「職場における喫煙対策のためのガイドライン」に基づく対策の推進について
(平成27年5月15日 基安発0515第1号により廃止)
基安発第0601001号
平成17年6月1日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局安全衛生部長
「職場における喫煙対策のためのガイドライン」に基づく対策の推進について
(平成27年5月15日 基安発0515第1号により廃止)
職場における喫煙対策については、平成8年に「職場における喫煙対策のためのガイドライン」を示し、
その推進に努めてきたところであるが、平成15年5月1日から施行された健康増進法(平成14年法律第103
号)において、事務所その他多数の者が利用する施設を管理する者に対し、受動喫煙防止対策を講ずるこ
とが努力義務化されたこと等を受け、平成15年5月に新たに「職場における喫煙対策のためのガイドライン」
(平成15年5月9日付け基発第0509001号)(以下「新ガイドライン」という。)を発出し、労働者の健康
確保と快適な職場環境の形成を図る観点から一層の受動喫煙防止対策の充実を図っているところである。
今般、職場における喫煙対策の一環として中央労働災害防止協会に委託して行った職場における喫煙
対策の取組み状況についての調査結果が別添のとおりまとまり、喫煙対策を行う上での新たな課題が明ら
かになったところである。
本年2月には、世界保健機関たばこ規制枠組条約が発効し、世界的規模で喫煙対策への取組みが行われ、
我が国においても様々な取組みが行われていること、また、近年職場における脳・心臓疾患の問題が大き
くクローズアップされてきており、喫煙が脳・心臓疾患発生のリスクを高めるという知見があることなど
を踏まえ、下記の点に特に留意して、職場における喫煙対策の充実について一層の推進が図られるよう、
関係事業場の指導に努められたい。
記
1 新ガイドラインでは、受動喫煙を確実に防止する観点からたばこの煙が漏れない喫煙室の設置を推
奨し、やむを得ない場合に喫煙コーナーを設けることとしているところであるが、現実には未だ十分
な対策がとられていないとの調査結果が得られたところである。
特に、喫煙室の設置等喫煙場所の確保が困難な場合、喫煙室が設けられている場合であっても、喫
煙室が屋外排気型になっていない等、十分な対応を行うことが困難な場合には、受動喫煙を確実に防
止する観点から全面禁煙による対策を勧奨すること。
2 関係団体との会合、集団指導等の機会をとらえて、上記1のことも含め、新ガイドラインの一層の周
知を図ること。
3 現在、都道府県快適職場推進センターにおいては、喫煙対策推進のための教育等の普及啓発事業、
各種相談業務等を実施しているところであり、この事業の事業場への一層の普及に対し指導援助する
こと。
また、中央労働災害防止協会地区サービスセンターにおいては、事業場のニーズに対応して分煙対
策に係る技術的指導等を実施しているので、このような機関の活用を図ること。
(参考1)
健康増進法[平成14年8月2日法律第103号](抜粋)
第5章 特定給食施設等
第2節 受動喫煙の防止
第25条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食
店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙
(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止す
るために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
(参考2)
新ガイドライン(平成15年5月9日基発0509001号)の概要
1.設備対策について
受動喫煙を確実に防止する観点から、非喫煙場所にたばこの煙が漏れない喫煙室の設置を推奨するこ
ととし、やむを得ない場合には開口面を可能な限り小さくした喫煙コーナーを設置することとしたこと。
2.喫煙対策機器について
喫煙室等に設置する「有効な喫煙対策機器」としては、たばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排
出する方式の喫煙対策を推奨することとしたこと。
やむを得ない措置として、空気清浄装置を設置する場合には、空気清浄装置はガス状成分を除去でき
ないという問題点があることから、換気に特段の配慮をすることが必要である旨を明記したこと。
3.職場の空気環境の基準について
職場の空気環境の測定を行い
[1]浮遊粉じんの濃度を0.15mg/m3以下及び一酸化炭素の濃度を10ppm以下とするよう必要な措置を
講じること
[2]喫煙室等から非喫煙場所へのたばこの煙やにおいの流入を防止するため、喫煙室等と非喫煙場
所との境界において、喫煙室等に向かう気流の風速を0.2m/s以上とするよう必要な措置を講ずる
こと
としたこと。
(参考3)
世界保健機関たばこ規制枠組条約の概要
1. 職場等の公共の場所におけるたばこの煙にさらされることからの保護を定める効果的な措置をとる。
2. たばこの包装及びラベルについて、消費者に誤解を与えるおそれのある形容的表示等を用いることに
よってたばこ製品の販売を促進しないことを確保し、主要な表示面の30%以上を健康警告表示に充てる。
3. たばこの広告、販売促進及び後援(スポンサーシップ)を禁止しまたは制限する。
4. たばこ製品の不法な取引をなくするため、包装に最終仕向地を示す効果的な表示を行うことを要求する。
5. 未成年者に対するたばこの販売を禁止するための効果的な措置をとる。
6. 条約の実施状況の検討及び条約の効果的な実施の促進に必要な決定等を行う締約国会議を設置する。
締約国は、条約の実施について定期的な報告を締約国会議に提出する。