特定化学物質障害予防規則の規定に基づく厚生労働大臣が定める性能等の一部を改正する告示の適用等について

基発1001第4号
平成25年10月1日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局長

特定化学物質障害予防規則の規定に基づく厚生労働大臣が定める性能等の一部を改正する告示の適用等について

 特定化学物質障害予防規則の規定に基づく厚生労働大臣が定める性能等の一部を改正する告示(平成25
年厚生労働省告示第326号)が、平成25年10月1日に公布され、同日から適用されることとなった。その趣
旨、内容等については、下記のとおりであるので、関係者への周知徹底を図るとともに、その運用に遺漏
なきを期されたい。
第1 改正の趣旨
  本改正は、「平成25年度第1回管理濃度等検討会」において検討された結果を踏まえ、労働安全衛生法
 施行令の一部を改正する政令(平成25年政令第234号。以下「改正政令」という。)により特定化学物質に
 追加された1,2−ジクロロプロパンの試料採取方法、分析方法及び管理濃度を定めるとともに、N,N−
 ジメチルホルムアミドの試料採取方法を改める等の改正を行ったものである。

第2 改正の要点
 1 作業環境測定基準(昭和51年労働省告示第46号。以下「測定基準」という。)の一部改正について
  (1) 試料採取方法及び分析方法について(測定基準別表関係)
    作業環境測定における1,2−ジクロロプロパンの試料採取方法を固体捕集方法又は直接捕集方法
   と、分析方法をガスクロマトグラフ分析方法と定めたこと。
    また、N,N−ジメチルホルムアミドの試料採取方法を直接捕集方法から固体捕集方法に改めたこ
   と。
  (2) 特定有機溶剤混合物(エチルベンゼン、1,2−ジクロロプロパン及び有機溶剤を重量比5%を超え
   て含有するものに限る。以下同じ。)中のエチルベンゼン及び1,2−ジクロロプロパンの測定の特
   例について(測定基準第13条第3項関係)
    特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号。以下「特化則」という。)第36条の5におい
   て準用する有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号。以下「有機則」という。)第28条第2項
   の規定に基づく作業環境測定におけるエチルベンゼン及び1,2−ジクロロプロパンの濃度の測定に
   ついて、測定基準第13条第2項各号に掲げる有機溶剤を主成分とする混合物として製造され、又は取
   り扱われる場合に限り、所轄労働基準監督署長の許可を受けたときは、検知管方式等によることを
   認めたこと。なお、この場合であっても、1以上の測定点において(1)の方法による測定を同時に行
   う必要があること。
 2 作業環境評価基準(昭和63年労働省告示第79号。以下「評価基準」という。)の一部改正について
  (1) 管理濃度の設定について(評価基準別表関係)
    1,2−ジクロロプロパンの管理濃度を10ppmと定めたこと。
  (2) 特定有機溶剤混合物に係る評価方法について(評価基準第2条第4項関係)
    特化則第36条の5において準用する有機則第28条の2第1項の規定に基づく特定有機溶剤混合物に係
   る作業環境測定結果の評価方法については、混合有機溶剤に係る評価方法と同様としたこと。
 3 特化則の規定に基づく厚生労働大臣が定める性能(昭和50年労働省告示第75号)及び特化則第八条第
  一項の厚生労働大臣が定める要件(平成15年厚生労働省告示第378号)の一部改正について
   改正政令により1,2−ジクロロプロパンが追加されたことによる号数の整備を行ったこと。

第3 細部事項
 測定基準関係
  (1) 特定有機溶剤混合物に係る測定の特例について(測定基準第13条第3項関係)
    改正政令により、特定有機溶剤混合物に係る作業環境測定は平成26年10月1日から実施が義務付け
   られるが、本告示による改正後の測定基準第13条第3項の「測定結果の評価」には、平成25年10月1
   日から平成26年9月30日までの間に、本告示による改正後の測定基準及び評価基準に定める方法によ
   り行った特定有機溶剤混合物に係る作業環境測定の結果の評価が含まれること。
    したがって、本告示による改正後の同項の所轄労働基準監督署長の許可の申請は平成27年10月1日
   以降に可能となるものであること。
    また、本告示による改正後の測定基準第13条第3項は、平成26年 10月1日から適用されること。
  (2) N,N−ジメチルホルムアミドの試料採取方法は、従来直接捕集方法が採用されてきたところであ
   るが、当該物質が捕集瓶のガラス管壁へ吸着されてしまう、短期間しか保存できないなど保存性に
   乏しいという問題が測定機関等により指摘されていたこと等から、専門家により改善策を検証した
   ところ、適正な測定を実施するためには長期間の保存に適する固体捕集方法による必要があるとい
   う結論に至ったことから、直接捕集方法を廃し、固体捕集方法へ変更したものであること。

第4 関係通達の一部改正
 1 平成2年7月17日付け基発第461号通達の一部改正
   平成2年7月17日付け基発第461号「作業環境測定特例許可について」の一部を次のように改正する。
   本文を次のように改める。
   1(5)中「(エチルベンゼンを含む。以下同じ。)」を「(エチルベンゼン及び1,2−ジクロロプロパ
  ンを含む。以下同じ。)」に改める。
   4中「(エチルベンゼンを含有するものに限る。)」を「(エチルベンゼン及び1,2−ジクロロプロパ
  ンを含有するものに限る。)」に改める。
   別表別添のとおり改める。
 2 平成17年3月31日付け基発第0331017号「屋外作業場等における作業環境管理に関するガイドライン
  について」の一部を次のように改正する。
   別表第1中「111 1,2−ジクロロプロパン」の項を「30 1,2−ジクロロプロパン」の項とし、
 「30 1,1−ジメチルヒドラジン」の項から「110 2,4−ジクロロ−1−ニトロベンゼン」の項までを1
 項ずつ繰り下げる。
   別表第2中「15 1,2−ジクロロプロパン」の項中「固体捕集方法」を「固体捕集方法又は直接捕集
 方法」に、「17 N,N−ジメチルホルムアミド」の項中「直接捕集方法」を「固体捕集方法」に改める。

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