職場の喫煙対策事例 安全衛生情報センターへ
事例11  C事業場
 
1 事業場概要
(1)業種:商業
(2)所在地:東京都
(3)従業員数:8,257人(男性:7,385人 女性:872人)
                (平成18年8月末現在の人員)
                (このうち本社(本社ビル)は2,667人)
(4)従業員の平均年齢:40.59歳 従業員数と平均年齢は出向者を含む全社
 
2 禁煙の概要
(1)喫煙対策の担当部署:総務部ファシリティ管理課
(2)喫煙対策に取り組み始めた時期:平成12年6月〜
(3)禁煙を実施した時期:平成18年4月〜
(4)従業員の喫煙率:35.7%(男性39.0%、女性7.8%)平成18年6月末
41.0%(平成17年)
43.5%(平成16年)
(5)禁煙の状況:全社(地方の営業所も含む)
(6)建物の構造:事務所(写真11−1)
(7)建物の所有者:自社ビル
(8)禁煙の内容:敷地内禁煙(従業員、来客とも喫煙不可)
 
3 禁煙の詳細
(1)禁煙にする前の状況
分煙対策として、各階にたばこの煙を外に排気する喫煙室と共有スペースに喫煙室があった。この喫煙スペース以外は禁煙としていた。現在、前の喫煙室は、倉庫兼立ち会議室としている(写真11−2)
 
(2)禁煙にした動機及び経緯
ア 禁煙ルールの確立
平成12年6月29日付で、総務本部長、人事本部長名で喫煙ルールについての文書を発信した。
イ 全社禁煙の実施
健康増進法の施行があり、非喫煙者の要望や健康障害防止等について社内で検討し、社内呼称スマートプロジェクト(無駄をなくすことを目的とする)の一環として、「喫煙ルームに係わるコスト」の削減、「喫煙の為の離席時間」の削減、「副流煙による害の無い職場環境」の実現のため、事業場の責任者の判断により、全社禁煙を実施。
 
(3)禁煙に取り組んだ内容
ア 喫煙者に対する指導 サポートシステム等
健康管理室が主体となり、禁煙支援プログラムとして、ネットワーク窓口を設置し、禁煙に関する個別健康診断を行うほか、随時相談に応じている。また、先着50名に禁煙補助剤をプレゼントし、先着300名にHOW TO禁煙本をプレゼントした。
イ 準備期間の設定
平成17年12月より平成18年3月までの間を準備期間とし、自己管理により午前と午後の各1回のみ喫煙することができることとした。平成18年4月から勤務時間は全社敷地内完全禁煙を実施した。
 
(4)社内で苦労した点
全社を禁煙としたと同時に勤務時間中の喫煙も禁止した。勤務時間内(通常9:00〜12:00と13:00〜17:30の7時間30分)も禁煙であることの徹底周知が難しかった。(外出中であれば勤務時間内でも喫煙可能との誤解があった。)
 
(5) 労働者の評価
ア 喫煙者の評価
建物のすぐ前に緑地公園があり、ここに公共の喫煙場所がある。また、開放された地下の出入口には、コンビニエンスストアがあり、ここにも喫煙場所がある。雨の日には外の公共喫煙場所で吸えないため、「建物の中に一カ所喫煙場所をつくってほしい」という声はある。
イ 非喫煙者の評価
評判はよい。
 
4 その他
(1)事業との関係
ア 喫煙可能であったレストランも禁煙にしたため、お客様をお連れしづらくなった。
イ 研修受講者の喫煙も認めないのかという議論があった。また、修理受付窓口で修理完成を待っているお客様向けに喫煙場所がなくてよいのかという議論があったが、全館禁煙を表示することで理解してもらうことにした。
 
(2)問題点、今後の課題、今後のサポートの予定
・公共の場所に設置されている灰皿に、昼休み時間帯、就業時間後に群がってしまい、周囲に迷惑をかけているのではないかという懸念がある(写真11−3、4)
・全館禁煙を徹底するために、入社説明会で全社禁煙であることを伝えている。
・健康管理室と協力し、喫煙率の低下を図る。
 
受付前のロビー   倉庫兼立ち会議室(以前の喫煙室)
写真11−1
受付前のロビー
  写真11−2
倉庫兼立ち会議室(以前の喫煙室)
 
地下1階出入口横の喫煙所   緑地公園の公共喫煙所
写真11−3
地下1階出入口横の喫煙所
  写真11−4
緑地公園の公共喫煙所
 
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