安全衛生情報センター
労働安全衛生行政の推進につきましては、日頃から格別の御支援、御協力をいただき厚く御礼申し上げ ます。 さて、今般、厚生労働省で開催している「化学物質のリスク評価検討会」において、詳細リスク評価対 象物質1物質及び初期リスク評価対象物質7物質の計8物質(詳細別紙。以下「対象物質」という。)につい てリスク評価が行われ、その結果が「2020年度化学物質のリスク評価検討会報告書」として取りまとめら れるとともに、厚生労働省Webサイトにおいて公表されました。 (参照URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20829.html) ついては、今般のリスク評価の結果を踏まえ、対象物質に係る労働者の健康障害防止対策を下記のとお り取りまとめましたので、貴団体の会員、傘下事業場等の関係者に対し、周知くださいますようお願い申 し上げます。
1 詳細リスク評価結果 ○ 経気道ばく露について、作業工程に共通して高いリスクが認められた物質(1物質) No.073 オルト−フェニレンジアミン 本物質については、経気道ばく露のリスクに係る追加調査の結果、本物質を製造し又は取り扱う事 業場の作業工程に共通して、経気道ばく露により労働者に健康障害を生じさせるリスクが高いと判定 されたところである。 本物質は有害性の高い物質であり、かつ、事業場において高いばく露が生じる可能性があることか ら、速やかに労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「安衛法」という。)第57条の3第1項の規定 に基づく危険性又は有害性等の調査(以下「化学物質のリスクアセスメント」という。)を行い、その 結果に基づいて労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)第576条、第5 77条、第593条、第594等の規定に基づく措置を講ずることにより、リスクの低減に取り組むこと。 2 初期リスク評価結果 (1) 経気道ばく露に関するリスクが高い等と判定された物質(2物質) No.118 1−アリルオキシ−2,3−エポキシプロパン No.105 アクロレイン 本物質については、初期リスク評価において経気道ばく露に関するリスクが高い等と判定されたと ころである。 本物質は有害性の高い物質であり、かつ、事業場において高いばく露が生じる可能性があることか ら、速やかに化学物質のリスクアセスメントを行い、その結果に基づいて安衛則第576条、第577条、 第593条、第594条等の規定に基づく措置を講ずることにより、リスクの低減に取り組むこと。 (2) 経気道ばく露のリスクは低いと判定されたものの、経皮吸収のおそれが指摘されている物質(4物質) No.119 2−(ジエチルアミノ)エタノール No.121 ジエタノールアミン No.122 りん酸トリ(オルト−トリル) No.123 2−クロロニトロベンゼン 本物質については、初期リスク評価において経気道ばく露に関するリスクは低いと判定されたが、 経皮吸収のおそれが指摘されている。 本物質は有害性の高い物質であり、かつ、経皮吸収によるばく露の可能性があることから、速やか に化学物質のリスクアセスメント(ただし、2−クロロニトロベンゼンについては、安衛法第57条の2 における通知対象物に該当しないことから、安衛法第28条の2第1項の規定に基づく危険性又は有害性 の調査に代える。)を行い、その結果に基づいて安衛則第576条、第577条、第593条、第594条等の規 定に基づく措置を講ずることにより、リスクの低減に取り組むこと。 (3) 経気道ばく露のリスクは低いと判定され、かつ経皮吸収のおそれの指摘もない物質(1物質) No.117 アジピン酸 本物質については、初期リスク評価において経気道ばく露に関するリスクは低いと判定され、かつ、 経皮吸収のおそれも指摘されていない。 しかしながら、本物質は有害性の高い物質であることから、速やかに化学物質のリスクアセスメン トを行い、その結果に基づいて安衛則第576条、第577条、第593条、第594条等の規定に基づく措置を 講ずることにより、リスクの低減に取り組むこと。別記(PDF:253KB)