミ拾い等を行っている。 |
(エ)保健室での指導 |
医師による禁煙指導や禁煙補助剤の無料配布を行っている。日常的に禁煙指導を行うのみでなく、禁煙・無煙推進プロジェクトの中心となり、活動を支えている(写真15−6、7)。 |
イ 外部への公表等 |
(ア)ホームページに敷地内全面禁煙の取り組みに関する窓口を設け、公共社会・地域との知識及び情報交換を行うとともに、卒業生にも取り組みを伝え本活動への参加を勧誘し、社会への拡大を目指している。 |
(イ)また、この取組みは新聞に掲載され、他の大学等からの問合せや見学も多い。 |
ウ 入学時の周知 |
平成16年度入学生から、喫煙をしない旨の誓約書の提出を義務付けた(写真15−8)。 |
これは、健康のために吸わないで欲しいのと、「たばこを吸わずに学生生活を送れるようにきめ細かく指導いたします」という気持ちを込めたものである。 |
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(4)学内で苦労した点 |
ア 学生よりむしろ教員(主に喫煙者)の反対意見が多く、禁煙に関する学内での議論では、20歳以上の喫煙が法律で認められていることや、嗜好品に対する自由権の侵害になる等の意見が出て、結論がなかなか出なかった。 |
イ 最終的には、学園長が会議で「敷地内の全面禁煙に向け、教職員も協力して欲しい」と提案し、全面禁煙が実現した。 |
ウ 禁煙誓約書の提出についても、規制の強い大学と思われ、イメージダウンになったり、また、志願者も減少するのではないか等の意見も出されたが、大学の教育理念の実践であるとして、学園長等のトップの決断で踏み切った。 |
エ 結果は、志願者が減少することはなく、却って増加する傾向があったとみられ、また親御さんなどからも好評であった。 |
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(5)禁煙に対する評価 |
ア 教職員 |
教職員については、禁煙を実施した平成15年前後に喫煙率が低下し、これら断煙者が禁煙・無煙プロジェクトの牽引役も果たしている。 |
イ 学生 |
17年度卒業生に対して行ったアンケート調査では、72%が禁煙にして良かったと答え、反対者は5.6%であり、禁煙の取り組みが評価されている。 |
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4 その他 |
(1)事業との関係 |
敷地内全面禁煙への取り組みがマスコミを通じて広く学外にも知られるようになり、卒業生だけでなく、一般の方々からも支持されるようになった。 |
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(2)問題点、今後の課題、今後のサポートの予定 |
ア 学生参加による禁煙活動の推進 |
クリーンナップ学生ボランティアによる禁煙巡回を「禁煙というテーマをも った地域社会との連携」を推進する方向に発展させる。 |
イ 保健室を主とした活動 |
学外(家庭を含む)をも対象とする完全断煙を目標として、保健室、学生、教職員が協同して、さらに禁煙・断煙活動を推進する。 |
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写真15−1
校門の表示
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写真15−2
事務所入口付近の表示1 |
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写真15−3
事務所入口付近の表示2
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写真15−4
普及・啓発に使用した学生の作品 |
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写真15−5
クリーンナップ学生ボランティアの活動
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写真15−6
保健室の表示 |
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写真15−7
保健室入り口付近の掲示板
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写真15−8
禁煙誓約書 |
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