安全衛生情報センター
労働安全衛生法施行令第18条第3号及び第18条の2第3号の規定に基づき厚生労働大臣の定める基準(令和 5年厚生労働省告示第304号)については、令和5年11月9日に告示され、令和7年4月1日から適用することと されたところである。その制定の趣旨、内容等については、下記のとおりであるので、関係者への周知徹 底を図るとともに、その運用に遺漏のなきを期されたい。
第1 制定の趣旨及び概要等 1 制定の趣旨 本告示は、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(令和5年政令第265号。以下「改正政令」と いう。)による改正後の労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号。以下「令」という。)第18条第3 号及び第18条の2第3号の規定に基づき、厚生労働大臣の定める基準(以下「裾切値」という。)を定めた ものである。 2 告示の概要 本告示は、譲渡又は提供に当たって容器等への名称等の表示(以下「ラベル表示」という。)及び文書 の交付等(以下「SDS交付等」という。)をしなければならない化学物質(以下「ラベル・SDS対象物質」 という。)を含有する製剤その他の物に係る裾切値を物の種類に応じて定めたものであること。 3 適用期日 令和7年4月1日 4 経過措置 (1) 労働安全衛生規則の一部を改正する省令(令和5年厚生労働省令第121号。以下「改正省令」という。) による改正後の労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)別表第2にラ ベル・SDS対象物質として個別列挙された物質のうち、改正省令の規定が令和8年4月1日から適用され るものについては、同日から本告示の規定を適用すること。 (2) 現行のラベル・SDS対象物質のうち、本告示によってラベル表示に係る裾切値又はSDS交付等に係る 裾切値が改正省令による改正前の安衛則別表第2の値より低い値に変更されるものについては、令和8 年3月31日までの間は、裾切値を改正省令による改正前の安衛則別表第2の値に据え置くこと。 (3) ラベル表示に係る(2)の裾切値の経過措置を適用する物質であって令和8年4月1日において現に存す るものについては、令和9年3月31日までの間、ラベル表示に係る裾切値を改正省令による改正前の安 衛則別表第2の値に据え置くこと。 第2 細部事項 1 令別表第9に掲げる物に係る裾切値(第1条及び別表第1関係) (1) 本告示別表第1は、ラベル・SDS対象物質のうち改正政令による改正後の令別表第9に掲げる物に係 る裾切値を物の種類に応じて定めたこと。なお、本告示別表第1に規定する裾切値は、改正省令によ る改正前の安衛則別表第2の値と同じであること。 (2) 第1条ただし書の規定は、改正省令による改正後の安衛則第30条において、「運搬中及び貯蔵中に おいて固体以外の状態にならず、かつ、粉状にならない物(次の各号のいずれかに該当するものを除 く。)」をラベル表示の対象から除外している規定と同様に、当該状態に該当する製剤その他の物の 裾切値を100パーセントと規定することにより、当該状態に該当する製剤その他の物をラベル表示の 対象から除外する趣旨であること。 2 安衛則別表第2に掲げる物(本告示の別表第2の左欄に掲げる物に限る。)に係る裾切値(第2条及び別表 第2関係) (1) 本告示別表第2は、ラベル・SDS対象物質のうち改正省令による改正後の安衛則別表第2に掲げる物 (本告示の別表第2の左欄に掲げる物に限る。)に係る裾切値を物の種類に応じて定めたこと。 (2) 本告示別表第2の左欄に掲げる物質は、国が行う化学品の分類(日本産業規格Z7252(以下「JIS Z72 52」という。)に定める方法による化学物質の危険性及び有害性の分類をいう。以下同じ。)における 異性体混合物の分類結果を踏まえ裾切値を設定したもの、改正省令による改正後の安衛則別表第2に おいて複数の物質をまとめた名称として規定しているもののうち当該名称に含まれる各物質について 国が行う化学品の分類における分類結果を踏まえ裾切値を分けて設定したもの、爆発性を踏まえて裾 切値を設定しないもの、その他物の種類に応じて個別に裾切値を設定したものであること。 3 安衛則別表第2に掲げる物(本告示の別表第2の左欄に掲げる物を除く。)に係る裾切値(第3条、第4条 及び別表第3関係) (1) 本告示別表第3は、ラベル・SDS対象物質のうち改正省令による改正後の安衛則別表第2に掲げる物 (本告示の別表第2の左欄に掲げる物を除く。)に係る裾切値を、国が行う化学品の分類の結果に基づく 有害性区分に応じて、次のア及びイに掲げる考え方により規定したこと。なお、混合物であって、JIS Z7252において濃度限界(未試験の混合物を、成分の危険有害性に基づいて分類する場合に使用する 成分の含有濃度の限界値をいう。以下同じ。)が1パーセントを超える値で設定されている物質につい ては、仮に混合物としての有害性分類がなされていない場合であっても、当該物質の物理的及び化学 的性質又は取扱い方法によっては高い濃度で当該物質にばく露することによる健康障害のおそれがあ ることから、人体に及ぼす作用や取扱い上の注意に関する情報を伝達する必要があるため、裾切値を 1パーセントとしたものであること。 ア 化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)において濃度限界とされている値とし、 それが1パーセントを超える場合は1パーセントとする。 イ 複数の有害性区分を有する物質については、アにより得られる数値のうち最も低い数値を採用す る。 (2) 第4条中「有害性区分が区分されていない物」とは、ラベル・SDS対象物質のうち、国が行う化学品 の分類において、健康に対する有害性が区分されておらず、物理化学的危険性のみが区分されている 物をいうこと。 第3 その他 CAS登録番号を併記したラベル・SDS対象物質及びその裾切値の一覧は、厚生労働省ホームページで公表 する予定であること。 第4 関係通達の改正 令和5年7月4日付け基発0704第1号「皮膚等障害化学物質等に該当する化学物質について」の記について、 次表のとおり改正する。
改正後 | 改正前 |
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1〜3 (略) 4 皮膚等障害化学物質を含有する製剤の裾切値 について (1) 次のア及びイに掲げる皮膚等障害化学物質 の区分に応じ、その含有量がそれぞれ次のア 及びイに掲げる含有量の値(ア及びイの両方 に該当する物質にあっては、ア又はイに係る 値のうち最も低いもの、イに該当する物質で あって、二以上の有害性区分に該当するもの にあっては、その該当する有害性区分に係る 値のうち最も低いもの)未満であるものにつ いては、皮膚等障害化学物質等には該当しな いものとして取り扱うこと。なお、パーセン トは重量パーセントであること。 ア 皮膚刺激性有害物質 1パーセント イ 皮膚吸収性有害物質 1パーセント(国 が公表するGHS分類の結果、生殖細胞変 異原性区分1又は発がん性区分1に区分さ れているものは0.1パーセント、生殖毒 性区分1に区分されているものは0.3パー セント) (2) (1)に定める値は、労働安全衛生法施行令 第18条第3号及び第18条の2第3号の規定に基 づき厚生労働大臣の定める基準(令和5年厚生 労働省告示第304号)の別表第3における容器 等への名称等の表示に係る裾切値の考え方を 用い、皮膚刺激性有害物質については、「皮 膚腐食性・刺激性」、「眼に対する重篤な損 傷性・眼刺激性」及び「呼吸器感作性又は皮 膚感作性」(呼吸器感作性については気体を 除く。)の裾切値、皮膚吸収性有害物質につ いては、その他の関係する有害性区分の裾切 値を踏まえて設定したものであること。 5 (略) |
1〜3 (略)
(新設)
4 (略)
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